2009年11月30日月曜日

「信頼力」とはリスクをとること

元ボストンコンサルティングファームで、今はドリームインキュベータを率いる堀紘一氏は、「今の若者は信じる力は弱い」と言い切ります。すなわち、最近の傾向として、信頼する、そういった力が弱まってきているというのです。

ビジネスにおいては、信頼=TRUSTが大事。そう言われます。でも、一体信頼するとはどういうことなのでしょうか?また、信頼がなぜ、ビジネスにおいて(いや、もちろんそれ以外でも)大事なのでしょうか?

じつは、Madan M. Pillutla教授の論文の中で、”Trust Involves Risk”というフレーズが出てくるとおり、信頼するとは、リスクをとることに他なりません。信頼するとは、相手が返報しないリスクを認識しつつも、何かを与えることといえます。

たとえば、何らか重要な情報を相手に与える際、もしかしたらその情報は漏洩するかもしれない、その情報を本来の目的に使ってくれないかも知れない、そんなリスクを抱えつつも、相手を信頼するときは、その情報を渡すわけです。

仕事を部下に任せるときも同じです。その仕事を任せたとしても、期待したとおりにできあがってこないかもしれない。でも、その部下を信頼するから、そのリスクを抱えつつも、仕事を任せるわけです。

で、なぜこの信頼することが大事かというと、信頼された相手も、その信頼の重さを感じ取って、信頼してくれた人に何かを返そう、そう思うのです。そこからいわゆる、信頼関係がはじまり、物事が進んでいくわけです。

でも、この初めのリスクをとることができなければ、何も始まらない。

冒頭の質問に戻って、なぜ信頼力とでも呼ぶべき力が落ちてきているのか?それは、昨今のリスクをとりたがらない若者の嗜好が原因で、信頼するという行為の中にあるリスクをとることを避けているからではないか、そんな風に読み解くことができます。

"Trust Involves Risk”

2009年11月29日日曜日

ロンドンで見かけた風変わりなレストラン

ロンドンで見かけるリテールの業態は、たまに新鮮で、マーケティングでいうところの新しいポジショニングってまだまだあるよね、と感じずにはいられません。新しいアイディアを出すための頭の刺激に、今日は2つのレストランを紹介します。

陶器の絵付けができるカフェレストラン~ビスケット

こんな組み合わせ、一体だれが考えたのでしょう?こんなのあり?そう思えるのがこの「ビスケット」。ファミリーセグメントを狙った、陶器の絵付けができるカフェレストラン。メニューは、子どもを想定して、ケーキ、スィーツが充実。食事は、パン、スープなどが取りそろえてあるとともに、ひとおりのカフェメニューがあります。

よく考えると、ロンドンにはファミリーレストランなるものはなく、家族が落ち着けるカフェ的空間がない。そんな隙間を埋めるかのように、このレストランはオフピーク時間の時のも関わらず、繁盛していました。






おしゃれな回転寿司チェーン~Yo SUSHI!

Wagamamaなどロンドンの日本食レストランを手がけたBruce Isaacs氏プロデュース。日本で回転寿司というと、反射神経的に「安い」と連想しますが、その反対を行くのがこの回転寿司チェーン。内装はおしゃれで少しポップ。客層もカップルなども入っていて、値段もやや高め。ハイセンスなおしゃれ系として回転寿司が位置づけられているのです。ただし、味はイマイチ。




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クリスマスらしくなってきた



近所のショッピングセンター、Brunswick Cetreは、
上品なライトアップに身を包んでいます。
あっという間にクリスマスの時期になってきました。
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経営者が考えるべきビジネスモデルの次に大事なこと

WHAT IS YOUR MANAGEMENT MODEL?
This could be your second important question you ever ask about your business. Here’s how you answer it.
Julian Birkinshaw and Jules Goddard
(クリックをすればダウンロードできます)



MIT Sloan Management Reviewに掲載された論文で、実に示唆に富む内容です。



経営者の悩みはつきません。その最たる悩みは、ビジネスモデル。だれに、何を、どのように提供し、どのように対価を回収するのか。



最近は、その悩みに加えて、そのビジネスモデル実現に向けて、どう目標を設定し、どう実行するのか、すなわち経営のやり方、すなわちマネジメントモデルも選択する必要が出てきていることをこの論文は指摘しています。



たとえば、ゴールドマン・サックスのマネジメントモデルと、Googleのマネジメントモデルは明らかに違います。オーストラリアで仕事の合間に波にのるGoogleの社員と、シティで夜中まで働くバンカー。



もちろん、ビジネスモデルは全く違いますが、それに加えて、経営のやり方=マネジメントモデルも違うことは、直観的に分かるかと思います。



では、一体、何が違うのでしょうか?マネジメントモデルが違うとはどういうことなのでしょうか?この論文は、みなが何となく認識している事実を、明示化したことにその価値があると思います。マネジメントモデルというと、堅苦しいですが、その内容は次の4つの視点です。



1.どのようにゴール設定をするのか?

