2008年9月29日月曜日

リーダーシップ論 3Days!

先週は、Global Leadership Assessment for Managers(GLAM)なる科目を3日間受けていました。今日は、どんなプログラムかを紹介したいと思います。







このクラスは、いわゆるリーダーシップ論の入り口という位置づけで、






  • リーダーはどのような資質が求められのか?



  • あなたはどのようなパーソナリティをもっているのか?



  • あなたのリーダーとしての資質はどう評価されているのか?



  • リーダーに向けて、今後どのようなアクションプランが必要か?



という問いに答えていくものでした。



Day1






  • 8:30-12:00: リーダーとは?について議論、360度評価配布、自己性格診断結果配布。360度評価にご協力いただいたみなさま、どうもありがとうございました。



  • 13:30-17:30: チームコントラクトを作成。スタディ・グループの決めごとをきめました。いかに効果的にスタディグループを運営するかを話し会う。これは、チームワークの練習ですね-ある意味、リーダーシップとチームワークは表裏一体なのです。



Day2







  • 8:30-17:30: スタディグループでPC上で会社を経営し、他のスタディグループと競うというゲーム。360度フィードバックや性格診断の結果を踏まえて、自分があまり得意ではないリーダーシップスキルをゲームの中で実践するというもの。社長、マーケティング担当、営業担当、R&D担当、オペレーション担当などを役割分担して、会社を経営します。



Day3







  • 8:30-12:30: Case- Wolfgang Keller at Konigsbrau-Hellas。Harvard Business School卒のマナージャーが壁にぶち当たるというケースをもとにリーダーの成長について考えるというもの。今まで現場に首を突っ込むマネジメントスタイルだったKellerが、さらに一歩成長するためには、権限委譲など新しいマネジメントスタイルを学ばなければいけないというもの。



  • 13:30-17:30: カウンセラーによるone to one meetingが30分。カウンセリングというより、360度結果や性格診断などをもとに、雑談。また、スタディグループメンバーで、三日間の学びについて、寸劇をするように言われる!最後に各グループが寸劇をしておしまい。-私は残念ながらカウンセリングが最後のコマになってしまい、みんなの寸劇が見られなかったのは残念!




上司、同僚、部下からの360度評価や、自己診断テスト、シミューレーション、1 to 1カウンセリング、ケーススタディ、グループワークなどなど、多様なな学習機会を3日間という短い期間の中で、重層的に活用することで、学びの機会を最大化しようとしていました。

このGlobal Leadership Assessment for Managers(GLAM)は、リーダーシップを学校で教えられるのか?という産業界からの疑問に答える科目の一つなのですが、少なくとも私はいくつかの気づきがあってとても面白かったと思います。

その気づきとは、まず自分の特性、タイプ、そんなものを再確認できたこと、リーダーは成長し続けなければならないということ、です。まとめてしまえば、有り体なのですが、いくつかのエクササイズを通して、深く認識できたことは収穫でした。そして、この手の科目を講義する難しさ気づきは、このブログでも追々、記したいと思います。



2008年9月22日月曜日

金融危機、LBSにも激震

ここ数日、LBS構内では、Financial TimesやWall Street Journalを片手に、最近の金融危機について話すのが挨拶のようになっています。先日は、リーマン・ブラザーズの会社説明会が学校で予定されていましたが、キャンセルになりました。

London Business Schoolへの影響は大きい。なんといっても、LBSは、ファイナンス志向の学生が多い。それに、多くの学生は前職を退職してきていますので、これから金融機関に就職しようと考えている学生にとっては、今回の件は、死活問題なわけです。

リーマン・ブラザーズに就職が決まっていたMBA2年生や、この9月から働き始めた卒業生は、どうなってしまうのでしょうか。今回の一件でジョブマーケットは、一段と萎むでしょう。ただでさえ、また去年からインターシップの数も減ってきていると聞いているのに、これからさらに厳しい状況になる。

金融以外のジョブ・マーケットももちろん影響を受けます。こうした時期にどの会社も積極採用とは走らないでしょう。それに、金融機関就職希望の学生は、ヘッジとして、コンサルティングファームや事業会社にも、アプライしていきますので、競争が厳しくなります。

