2009年12月26日土曜日

革命をもたらしたセクシー料理番組

こんにちは、クリスマスも終わりですね。イギリスでは、12月26日もBoxing Dayと称して、お休みです。元旦明けの3が日はお休みというのと、同じで、クリスマスの余韻が残りつつ、New Yearを迎えるのです。



さて、Nigella Lawson(ナイジェラ・ローソン、1960年生まれ)をご存じでしょうか?じつは、彼女は料理ジャーナリストであり料理研究家。で、BBCやいくつものチャンネルで料理番組をもっています。



こう書くと、日本にでもありそうな料理研究家のパターンですが、彼女が料理界にもたらしたコンセプトが、衝撃的なのです。



ひとことでいえば、「料理」に「セクシーさ」を存分にもってきたということなのです。日本で料理番組というと、分かりやすく、清潔感あふれていて、昼間の明るい時間の番組で、わきあいあいという感じですが、これとは全く違う。



「料理」に「セクシーさ」。この二つ、一瞬考えると、相容れない感じなのですが、それを見事に合体させたところに、そのユニークさがあると思います。



こういう切り口があったかぁ、と思わず感嘆してしまう。そのインパクトたるや、すごくて、本が売れない時代に、今や彼女の本は全世界で300万冊!を売り切る実績で、メディア界でも相当な影響力をもつに至っているようです。



Youtubeに彼女の料理番組はゴロゴロ転がっているので、そちらを見て頂くとして、たとえば、ひとつあげるとすればこれ。



BBC “Nigella Christmas Kitchen”




この番組の特徴は、ドラマ仕立て、耽美、パーソナル・ドキュメンタリーの3つにあると思います。

ドラマ仕立て

実際のクリスマスパーティーを開催するというセッティングのもと、番組が進んでいきます。パーティする前日の準備、当日の朝何をするのか、そして、パーティ開催中はどう動けばいいのかなどを知ることができるわけです。だから、パーティ開催中のシーンなどは、キッチンを撮影していても、ゲストの歓談が聞こえたりする。また、誰もが憧れるようなキッチンとリビングルームのセットも雰囲気を盛り上げていますね。



耽美

50歳には見えないナイジェラの美貌を全面に押し出した番組づくり。料理をつくるときのアップの切り取り方も計算尽くされたつくりで、耽美感を醸し出しています。また、彼女の放つコトバ選びもたいしたものだと思います。また、途中に流れるジャズなどの音楽も日本の料理番組では考えられなかったセレクション。感覚に訴えかけるつくりです。だから、塩が何グラムでとかといったレシピは一切画面にでてこず。詳しく知りたければネットでどうぞということでしょう。



パーソナル・ドキュメンタリー

あわせて、この人気大物料理ジャーナリストのパーソナル・ドキュメンタリーにもなっています。料理の手順を伝えるのではなく、彼女がどう考えているか、どう思っているか、料理に対してどういう思いをもっているか、そんな彼女ならではのパーソナル感もよく出ているつくりになっている。



私なんかは、料理番組というと、NHKの料理クッキングのような固定観念をもっていたので、良い意味でそれを崩され、「こうきたかぁ!」と感心した次第です。思い込みを捨てることから、チャンスを生まれる、ですね。

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