 明確なゴール設定 or 遠回りなゴール設定

2.どのように動機付けを行うのか?

 お金 or やりがい

3.どのように活動をコーディネートするのか?

 官僚 or 自然発生

4.どのように意志決定を行うのか?

 ヒエラルキー or 集合知



たとえば、どのようにゴール設定をするのか?については、こちらを。ストレートにゴール設定をするのか?遠回りなゴール設定をするのか?その選択をする必要があるというわけです。



活動のコーディネーションについては、たとえば、コンサルティングファームのプロジェクトごとのコンサルタントのチーム編成では、官僚的というのは、会社側でチームを決めていくというやり方。もう一方のやり方として、会社がフリーランスのコンサルタントを抱えていて、クライアントがチームメンバーを選ぶというぶっとんだ事例が紹介されています。そう、会社がコンサルタントをアサインするというプロセスがいらないわけです。



このように、この4つの要素、それぞれに関して、大きく二つの方向性があり、経営者は最適な「方法」を選択する必要がある、というわけです。著者ら曰く、このマネジメントモデルは、経営者の間ではあまり議論されることがなく、過去の継続であったり、経営者のやり方・好みで決まっていることが多いとのこと。



今一度、このマネジメントモデルを見直すことを薦めています。さらには、このマネジメントモデルこそが、競争優位の源泉になることを指摘しています。



企業が勝ち残るためには、何らかの意味において、すごいところ=競争優位が必要です。それは、昔は、商品がすごいということからはじまり、ビジネスモデルがすごい、社員がすごいなどいろいろな「すごい」がありました。これからは、この「マネジメントモデルがすごい」というのも、ひとつの戦い方になるだろうということが書かれています。



マネジメントモデルの4つのポイントを簡潔に説明してあると同時に、それらをサポートする極端な事例も多く散りばめられ、思考が刺激されるおすすめの小論文です。来年にはこの本も出るらしく、そのPreview的な価値もありそうです。

世界を股にかけた週末@グリニッジ

今朝起きたら、ロンドンは快晴!これは出かけるしかない!

世界標準時として有名なグリニッジに行って参りました。じつは、このグリニッジ、ロンドンからそう遠くなく、私が住んでいるRussell Squareからは、188のバスに乗れば、30分ほどでグリニッジにつくことができます。

グリニッジといえば、グリニッジ天文台が有名ですが、現地の人に親しまれているのは、むしろグリニッジ・パーク。さすが、公園が自慢のロンドンとだけあって、広大な公園が見事に広がります。



さらに、グリニッジの町には、大英帝国時代の海軍を育成したその総本山、海運学校があった場所でもあります。これが、旧王立海運学校というわけです。向かって右側が、ペインテイド・ホールと呼ばれる水兵の食堂で、左側が礼拝堂となります。



ペイテッド・ホールの内部は、まさにペインテイド(Painted)というだけあって、見事に絵画が壁と天井に広がっていて、その迫力は圧巻です。このペイントには、20年近くの歳月がかけられているのだとか。さすが、大英帝国、気合いの入り方が違います。



グリニッジ・パークの中にある丘を登っていくと、そこが旧天文台となります。ここからの見晴らしは抜群で、多くの人で賑わっている人気スポットとなっているようでした。遠くに見えているのは、ロンドンの再開発地区-カナリーウォーフですね。成功した再開発地区を横目に、グリニッジにも火がついたのでしょう、ここもいくつもの再開発プロジェクトが街の至る所で見ることができました。



そして、銀色の0度線はここにアリ!そう、私は東半球と西半球を股にかけて、帰途についたわけです。世界を股にかけた日としておきましょう!
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2009年11月27日金曜日

交渉術から「人間くささ」を学ぶ

みなさんは、「交渉」をするでしょうか?じつは、広い意味でとらえれば、だれでも、だれかと、何らかの形で「交渉」していると思います。今日はだれが掃除をするか?子どもの面倒みるか?といったパーソナルなことからはじまり、仕事でいえば、営業や給与交渉、はたまた企業の買収金額の合意にいたるまで、あらゆるところに「交渉」はあるかと思います。



MBAにも「交渉」の授業があり、私もただいま受講中で、イヤイヤ、これがなかなかエキサイティングなのです。なぜかというと、なんというのでしょう、人間のバイアス、弱さ、エゴなど、そうした「人間くささ」を学ぶうえで、「交渉」は打って付けの材料なのです。



ここ最近では、グループ間での交渉を行いました。私たちは、ある学校地区の教育委員会となり、教師組合と交渉するのです。この地区は予算が厳しく、どうやっても教師連合側には、教師のカット、給与カットなどを飲んでもらわなければ立ちゆきません。まさに、気分はさながら、日航の労組交渉?