こうした状況を間近にみていると、個人というのは、荒波の中をキャリアを築いていく力、こうした環境変化に対応していくだけのスキル、さらには、図太さが必要。 こうした、日本人はあまり経験しない、激変に耐える訓練を通して、世界に通用する一流のビジネスパーソンが育っていくのではないかと思うわけです。

戦略コンサルティングファームの入り方

ビジネス・スクール卒業生の一大就職先のひとつが、コンサルティング・ファームです。そのニーズに応えるためのアンチョコ本がたくさん出回っていることに驚かされます。どうやったらコンサルティング会社に入れるのか?どういう風に選考過程が進むのか?インタビューではどんなことを聞かれるのか?などなどが書いてあるいわゆるマニュアル本が整備されているのです。学校のポータルサイトのキャリア関連を少し探すと、こうしたものがたくさん出てきます。まあ、やはり就職斡旋機関としての実践的な価値なのでしょう。

コンサルティング会社の面接の一大特徴は、なんでしょうか?それは、ケースインタビューと言われています。ケースインタビューとはなんでしょうか?ある架空の会社のある状況を想定して、「あなたならどう考えますか?」と即答するというなかなかやっかいなインタビュー形式のことを指します。たとえば、こんな感じです。今手元に、コンサルティング志望の友人にもらった「The Consulting Club CaseBook 2008」には、こんな質問があります。

"ある会社が宝石を製造しています。この会社は現在、ファッションリテイルビジネスへの参入を検討しています。あなたなら、この参入を推奨しますか?"
"ある会社のCEOが工場の生産キャパを増やそうと考えています。現在のシンガポール工場を拡張するか、新たにマレーシアに工場を建設するかを検討しています。あなたならどちらを提案しますか?"

などなど。こうした質問に的確に答えられるように、コンサルティング志望者は、Crack the caseといって、今からこうしたケースをガンガンと練習するわけです。学校からも、こうしたケースインタビューが練習できる場が提供されるようですね。

私は出身がコンサルティング会社ということもあって、最近どうやったらコンサルティング会社に入れるの?と聞かれたり、学生同士のケースインタビューの練習会に出たりしているのですが、そのときには次の2点を言うことにしています。

1. Caseの練習も大事だけど、Fitも大事!

みんなCaseの練習に勢力をつぎ込むんだけど、自分がコンサルに向いているか/向いていないかもものすごく大事で、それをきちんとアピールした方がいいということ。
実際、私もルクルーティングの面接をしていて、45分の時間があるうち、半分は、この人はコンサルティングに向いているかどうか、要はFitを見ているように思います。面接によっては、ケースインタビューをしない場合もあったりします。
コンサルティングはある意味特殊な業界で、他人の成功が自分の成功。クライアントが成功して、大きく利益を上げたからと言って、自分が儲かるわけでもない。ボーナスが劇的に増えるわけでもないわけです。クライアントのために徹夜しなければならないときもある。他人を助けること自体が楽しいと思える人でないと、モチベーションが持続しません。
そういった意味で、クライアントの成功のために(自分のためでなくて)、がんばれる価値観は、マストだと思います。

2. Caseでは、全体像を把握した上で、ディテールの議論をせよ!

さて、ケースのこつは、「全体像を把握した上で、ディテールの議論ができること」、でしょう。全体の問題の構造をしゃべった上で、そのひとつひとつの要素についてしゃべっていく、そんなスタイルをコンサルタントは好きです。

たとえば、簡単な例でいえば、インターネットのユーザーの議論をするときにでも、「まず、マーケット全体は、○○万人いて、××%で成長中。インターネットユーザ-は、光ユーザー、ADSLユーザー、アナログ回線ユーザー、その他に分類できて、それぞれのセグメントの大きさと成長率は、しかじかで・・・・」という議論展開を好みます。

全体像を見失う人が実に多い!しゃべってる最中に、細かいことにこだわりすぎて、どんどん質問の内容も忘れ、しゃべっていってしまう。自分は、その問題をこういう風に俯瞰します!という全体像を常に忘れてはいけないと思います。一方、ディテールをきちんとしゃべられるということ。常に抽象的な議論に終始してしまう人もたまにいるのですが、具体的なアイディアなり提案をきっちりとしゃべれないといけないと思います。

全体像とディテールをいったりきたりしながら、アイディアを柔軟に進化させられればばっちりですね!

