ハーバードビジネススクールの教授陣による、ビジネススクールの課題を浮き彫りにしたかなりの意欲作。
こうした自己反省の研究をし、それを世に問うというのは、ビジネススクールを代表するハーバードならではだと敬意を表したいと思います。
今のビジネススクールの立ち位置がよく分かります。
ビジネススクールの学長ら数十人、企業のエグゼクティブ、各ビジネススクール在校生へのインタビューを通して、MBAプログラムの何がダメなのか、トップビジネススクールはそれらにどう対応しているか、今後ビジネススクールは、どうすべきかを語っています。
また、Chicago Booth、INSEAD、CCL、Havard Business School、Yale、Stanfordについては、詳細なケーススタディも書いてありますので、これからMBAを検討している方にも面白く読める内容です。
(著者の一人がRethinking the MBAを語る)
さて、この研究が明らかにしたMBAの8つの課題とは、以下のとおり。
1.Gaining a global perspective
国をまたいだ経済や文化の違いに直面したときのマネジメントスキルを身につけさせるべき
2.Developing leadership skills
もっともっとリーダーシップをみにつけさせるべき。とくに自らをしる、実践が弱いね
3.Honing integration skills
マーケティング、戦略などと機能毎に学びがちなMBAだけど、もっと分野横断的なスキルを身につけさせるべき
4.Recognizing organizational realities and implementing effectively
ドロドロした組織を実際にどう動かすのかを身につけさせるべき。分析だけでは組織は動かないよ
5.Acting creatively and innovatively
分析もいいけど、もっと発想豊かに、ブレークスルーするようなソリューションを紡ぎ出す力をみにつけさせるべき
6.Thinking critically and communicating clearly
MBAって、コミュニケーション下手。やっぱりロジカルにクリアに意見を述べる力をもっと磨いてほしい
7.Understanding the role, responsibilities, and purpose of business
ここから二つのポイントは、金融危機以降出てきた課題。利益以外の企業のゴールも意識すべきとかそんな話し
8.Understanding the limits of models and markets
前提をつねに疑うことでリスクについて常に考えるべき。現在のモデルの限界を知るべき。
という八つ。
さて、この8つの領域は、多かれ少なかれ、この書籍でも語られているように、どこのビジネススクールも取り組んでいるものばかり。今のビジネススクールの取り組みを正当化している書ともいえなくもない。
というわけで、ここで取り上げられている課題は、改めて新しい課題かなぁという気もするけれど、膨大な定性データにもとづいて、系統立てて課題を整理したところにこの研究の価値があるのでしょう。
じつは、MBAの本当の課題は、あるとすれば、もっと別なところにあるのではないかというのが私見。それは長くなるので、また別途投稿していきます!
2010年5月29日土曜日
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2 件のコメント:
MBAプログラムの問題点を指摘するというのは面白いですね。
MBAのプログラムは、知識・テクニックは、トップレベルだと思います。
リーダーシップの点でちょtっと独裁的な印象を受けますが。
8つの課題を克服するような人材を育成できれば、化け物のような人材ができますね。
ただ、完璧すぎると、人が寄りにくくなりそう。
こういう話を聞くと、日本と海外との差が広がっているのを痛感します。
そのおかげで、より一層の知識・精神力・創造力などの成長の必要性を感じることが出来、自己鍛錬の力になります
イタリアSDA Bocconi MBA卒業の柳澤と申します。
私は現在、ロンドンにあります教育サービスの企業にてアジア市場のマーケティングを担当しています。
MBA・大学院を目指す人のための世界最大イベント「World MBA Tour」「World Grad School Tour」の開催にあたり、
是非、貴殿のブログにて告知にご協力いただけませんでしょうか。
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宜しければ以下のテキストを告知していただきたく宜しくお願い申し上げます。
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【QS World MBA Tour Premium】
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【日時】 2010年9月9日(木曜日) 午後5時~午後9時
【会場】 シェラトン都ホテル 〒108-8640 東京都港区白金台1-1-50
http://www.miyakohotels.ne.jp/tokyo/access/index.html
【費用】 下記事前登録で入場無料 (当日入場の場合500円)
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【主催:QS Quacquarelli Symonds Ltd.】
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QS社は高等教育に関するイベントやランキング情報等を通じて人と教育機関と企業を結ぶ活動を行っています。
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【QS ワールドMBAツアーとは】
世界のトップビジネススクール入学審査官らが、東京含むアジア、北米、ヨーロッパを世界最大規模で全52都市を巡回する予定で、日本開催は今年で8回目になります。数百名のMBAを目指す方々の参加が見込まれ、ブースに立つ卒業生や出願者同士のコミュニケーションも大きな魅力です。プログラム内容や卒業後の就職案内など情報入手のチャンスです。当日ブースで会話した学校関係者が、選考プロセスにて実際のインタビュアーや審査官であることは珍しくありません。是非ご参加ください。
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【当日のタイムテーブル】
16:00-17:00 入学審査官によるパネルディスカッション「MBA合格をつかむキーポイント」
17:00-18:00 トップ校プレゼンテーション
18:00-19:30 トップ校入学審査官との座談会(参加者は要事前選考)
19:30-21:00 オープンフェア
20:00-20:30 企業採用担当によるディスカッション「MBA卒業後のキャリア形成について」
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【参加予定校(一部)】
INSEAD、IE、ESADE、IMD、LBS、Michigan、Boston University他
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