それも、5時間以上かけて、グループ間で交渉していきます。各チームとも、エクセルで精緻なモデルを作り上げ、多数の交渉項目を確認していきます。授業のための演習なのですが、Executive MBAの学生も含めた大のオトナが実際にどんどん白熱していったのを振り返ると、いやー、何とも不思議なものです。ヒートアップしたあげく、我がチームは、合意に至れず、決裂じまい。



かの名著「影響力の武器」にも書いてありますが、人間というのは、二つのグループにそれぞれ違うゴールを与えただけで、その二つのグループはお互いにいがみ合い、「やつら」「うちら」という概念をあっという間につくりだしてしまうそうですが、今回はまさに、この「やつら」シンドロームを体験することとなりました。



企業内の組織間の対立、牽制、感情的しこりなども、まさにこれ。これが人間の特質そのものなのですよね。というように、こうした「交渉」の演習を通して、人間的くささが浮き彫りにされていくというクラスなのです。



本日は、われわれの交渉をビデオで振り替えながら、何がよかったのか、何がよくなかったのかを振りかえりました。教授いわく、われわれの交渉決裂の致命的な点は、我々側の問題のフレームの仕方。



私たち側の出だしのアプローチは、赤字予算を回避するために、教師側に「お願い」するモードにうつったというのです。現状維持ありきで、それを手放すように交渉を進めたように見えたということです。「お願い、お願い」というモードだけでは、相手としては、そんなお願いばかり飲めるか!というトーンになってきてしまうわけです。



しかし、あるべきは、現状維持はまず無理で、大きな苦しみをこれから伴うことになる。その苦しみをどうやって、「最小化し、共有できるか」という議論に切り替えるべきだという指摘です。すなわち、現状維持はそもそもハナだめ!という設定をすべきだったのです。



このあたりは、プレーヤーとして話しているとそうしているつもりでも、そうはならないので、やはり第三者の冷静な立場が本当の交渉のときにも必要でしょうね。



その他、信頼やフェアネスの生まれ方、結託の仕方、論争のとり扱い方などのトピックスを扱っていきます。そういった意味で、「交渉」の授業というと、やや狭く聞こえますが、じつは、この授業は、「人間くささ」に向き合わせてくれる貴重なレッスンだと思います。

2009年11月26日木曜日

イノベーション産み出す問い:Eメールを今発明したらどうなるか?

Eメールを今発明したらどいうものか?


だれもが使うEメール。これを今、発明したらどんなものになるか?


これがGoogleの開発メンバーが、Google Waveを開発するときに投げかけた問い。いや、じつにいい問いではありませんか。



Google Waveは今年の5月にリリースされた、Googleが放つEメールにかわる次世代のコミュニケーションツールです。



リアルタイムにドキュメントや画像などを編集作業できるかなりのすぐれものです。とくに、そのリアルタイム性がウリで、メールを書く際も、相手が一字一字打ち込むのがこちらの画面で確認できるからスゴイ。



私たちは、会話するときも、相手が話し終わったあとに、話しの内容を理解するのではなく、逐次理解しているもの。だから、インターネットの世界でもそうあるべき、ということなのです。



さらに、違う言語でテキストで打ち込んでも、これまたリアルタイムで翻訳していくから、異国のヒトとリアルタイムチャットもできてしまう。







私もまだ使い始めで初心者ですが、慣れるためにあるプロジェクトでは、このWaveを使ってコミュニケーションしようということにしています。(詳しい方いろいろ教えてください!)



話しは戻って、このWave開発にあたっての、問いかけが秀逸。今、Eメ-ルを創るとしたら、どういう姿形をするか?



Googleによれば、Eメールが発明されたのは、40年前。メールなんて、最近のこと、と思っていたら大間違いで、もうかれこれ40年も経つのですね。それから、というもの、ブログ、ソーシャルネットワーク、Wiki、Twitter、Flickrなどなど数え切れないほどのコミュニケーションが出てきました。



であるならば、そういった今流のコミュニケーションスタイルを踏まえて、僕らが今、最も頻繁に使っているEメールを作り替えるとしたら、どうなるか?と問うたら、それこそ、様々なアイディア、インプレーションがわいてきそうです。



こういうのを、リンダ・グラトン教授流にいえば、Igniting Question -燃え立たせる質問-というのでしょう。Igniteとは点火する、という意味。着火させる、そのきっかけをあたえる質問という意味あいです。



こうしたIgniting Questionsを次々と投げかけて、みなをびっくりさせるサービスをリリースし続けることができる。



であるとするならば、みなさんの業界、会社、部署、もしくはチーム、はたまた個人の成長に向けたIgniting Questionは何でしょうか?



たとえば:



戦略コンサルティングファームというビジネスモデルが出現してから、かれこれ100年。その間、基本的なビジネスのやり方は変わっていません。今、0からコンサルティングファームをつくるとしたら、どういう形になるか?