2008年9月18日木曜日

「話す」「書く」「読む」のトレーニング

Global Leadership Development Programme

こんな名前の科目を今受けています。訳すと、「国際的なリーダーシップの育成プログラム」という感じでしょうか。さすが、国際的なLondon Business Schoolのプログラム、なんとも、すごそうな科目です。しかし、ふたを開けてみると、なんていうことはない、ビジネスにおける「話す」「書く」「読む」をトレーニングする科目なのです。

この科目は、Business CommunicationsとFurther Skills Development Portfolioに分かれていて、前者は、「話す」「書く」をカバーし、後者は、「話す」「書く」「読む」のよりアドバンストの内容をカバーします-たとえば、速読術、効果的な書き出しなどなどが用意されているようです。

今日は、丸一日、「話す」トレーニングを受けてきました。いわゆるプレゼンというやつです。職業柄、コンサルティングをやっているので、プレゼンは多くこなしてきていますが、改めて、一日じっくり振り返ってみると、自分のくせやスタイルがみえて、それはそれは、とても有意義なプログラムだったと思います。

実際に、プレゼンをし、講師が毎回プレゼンの様子をビデオで録画して、すぐフィードバックをもらいます。これを4回ほど繰り返すわけです。一人でプレゼンする場合、メモを作ってプレゼンする場合、1分で重要事項を伝えなければいけない場合、グループでプレゼンする場合など、いくつかのシーンを想定してプレゼンをするわけです。

6人のグループで受講するので、他人のプレゼンテーションスタイルも同時に見ることができるので、ほかのメンバーから学ぶことも多いです。講師もこっそりと、つまらなさそうにしているリスナーの様子も録画し、「こういう聞く態度はどうか?」など、何気ない聞き手の姿勢などもフィードバックされます。

そして、今回の講師のメッセージは、「プレゼンするときはプレゼンをするな!」ということでした。すなわち、プレゼンするぞ!という姿勢で臨むと、あなたの素が見えなくなり、結局はメッセージが伝わらなくなってしまう。

なるべく自分の素のスタイルを生かせ、自分を作り上げるのではない形で、プレゼンせよ、という逆説的なメッセージを何度も投げかけられました。クライアントに資料をもっていったとしても、その資料を決して、読むのではなく、早く相手との会話にもっていきなさい、これが彼が伝えたかったことでした。

「話す」。きわめてベーシックなスキルですが、一方で奥が深いものです。そして、いろいろな流派が存在します。自分らしいプレゼンスキルを磨いていきましょう!

MBA TV

LBSは、新しいマーケティングの試みとして、今年からYoutube上で動画を作成するようです。ちょうどオリエンテーションウィークのときの様子が見られます。

まさに百聞は一見にしかず!いったいMBAってなんなんだろうと考えている人にはとてもいい素材だと思います。

そして、この動画、よく見ると、私も1:21あたりで、日本のお国柄をプレゼンしている様子が写っていました。




さて、このYoutubeは、企業のマーケティングにもどんどん活用されてきています。このあたりの事情については、大前教授の記事をご一読あれ。

2008年9月15日月曜日

テームズ・フェスティバルでロンドン満喫

ぐずついていたロンドンの空に青い空が戻ってきました。今日は午後から雲一つないとは言わないまでも、ロンドンにしてはめずらしく、すこぶる快晴です。今日は、テームズ河に沿って開催されるテームズ・フェスティバルに行ってきました。16:00頃に、ロンドン塔に、クラスメイトと集合して、いざ出発。まずは、タワーブリッジを背景に写真を1枚。

*テームズ・フェスティバル
http://www.thamesfestival.org/index.php

テームズ河に沿って歩くと、各国の屋台がたくさん!これはいったい何なのでしょうか?ソーセージの揚げ物?ここは国際都市ロンドンだけあって、様々な国の様々な屋台があります。もちろん、日本の屋台もありました。寿司屋台でして、とても人気があるようで行列ができてました。


ジャズコンサートも聞くことができました。いくつものスポットで、野外ライブを聴くことができました。ほかにも、パレードがあったり、ダンスなどのパフォーマンスなどがあったりと、けっこう大規模なお祭りです。

もちろん、観覧車のLondon Eyeも存在感があります。この観覧車、私は乗ったことがないのですが、高さ135メートル、各カプセルに30人ほど入る巨大な観覧車なのです。



そして、最後は、花火で締め。テムズ河の両岸や、テムズ河に架かる橋に人々が集まり、今か今かと待ちながら、22時頃から花火が打ち上がりました。花火が上がるたびに、至る所からかけ声や拍手、それに歓声があがり、なかなか盛り上がりました。この盛り上がりの雰囲気は、日本の花火大会とはちょっと違っていて、なんというのでしょうか、リラックスした中でみんな思い思いの楽しみ方をしているようなそんな感じです。

色々なパフォーマンスに触れることができて、そしてまた多くの友人と話すことができて、とても充実した時間でした。

そしてなによりも、これがすべてただ!というのがいいところ。ロンドンは物価はとても高くて頭が痛いですが、ことレジャーに関しては、上手に遊べばとても安くあがります。こうしたフェシティバルは、毎週何らかどこかで開催されています。各国のフェスティバルもあれば、何かを記念したフェスティバルもあります。大英博物館、ナショナルギャラリーをはじめとして、無料で入館できるスポットもいくつもあります。レスタースクウェアにあるハーフプライスチケットブースに行けば、演劇やミュージカルの当日券が半額で入手できます。

ただで豊かな時間を過ごすことができるロンドンの一面を堪能した休日の午後となりました。

2008年9月14日日曜日

Pre-MBAのクラスメートとの絆


St John's WoodにあるイタリアンレストランCarluccioにて。

Pre-MBAのコースとして、Business Englishのコースを2週間ほどとっていたのですが、たったの2週間なのですが、そこには大きな絆が生まれていることに気づかされます。まだコースが本格的に開始してちょうど2週間ですが、早速、Nathalyの呼びかけによって、本日ランチが開催されました。なんだか昔の友達に会うような、そんな心地よい時間でした。短くても、濃密な時間をお互いにシェアしていると、そこには共通の連帯感が生まれてくるものです。今後も、このメンバーで定期的に会おうということになっているので、これからもとても楽しみです。

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2008年9月13日土曜日

ロンドン散策


ペルー出身のフランコの提案で、テムズ河に沿ってロンドンを散策。 フランコが集めた友達だけあって、コロンビア人、メキシコ人、ブラジル人と南米系が多かったです。みないい人ばかりです。特にフランコは、ポジティブオーラを周りに放っていて、場がとても愉快になります!

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キャリア設計の授業から

Career Development Programme-キャリア設計の授業が必修となっています。キャリアの設計の仕方、セルフ・アセスメントといった大きな話しから、履歴書の書き方・レビュー、カバーレターの書き方、コーチング、インタビュートレーニングといったかなり実践的なチップスまでがカバーされています。

そもそも、私の場合、そして多くの日本人がそうだと思うのですが、こうしたキャリア設計のトレーニングをきちんと受けたことがないので新鮮です。

欧米のように人材流動性が大きいと、常に雇用され続けられる能力が求められ、そうした能力を高めるためにCareer Development Programmeがあるわけです。ちなみに、この手の能力のことを、欧米では20年くらい前からemployabilityと読んでいます。EmployとAbilityのを組み合わせた造語ですね。

先日、心理カウンセラー Carlyによるセルフ・アセスメントの授業がありましたが、このセッションのテキストにもemployabilityの記述がありました。

"Lifetime employment has long since been replaced with lifetime employability. In today's current market, an individual cannot rely on their employer to maitain their employment or manage their career. You alone are responsible for your career and your employability"

「終身雇用がemployabilityにとって変わられて久しい。今日の雇用マーケットにおいて、個人は、雇用主に雇用の保証や個々人のキャリアを求めることはできない。あなたが自分のキャリヤとemployabilityに責任をもたなければならない」