なんていうのは、どうでしょうか。不思議なことに、この業界も基本的な仕事のやり方は驚くほどかわっていません。アイディアあったら、ぜひ募集中です。

2009年11月22日日曜日

Nikkei Net:米グーグル、ユーチューブに字幕表示 動画の検索容易に

インターネット検索最大手の米グーグルは、傘下のユーチューブがネット配信する動画に自動で字幕を表示する技術を開発した。あらゆる動画に字幕を付けることで動画の検索が容易になるほか、字幕を別の言語に自動翻訳するサービスの展開などにつなげる。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091122AT2M2101V21112009.html



これは、あらゆる人々にとって、朗報ですね。ここ最近の情報技術の発展には目を見張るものがあり、Googleは次々とそれをリードしていった感があります。今回の機能は、動画検索を可能にするということで、大いに楽しみです。



そもそも、動画コンテンツの困ったところというのはどういうところでしょうか?



最近は、TEDや、大学の講義、大物の講演など良質な動画コンテンツに加え、われわれ一市民が作り上げる動画コンテンツと相まって、動画コンテンツの量は、それこそ莫大に増えていました。



しかし、動画の問題点は、テキスト文章のように、さっと目を通すことができないというもの。テキスト文章ならば、とばし読み、精読など、そのあたりの緩急の付け方は読者次第。いわゆる「速読」がきくんですよね。



一方で、動画の場合は、「速見」がなかなかできなかった。一応、動画を見ざるを得ない。いくら倍速機能などはあるとはいえ、その間の時間は消費されてしまうわけで、時間効率が悪かったのは事実。



だから、人からいいと言われた、お墨付きの名スピーチなどはみるけれど、そういうのがないと、なかなか見ないという問題がありました。



しかし、グーグルの新しい機能によれば、動画に字幕がつき、そのテキストを検索しにいけるということであれば、必要な動画をピンポイントで検索しにいけることになります。動画を見続ける必要はなく、テキストを検索しにいけばいいわけですから。



様々な情報ソースを加工して、新しいコンテンツを創るコンサルティング業界にとっても、朗報です。コンサルティングをする場合、リアルなインタビュー、ディスカッションにはじまり、文献、リサーチペーパー、書籍、記事、ニュースありとあらゆる情報ソースを使いますが、動画を情報ソースとして使うというのはあまりなかったと思います。



今回のこの機能は広く普及すれば、動画コンテンツも立派なコンサルティングの一インプットとなりそうです。



携帯電話でも簡単に動画をアップできる時代。動画の海におぼれないようにするためのひとつの海図が提供されたといえますね。

2009年11月21日土曜日

日本人の英語力を上げるためには?~TOEFLを大学入試に

先日、同じくイギリスでMBA仲間の日本人が我が家に遊びに来た際、面白いことを言っていました。それは、TOEFLの大学入試科目に加えたらどうか、というアイディア。いやいや、これはいい案だと思います。

まず、ロンドンに留学して分かるのは、各国の学生の英語レベルの高さ。MBAのクラス構成をみると、イギリス人が10%以下、アメリカ人などのネイティブも2,3割。半分以上は、ノンネイティブなのですが、まず間違いなく、みな英語に問題がありません。

英語が苦手な国~日本という構図を実感せずにはいられません。英語が日本人が苦手な理由を言語の違いが大きいから、という人もいますが、東南アジア、アラブ諸国などの言語体系が全く異なる留学生も英語を流ちょうにしゃべるにつき、この論もくずれることになります。

日本人は、かれこれ10年近く英語に時間を使うわけですが、使えるようになった気がしない。その打開策として、TOEFLを大学入試にする案があるわけです。なぜ、TOEFLがいいのでしょうか?

TOEFLは、海外の大学・大学院の入試の際に外国人ならば誰もが受けなければ試験です。その何十年の歴史の中で、「TOEFLの点数は高いのに、英語がしゃべれない人がいる!」という大学からの不平・不満をつぶしてきて発達してきテストです。

だから、「使える」英語を計る試験で、きわめて実践的。ということは、日本人にとっては、きわめてシビアな試験になっていて、日本人MBA留学生組も、この試験には相当苦労させられているようです。

私は、幸い、前世代のTOEFLを受験したので少し楽だったのですが、今回のiBTと呼ばれる試験方式は、日本人が得意な文法セクションが全てなくなり、その代わり、スピーキングが加わることになりました。

また、英語も、アメリカ英語だけではなく、実際の場面に即して、イギリスやオーストラリアなどの英語も交じっています。
以下、TOEFLは、総時間4時間以上で、リーディング、リスニング、ライティング、リスニングの4つの側面をじっくりと試されるわけで、ここまで、徹底的に試験されると、日本人が得意な試験テクニックでは乗り越えられず、本当の英語力をつけざるをえません。

たとえば、Integrated Taskでは、リーディングをして、それに対してリスニング(これはそのリーディングをある教授が批判的に解説するというものだったりする)をして、それらをもとに、まとまった文章を書いたり、もしくはしゃべる必要があります!

大学入試の英語科目なんて、どの大学もその目的は同じはず。英語によるコミュニケ-ション能力の向上。ならば、その目的に即したTOEFL、世界の叡智をかけてつくられたTOEFLを大学入試科目にするのは理にかなっていることになります。それは厳しすぎるという声も聞こえますが、とはいえ、現実の英会話や英語の講義などを考えれば、このTOEFLもまだまだ聞きやすい方。

中高の教育界がこのTOEFL点数向上に向けて動き出したら、そのインパクトは大きいと思います。その上、TOEFLの大学入試化をすれば、膨大なコスト削減につながります。そもそも、共通スキルになりつつある英語の試験を個別の大学が課す意味合いはどれだけあるでしょうか?各大学が英語問題を作成する必要がなくなりますから。

2009年11月20日金曜日

MBA経済テキストのオススメ

日々経済時事ニュースに接している人なら、やはり経済理論を知っているにこしたことはありません。やはりビジネスをするにしても、経済については知っておくべし!ということで、MBAのカリキュラムには大抵、経済科目が織り込まれています。

LBSでは、必修科目として、ミクロ経済(Managerial Economics)、マクロ経済(Understanding the International Macroeconomy)の2科目、選択科目では、世界経済(World Economy)、新興経済(Emerging Market)などなどがあり、MBA科目群の中でも一角をなしているほど重要視されている感があります。

LBSで経済系の科目でよく引用される定番テキストが、コレ。けっこうオススメです。



MBA授業の分厚く、そして厳かで教科書を買って、初めの数ページを読んでアカデミック気分満載になるのですが、授業で配られる教材や読み物でほとんど事足りて、せっかく買った高額なテキストは、読まずにオシマイ、なんていうこともめずらしくありません。でも、この教科書はそうはならず、けっこう役に立ちそう。何がいいのか?

このテキストの序文から少し、引用してみます。

We wrote the first edition of this textbook in the firm belief that there was scope for a different approach to teaching students macroeconomics.
筆者らは、マクロ経済を教える、今までとは全く異なるアプローチがあるという信念のもと、初版のテキストを書きました。

なるほど、今までとは全く違うアプローチだそうだ。じつは、これ、マクロ経済の定番、そして多くの版を重ねているマンキューの経済本のことを暗にさして、それとは全く違うアプローチを展開したいとも読み取れるのです。



というのも、さらに序文を読み進めていくと:

A focus on making the reader a “sophiscated” consumer of economics. We do so by stressing the logic and intuition of economics rather than resorting immediately to technical model building and curve shifting

A global outlook using historical and contemporary data from around the world

Introducing substantive real-world issues first to motivate students an then introducing concepts and frameworks to explain them. Rather than illustrate models with insert boxes, we integrate the facts and the analysis.

つまりは、需給曲線がシフトするだとか、ハコが連なったポンチ絵を使った説明よりは、実際の経済問題をガンガン扱い、図表やデータをふんだんにつかっていますよ。経済理論を振りかざすのではなく、まずは直観やロジックを大事にしますよ、という感じでしょうか。

たしかに、この経済のテキストは、データと図表が大量にのっていて、そこがマンキューに代表される今までのマクロ本とは違うといえそうです。

従来のテキストはどちらかというと、需要曲線と供給曲線のポンチ絵が書いてあって、その線がシフトするといった感じの解説が繰り返しされていて、たしかに理論はめちゃくちゃ分かりやすくいのですが、いつの間にか浮世離れしてしまっていることも少なくありません。

ただし、この本2003年に発刊のため、売り文句のデータが古いのが玉にキズ。とはいえ、図表とデータをふんだんに活用して、ガチガチの経済理論を最小限にとどめたこの教科書は労作だと思います。金融危機を経て、経済や金融への関心が高まっている今、求められている本かもしれません。

2009年11月19日木曜日

London Business School日本語サイトがあります!

オフィシャルなサイトであるhttp://www.london.edu/とは別に、日本人コミュニティ有志で運営している“非公式”日本語サイトがあり、ときどきアップデートしていますので、MBA留学やMBAそのものにご関心のある方はぜひチェックしてみてください。
http://www.geocities.jp/london_bizschool/

また、このサイト経由から、日本人在校生とインフォーマルにお話する機会にも申し込むことができますので、ぜひ活用していただければと思います。私は、キャンパスビジットをしなかったので、偉そうなことは何も言えないのですが、在校生と直接会って話しをして、キャンパスの雰囲気を感じ取ることで、出願エッセイのクオリティが変わってくるともよく聞きます。

正直に言えば、ウェブサイトは、ヤヤ使いにくい面もあり、必要なコンテンツにたどり着くのに難があったりするのは事実。ただし!中身ですが、コンテンツとしては、かなりよくできています。英語の公式ページより、LBSが提供していること、MBA生活が分かったりすると思います。LBS先輩方が書いたものを我々が継承しているわけですが、よく書かれているなと在校生としても、そう思います。

また、在校生による合格体験談や、インターンシップ体験談、各種プロジェクトの体験なども読み応えがあるかと思います-私は、出願時、これがあることを知らなかった!知っているばよかった!