なかなか重みのある言葉です。自分の適性、スキル、能力を鑑みて、いついかなるときも自律的にキャリアを切り開いていく能力がこれからどんどん必要になるのだと思います。

欧米では、みんなこの手の能力を身につけているのかといえば、実際はそうでもないようです。Carlyが印象的なことを言っていました。

「みんなが投資銀行や戦略コンサルティングファームに行くから、そこに行く、という発想は捨ててほしい。MBAを卒業して2年くらいすると、投資銀行だとかコンサルがやはり自分に合わなくて、私のところに相談にくる人がたくさんいるの。」

不幸なMBA卒はなかなか減らないようです。MBA卒のトップ2の就職先である投資銀行やコンサルティングファームはやはり忙しい業界でなかなか休みもとれないですから、やはり辞めてしまう人も多いようです。

同じクラスメイトのマーティンの話しを思い出します。「ルームメイトは某投資銀行にサマーインターをしているけど、一緒に住んでから数週間がたつけど、1時間以上落ち着いてまだしゃべったことがないんだよ。平日は朝から晩まで、時には朝の5時くらいまで、そして土日は全部出社するから、ルームメイトと会うことがほとんどないんだ」

Carlyは続けて言う。

「だからあなたたちは、いったい何に駆り立てられて(drive)仕事をしているのか、これをCareer Anchorというのだけど、それを認識してほしい」

みんながいくからとかそういうことではなくて、自分を駆り立てるものに沿って、仕事を選びなさい、というメッセージは、彼女は伝えようとしていました。当たり前といえば、当たり前なのだけど、普段仕事に忙殺されていると、忘れてなかなか自己反省する時間はもてないものです。

Career Developmentでは、まずはSelf-Assessmentがとても大事という話でした。

2008年9月11日木曜日

クラスの絆を強める

Stream D Bonding Event @ Regent's Park
LBSでは、学生は、Stream A, B, C, Dの4つのストリームに分けられます。いわゆる日本でいうクラスです。それぞれのストリームはだいたい80人くらい所属します。この80人で、コアコース(必修科目)を受講していくことになります。1年目は、コアコースの比重が多く、かなりの時間をこの80人で授業を受けていくことになるわけです。ストリーム分けが発表された頃、よくこんな会話がよく展開されていました。「同じストリームDだよね」と声をかけると、「そう、同じストリームDだよね、一番いいストリームさ ( Yes, the Best stream) 」と返ってくる。どうやら、こういうやりとりはある種おきまりみたい。ありとあらゆる応用が可能で、「同じスタディ・グループだよね?」「そう一番いいスタディ・グループさ」のように。ベストと言われて、そんなに悪い気はしない。ちょっとした挨拶なのですね。というわけで、私は、The Best Streamにいるわけです!  実際、けっこう仲がよくて、昨日はほとんど授業がなかったのですが、早速、学校の隣にあるリージェントパークで、Bonding Event (絆を強めるイベント)が企画されて、けっこうな人数が集まりました。

海外での日本企業の強さの秘密は日本マーケットにあり

Hondaのケースを読んで、グローバルで活躍する日本企業が海外で強い理由は、均質でかつ巨大な日本マーケットにあることにも気づかされます。これは、授業では扱われなかったのですが、個人的には気づきでした。


Hondaのケースにこういう下りがあります。


"In 1959... Honda Motor Company... entered the American market. With sales of $55 million in that year, Honda was already the world's largest motorcycle producer.."
"1959年に・・・Hondaは米国市場に参入した。本田はその時点で売り上げが$55 millionあり、すでに世界一のバイクメーカーであった"


じつは、海外市場に進出する前から、売り上げの規模で見れば、本田は世界一だったのです。これは、驚くべきことだと思います。国民もせいぜい1億人で、人口はそれほど大きくありません。だけど、売り上げは世界一。


なぜなのでしょうか?


その答えは、日本国民が戦後、みな同じような境遇だったからだと思います。みな、同質。そうみんな戦後の荒廃から、同じように富を増やしていったわけです。いわゆる1億総下流から、1億層中流へと、同質的に発展をとげていったことがひとつ肝なのだと思います。


日本の国民の人口はそれほど大きくないけど、マーケットが同質なので、ツボにはまる商品をだせば、それこそみんな!買うわけです。国内にもし、階級制度や、貧富の差があったとしたら、人口が大きくても、ある商品を買う層はその中の限られたセグメントになってしまうわけです。その点、日本は、みんなが買ってくれたことが、日本国内マーケットだけで巨大な規模になった理由なのでしょう。