以下は、LBSの授業カリキュラムの特徴を綴ったモノ(ホームページよりそのまま抜粋)

ロンドンビジネススクールのプログラムは、実ビジネスですぐに有効活用できる実践性に大変優れています。ビジネス界との強力なコネクションを最大限に活用したゲストスピーカーとの対話やプロジェクトワーク。ビジネス経験が豊富で世界最先端のナレッジを常にリードする超一流の教授陣。緻密に練り上げられた80科目以上からフレキシブルに選ぶことができる選択科目

MBAプログラムは、学生一人ひとりを世界の第一線で活躍するトップエグゼクティブに養成することを念頭に、膨大なリソースをかけて作りあげられ、そして常に進化を遂げています。実践性・実効性の高いレクチャーレクチャーは、実ビジネスでのアウトプットが最大化できるよう、常にプロフェッショナルな視点から展開されます。

ケーススタディでは、現実のビジネスがどのような状況に直面するかを多面的に理解し、それらは教授らの明快な理論によって紐解かれていきます。クラスのディスカッションは、ときにボードルームの議論さながらで、クオリティが高く大変白熱します。ケースの題材になった人物はゲストとしてクラスへ招かれ、学生と真剣な議論を行い、学生はケースでは読み取れない経営者の苦悩や葛藤までをもリアルに学びとることができます。このようなレクチャーのスタイルが極めて頻繁に行えるのは、ロンドンビジネススクールが、これらの一流企業から常に高い評価を獲得し、ロンドンという世界のビジネスの中心地に位置しているからでしょう。

シャドーイングプロジェクトセカンドイヤープロジェクト、各科目のアサイメント等では、学生は自分たちの興味がある企業に直接コンタクトし、コンサルティングやリサーチを行います。対象は、ロンドンはもちろん世界のどこにある企業でもかまいません。一流グローバル企業へコンサルティングを行ったりベンチャーの経営戦略を立案したりと、学生は何にも制約されることなく、好奇心や将来の展望を見据え、自身の腕と頭脳を磨くことができるのです。企業との強力なネットワークを獲得できることはいうまでもありません。

超一流の教授陣と最先端のレクチャープログラムをリードするのは超一流の教授陣です。ファイナンスでの確固としたステータスは周知の通りでしょう。世界中のMBAで教科書となっている
「Principles of Corporate Finance」(日本語訳本「コーポレートファイナンス」)の執筆者であるファイナンス界の権威、Richard Brealeyを筆頭に、Raman Uppalなど、そうそうたる教授陣が結集しています。教授自身が持つシティとの太いパイプも大きな魅力でしょう。

ストラテジーのレベルの高さも不動です。
「戦略の原理」「Fast Second」の著者Costas Markides、「コアコンピタンス」の提唱者Gary Hamel、国際戦略の第一人者George Yipなど、素晴らしい教授陣が教鞭をとります。「組織理論と多国籍企業」,「個を生かす企業」,「Sumantra Ghoshal on Management, a Force for Good」で有名なストラテジーの世界的権威Sumantra Ghoshalが近年惜しくも逝去したものの、彼が率いたドリームチームはそのレベルを脈々と受け継ぎ、飽くなき発展を遂げています。

また、アントレの充実度には目を見張るものがあります。Michael Hayや
「New Business Road Test」の著者John Mullins等教授陣は起業経験者・PE経験者等で固められています。教授陣が持つアントレ界とのネットワークも強力で、必然的に、卒業後の起業を真剣に考える学生も多数集まってきます。

他の分野も負けてはいません。たとえば、マクロ経済学の名著
「Macroeconomics」の著者であるAndrew Scott教授は、英国経済学界の重鎮として、英国財務省およびイングランド銀行にて金融政策に関するアドバイザーも務めてきた人物です。ロンドンビジネススクールには、世界最高の教授陣が引き寄せられるかのように集まっており、日々、その知識とネットワークを学生へしっかり伝授しているのです。

2009年11月18日水曜日

噂の激安英会話レッスン「RareJob」を体験

25分1レッスン、129円から~

という衝撃的なキャッチコピーで、色々なところで露出をしているこの英会話レッスンサービス。MBAのメーリングリストにも登場したので、思わず体験レッスンを受講してみました。MBA受験用のインタビューコースもあるということなので、これは朗報です。

仕組みはというと、フィリピンの大学生が先生で、スカイプを使って会話の練習をするというもの。だから、劇的に安いという。人件費が安い上に、スカイプは無料ですから。また、フィリピン人は気質がとてもやさしいし、英語がネイティブ並みときているので、先生としても最適ですね。

この会社の経営者である加藤智久氏は、20代のコンサルティングファーム出身者だそうで、ぜひ頑張っていただきたいと思います!

その価格が魅力的なことはもちろん、もうひとつ、これはイノベーティブだと思ったことがあります。

それは、スカイプで会話の練習をしながら、チャットの機能を使って、テキストやファイルのやりとりができるというもの。

たとえば、重要なフレーズや、語彙、言い回しなどをチャットで先生が受講生にリアルタイムで送ることができる。また、議論用するための写真、や題材、ウェブのリンクなどもガンガン送ることができるわけです。

聞きづらいフレーズも、このテキストのチャット機能を使えば、一発で解消。

そういった意味では、リアルのFace-to-faceの英会話レッスンに比べて、いくつかの側面で、この手のスカイプ型のレッスンが凌駕しているともいえるかもしれません。

スカイプのチャット機能。何気ないのですが、英会話練習の経験ということでいえば、大きな変化です。

このあたりのVoiceのコミュニケーションに加えて、データのやり取りの仕方をもっと工夫、改良、革新していったら、画期的な英会話レッスン方式ができるかもしれない。

メキシコ人はアメリカを嫌いだけど離れられない

南米といえば、日本から遠く、サッカーくらいでしか馴染みがないかもしれませんが、今日は南米のリーダー格のメキシコについてのおハナシ。日本でメキシコといえば、何でしょうか?古くはアステカ文明の地であり、今ではメキシカン料理といったところでしょうか?

地理的にはアメリカの南部にへばりついているかのように位置している国ということになります。人種的には、南米特有のラテンなフレンドリーさ、気さくさがあって、個人的にはとても話しやすい方々達です。

Richard Porte教授によると、南米には、経済政策のジレンマではなく、トリレンマがあるということだそうだ。それは:

1.Dollarisation (貨幣のドル化)
2.Free Capital Mobility (資金の流動性)
3.Monetary Policy Independence (金融政策の独立性)

の3つ。南米は、よくニュースを耳にするように、経済的・政治的にやや不安定なところが歴史的にあって、メキシコも幾度となく金融危機を迎えていますね。アメリカから資金が大量にメキシコに流入して、ワーッと経済が栄えたかと思ったら、危機で資金が一気に引き揚げられて、ドボンと、アメリカに振り回されているメキシコ。

そんなわけで、メキシコ人の対アメリカ人に対する感情は、一般的にいえば、それほどいいものではないようです。でも、そんな感情を抱きつつも、アメリカがなくては、イキテイケナイのも事実。

クラスメイトのメキシコ人はこんな話しをしてくれました。

“うちの父親は仕事の関係で、しょっちゅうアメリカに行っていたけど、毎回、毎回、パスポートやらいろいろなチェックが厳しい。父親は、アメリカサイドのデータベースの不手際で、指名手配の人といつも間違われるんだ。”

“あるときは、それは間違いなんだ、っていうのが分かってもらえなくて、何人もの役人に拳銃をつきつけられたんだ。ひどいよね。”

“あと、商品は、アメリカに行って買ってきた方が安くて、いいモノが手に入るから、定期的にアメリカに買いに行くんだ。”


というように、ビジネスや生活の実質的なことを考えると、アメリカの存在は不可欠なよう。でも、どこかメキシコ人的には、アメリカ人が上から見下しているような印象をもっていて、素直になれないところもあるようです。もちろん、このあたりは、若い人になればなるほど、希薄になってきているようですが。

隣接地域との微妙な感情というのは、なかなか表に出てこないモノですが、みんなちゃーんと胸に秘めているものがあります。

2009年11月15日日曜日

日本人がPUNCTUALなワケ

LBSのようないろんな国籍が入り交じっているクラスにいると、やはりお国柄というのはでるモノ。ラテン系はいつも遅刻ばっかり、フランス人は交渉上手、日本人は時間を守る、などなどのステレオタイプな見方は、もちろん個人差はあるにせよ、あたっているなあと思うこともよくあります。ようは、やはり国民性は何らかの形であるというわけで、それを実感します。

どうやら、組織行動の研究成果で、日本人は、Trustが他の国民に比べて、とても高いのだそうです。たとえば、約束を守るであるとかそうしたことをきちんとこなす国民なのだそうです。だから、時間も守るわけで、周りからは、「日本人は、キチッキチッとしているよね、いつも時間通りだ」というお褒め(?)の言葉をもらえるわけ。

で、ここからが面白い。なぜそうしているかというと、なんとこういうことらしいのです。

1.相手を信頼しているからというわけではない。相手に対するTrust度はむしろ低い
2.社会の監視の目があって、その目を気にするから、約束を守る

という研究成果がでているようです。組織行動の教授から立ち話で聞いたので、この研究の出典先が分からないのですが、内容はおおむね上記のとおりです。

われわれは、上の2.の要因がとても強く存在している社会ということなのですね。「村八分」という言葉がありますが、まさにその観念があるからこそ、きちんとコミットしたことを履行するということらしいのです。相手を信頼しているわけではないという1.の要素は少し残念な結果ですが、まあ、我々日本人はこういう国民ということなわけです。