Hondaが海外市場に打って出たときには、すでにバイクの売り上げ世界一のメーカーであり、その意味するところは、海外市場に進出した時点で、経験曲線を競合他社に比べて、下りきっており、コスト構造的に優位な立場にあったのでした。
*経験曲線http://gms.globis.co.jp/dic/00203.php


そして、米国市場を一気に席巻していく過程においても、つねに日本という巨大マーケットが背後にいることで、競合に比べると、加速度的に経験曲線を下っていくことができたのだと思います。


さらに、面白いことに、この日本人の同質性が、いわゆる日本的品質のよさにつながっているという指摘を、私の恩師である飯塚教授がされています。こんなコメントをウェブから見つけることができました。


http://www.unisys.co.jp/club/feature/talk_07_01.html

"中国の品質管理の高名な先生から、「国民の品質意識を高めるにはどうすればよいか?」という質問を受けました。これには「良いものをたくさん見せて、良し悪しを比較する機会をつくるべきです」と答えました。  日本人は、良いもの・悪いものの比較をたくさん繰り返してきました。その背景には、国民の80%以上が中産階級意識をもち、横並び意識が強かったことも関係していると思います。 友人や隣人、会社の同僚などと自分を見比べると、少しでも品質の良い製品が欲しくなるものです"


みなが中産階級だったことが、周りよりも少しぬきんでていたいというニーズを生み、それに日本メーカーが応えていったことが、日本の品質のよさのひとつの要因という指摘です。かくして、品質も高く差別化をした上で、コスト優位という、一見二律背反するような戦略-実際かの戦略の大御所、マイケル・ポーターはどちらか一方じゃないとうまくいかないと指摘している-を展開することができたのです。


しかし、一方で、日本マーケットが大きいからこそ、一部というか大部分の企業は、海外に進出していく必要がなかったわけで、今の日本の閉鎖的な社会の一因にもなっているのは確実です。実際、こちらにきても、日本は何となく隔離されたひとつのコミュニティという位置づけをされているようですし、実際に日本企業と仕事をしたことのある人から、「日本人は一緒に働きづらいんだよね」と言われたり、負の側面も多くあります。やはり、すべては両刃の剣なのです。


とはいえ、海外における日本企業の強さは1億層中流にあったのだと思うわけです。

2008年9月8日月曜日

Hondaから学ぶ「視座」

初めてのケースは、我らがHondaでした。ご多分に漏れず、LBSでもケース・メソッドが多分に採用されています。ケース・メソッドの詳しい解説は、たとえば、次のリンクに譲るとして、要は、実際の企業経営の実際が書かれた「ケース」を読んで、自分がマネージャー・経営者だったらどのような意志決定を下すかを訓練する方式のことです。
http://www.bookpark.ne.jp/kbs/about_kbs01.asp


私は、ケースを題材に教壇に立って教えていた立場でもあるので、こちらの教授陣がどのように教えるのかとても興味があるのです。ケース・メソッドでは、教えてしまっては講師の負けで、いかに学生に何かを気づかせるか、これが鍵です。こちらの教授陣が、どのように気づきを促すのか、そんな点も思う存分学んでいきたいと思っています。


さて、このケースですが、Hondには見えないマーケットを見る先見性が必要なのだと気づかされます。aの見事なまでなアメリカ戦略が描かれているのです。Boston Consulting Groupによる経験曲線理論を踏まえて、Hondaがコスト優位戦略を実行し、瞬く間にアメリカ市場を席巻していく様子が書かれています。おお、さすが我らがHonda!さすが、本田宗一郎、と思うわけです。


また、小型軽量なバイクを投入することによって未開拓なマーケットを一気に切り開いていく様子を描かれています。当時、バイクといえば、ハーレーダビッドソンのような一部のマニアの遊び道具でしたが、本田は、日常の足としてのバイクという新しい商品ジャンルを開拓して、今までになかったマーケットを一気に創り出してしまったのです。おお、やはり、経営者は、見えないマーケットをみる先見性が必要なのだと気づかされるわけです。


講師は、なぜ本田は米国で成功したのか?、本田宗一郎はどんな人なのか?といった問いかけながら、クラスディスカッションは軽快にすすみ、Hondaの見事なまでの戦略的整合性にクラス一同感心するのでした。そして、90分終了。


第二幕は、Honda(B)というケースが配られました。これが面白い。そう、今まで読んでいたのは、Honda(A)というケースでした。Honda(B)は、本田の内部でどんなことが起きていたのか詳細に記述されているのです。Honda(A)はどちらかというと、外から見ての「分析」結果。それに対して、(B)は、人間的な葛藤なども含めて書いてあるのです。


たとえば、米国本田の社長を務めた川島氏のインタビューが載っているのですが、こんな感じです。「正直に言うと、アメリカでものを売る、という意外に戦略らしい戦略は全くありませんでした・・・我々は目標利益の話や、損益分岐する起源などは一切話ませんでした。」


は?


さっき議論していた、見事なまでな先見性ってなんだったの?


さらに、実は米国市場への参入は失敗続きで、商品の欠陥は露呈するは、商品を売るタイミングを間違えたりと踏んだり蹴ったりだった様子が描写されます。当然、アメリカでは、小型のバイクなどは売れないと思っていたらしい。しかし、大型バイクの欠陥が露呈するにつけ、しょうがなく小型バイクを投入せざるを得なかったのです。


そうしたら、ブレイクし出した。売れないと思っていた小型バイクが、さきほど書いた膨大なマーケットを開拓していったのです。


そして、教授は質問する。「Hondaは何で成功したの?」


***


じつは、美しく解説してある戦略なんていうのは、後講釈であって、本当は生々しくてどろどろしたものであることを気づかせてくれるケースだと思います。


また、我々は、与えられた情報で、いとも簡単にひとつの世界観を作り上げてしまうものだなと気づかされます。Honda(A)と(B)は同じ現象を違った角度から見ているだけに過ぎないのですが、恐ろしいまでに我々の頭の中に作り上げられるイメージが違うわけです。


要は、自分がどの「視点」「視座」「視野」から物事を見ているのか、常に認識すべきであると、肝に銘じたいと思います。


初めてのこちらでのケース・スタディはとても面白く、ためになるものでした。

iPhone

iPhoneを手に入れました。

アップルは、われわれ消費者の行動、心理を実によく熟知しているなと感心させられます。これからの日本企業が身につけなければいけないポイントを見事にまで押さえていると思います。そうしたことを体感する、それだけでも、一度買ってみて損はないと思います。

http://www.apple.com/uk/iphone/

かっこいい!

英語でいうと、Cool!というのでしょうか、要は単純に「かっこいい!」と思わせるデザインとブランディング。何百万画素のカメラ搭載といった機能やスペック云々で勝負するのではなく、右脳が「ほしい」と思わせます。



実用的!


「かっこいい!」と「実用的!」はきちんと同居できることを実感します。じつは、iPhoneにはほとんど説明書/マニュアルがついていないのですが、数時間くらい遊んでいると、だいたいの使い方は理解できてしまいます。なんというか、操作がとても直感的なんですよね。

それに、本当に実用的な機能にフォーカスしています。メール、スケジュール、電話帳、インターネットはすべて、PCやサーバーと連動しているので、とても便利です。私の場合、今は、LBSのサーバーとPC、iPhoneを連動させているので、一元管理ができて、非常に快適です。とくにスケジュールに関しては、次から次へと入ってくる授業やイベントなどをさばけてとても重宝しています。

じつは、対抗馬であるBlackberryでもこのようなことは実現できるようですが、いかんせんこちらは、かっこいい。

しっかりと儲ける!

稼ぐところはちゃんと稼いでいます。もちろん、どのショップにいっても同じプライシング。値引きは一切なし!18ヶ月の最低使用期間を課せられます。非常に強気です。そして、月額£30、£35、£45、£75の4つのプランが用意されているのですが、非常に巧みに設計されているプライシングです。まず、£30は、やや物足りない。通話時間などがけっこう限られてきてします。では、35を選ぶとどうか。これはけっこういい。ちょうどお手頃かも、と思う。ここで、店員がいう。「45にすれば、端末代はFreeですよ。ですので、トータルでみれば、35と支払う金額は変わらず、より多くの通話時間が得られるわけです」。そうすると、45でもいいかなと思ってしまう。まあその上には75があるわけだし、真ん中のプライスかな、と錯覚してしまう。このような手口で、普段30くらいしか払っていない人がAppleの巧みなプライシングであっという間に月額45も払うことになってしまうことになるわけです。低価格戦争に挑んでいるどこかの国のキャリアとは大きな違いである。

2008年9月5日金曜日

Study Group Dinner



Study Group Dinner @ Indian Restaurant



今週から本格的にクラスが始まり、急激に忙しい毎日を過ごしています。どんなクラスなのかは、今度書くことにして、今日はスタディグループについて書こうと思います。

London Business Schoolでは、Teamworkがとても強調されています。そして、多様な価値観を受け入れること、多様な価値観から学ぶことが推奨されています。

そのひとつの仕掛けが、スタディグループなわけです。6人のチームメンバーで1年間、必修科目を履修していくことになります。それぞれの科目には、スタディグループで提出する課題が課されるので、いやでもこの6人で集まって、議論して、ひとつの結論を導かなければなりません。

6人は多くの人数ではないですが、この1年間どっぶりとつきあうことで、より深く理解し合うことになるのではないかと思っています。

ようやく、今日は一息つける日でしたので、スタディグループ6人で、学校近くのIndian Restaurantで、ディナーをしました。じつは、はじめてゆっくりと話し合うことができました。そして、みなのバックグランドは見事にバラバラ!どうバラバラなのか、この6人のメンバーを紹介してみます。

リカルド。スペイン人。オレンジ色の髪の毛で遠くからすぐに分かる。リカルドは、高校の頃はプロのテニスプレイヤーを目指していて、そのうちの1年間はほとんどテニスしかしていなかったとか。しかし、やはりプロの道は難しいらしく、大学、大学院で、国際経済を学び、上位1%で卒業したそうです。その後、ユネスコ、米国のスペイン大使館、モルガン・モルガンスタンレーでキャリアを積み、今後もFinanceのエリアにすすみたいとのこと。

ユアン。コロンビア人。恰幅がよく、堂々としています。ユアンは、起業家なのです。大学卒業後、P&Gでブランドマネージャーを経験したのち、ナイトクラブや、ピザチェーン店を起業していく。ピザチェーンを起業したときは、ピザの作り方も何も分からなかったけど、まず物件だけ押さえたみたい。ドミノピザの店舗に張り付いて、どういうサプライヤーが出入りしているかを詳細に調査して、ピザチェーンに必要な業者を見つけていったのだからすごい。ナイトクラブビジネスを売った資金でLBSへきています。

ナム。インド人。髪の毛を赤く染めています。16歳のときに、奨学金をもらって、単身でシンガポールへ。父親がビジネスで失敗して、この頃から自分のお金は自分で工面してきた、非常にMatureな人。大学卒業後は、英国系の銀行で、コーポレートバンキングに携わる。自分の収入のいくらかは親に仕送りしている。もちろんLBSへもくるときも、いくつかの奨学金を獲得してきています。

アレクシー。ロシア人。なかなか笑わないアレクシー。モスクワの弁護士です。彼の奥さんも弁護士として、ロンドンで働いています。4年前にロンドンで法律の修士号もとっている。でも、弁護士は奴隷のように忙しいらしく、もうこんな生活は続けられないという思いで、キャリアチェンジを決意して、今こうしてLBSへきている。卒業したあとは、プライベティ・エクイティなどのダイナミックなファイナンスの仕事をしたいみたい。

ショーン。アメリカ人。無造作ヘアが特徴的なショーン。彼はどうやら天才です。5歳の頃からコンピュータに触れ、HavardでComputer Scienceを学ぶエンジニア。卒業後は、Engineering Consultantをしたり、モルガン・スタンレーでトレーディングプログラムを設計したり、ダブルクリックでエンジニアをしています。直近では、Googleでいろいろなプログラムを設計していました。GMATも満点の800点をもっているという強者です。

そして、私。

さあ、これからどういう化学反応が起きるのか楽しみです。

2008年9月1日月曜日

Welcome Party

Week1が無事終了したことを祝して、Welcome Partyが開催されました。


中国人たちとショット!

一気飲みのスピードで競ってます!
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