それはそうと、こうした海外の国民と比較したときの日本人的気質を客観的に眺めて、それを私たちがその強みと弱みを認識することは、世界標準的なコミュニケーションや振る舞いを身につける第一歩として、なんだかとても重要に思えてきました。

仕事がしにくい国民、それは日本人

イギリスは冬支度をしっかりすすめているかのように、枯れた木の葉があちらこちらに降り積もり、そして4時半には薄暗く、雨は降ったりやんだり。そんな秋から冬へと様変わりする際のこの憂鬱な雰囲気は、こちらの人は、“Depressing”などと言っています。

こちらでは、演劇やらオペラやらなどの室内エンターテイメントが盛んですが、やはりそうでもしていないと、このDepressingな気候に耐えられないということなのでしょうか。

今日は、Depressingな話題を一つ。ロンドンビジネススクールの同級生は、知れば知るほど、驚くほどInternationalな仕事をしている人が多い。もちろん、日本人や日本企業と仕事をしている人も何人かいたりするわけです。しかし、誠に残念なことに、彼らの日本人や日本企業に対する感情はよくないのです。これは、一体なぜでしょうか。

ひとことでいえば、一緒に働きにくい!ということなのです。さすがに、こちらの日本人なので、面と向かってそうは言わないにしても、なんというのでしょう、そのときの仕事を振り替えながら、It was a tough time for me thenなどというわけです。「あのときは大変だったよ」と。では、なんで働きにくいのか?いくつか挙げてみましょう。

まずは、お願いをしても、できるのか、できないのか、どちらなのかが分からないということ。
“結局、YesなのかNoなのかが分からないんだ”
“日本人は決して、明快にNoとは言ってくれないので、言葉の行間を敏感に読み取らないといけない。”
“We will try our best...but it might be difficultとか日本人が言ったら、ああこれはNoのサインなんだなと最近は思うようにしている”
“ある案件を依頼したら、やるというのでお願いしたものの、全然返事がない。こちらから問い合わせると、今やっているところ、という漠然とした答え。ほんとうにやってくれるのかどうかあのときは本当に分からなかった”

というように、このような例は、枚挙に暇がないのは悲しいことではないですか。

もうひとつは、日本人社員の行動が、上司がいるときと、いないときでまるっきり違うこと。会議中に上司がいるときは、その上司の言動を部下が微細に聞いていて、それに応じて、部下の行動が変わってくるという指摘です。
“どれだけ日本企業で、上下関係が大事か分かったよ”

今まで接していた日本企業を思い出しながら、起こりえる話しだと思いながら、こうしたコメントに耳を傾けるのも、残念になります。

でも、こういうのも無理はないなとも思うわけです。自分自身を振り返ってみても、海外の人と仕事をするときに、どういうところに気を付ければいいか、どういうスキルやマインドが必要なのかなどは、習ったことはないですから。 逆に、こうしたグローバルな人と仕事をしていくスキルやマインドを持った人というのは、そういう人がいない分、大チャンスということにもなります。

世界標準なコミュニケーション作法・振る舞い。
これを私の中のアジェンダに加えておくことにしたいと思います。

Knowing what makes groups tick is as important as understanding individuals. Successful managers learn to cope with different national, corporate, and vocational cultures. (P. Christopher Earley and Elaine Mosakowski, Harvard Business Review)

2009年11月10日火曜日

企業版暴れん坊将軍:社長が一兵卒になりすます

もうかれこれ1ヶ月前くらいになりますが、“The Art of Engagement”と題したディスカッション・イベントがありました。EngagementとかEngagingというのは、英語ではよく聞く言葉ですが、日本語では「やる気がある」といったようなニュアンスでしょうか。

面白かったのが建設業ClugstonのCEO Stephen Martin氏の話し。じつは、彼、Channel 4の企画番組”Under Cover Boss”に出演。この企画がおもしろい。社長である彼が、一現場作業員となりすまして、建築現場で働くというもの。それをカメラが追っかけていくという企画なのです。
http://www.channel4.com/programmes/undercover-boss/video/series-1/episode-2/chief-among-concerns

まさに、企業版暴れん坊将軍。一兵卒になりすました社長は、現場最前線の驚くべき事実に向き合うことになるわけです。役員室では全く見えなかった風景が見えてきて、矢継ぎ早に様々な施策を打つことになるわけです。

「どうせ、上の奴らは、オレらのことなんかかまっちゃいないんだ」と愚痴る同僚。解雇されたくないから、上司に言われるがままに休みもなく働き続ける契約社員。本社の社員は気付かない、ボーナスの支払いに関するミスコミュニケーション。

やはり、いつだって、現場最前線は大変であり、かつ本社からは遠い存在。本社マネジメントも、本社社員も、いつの間にか現場から遠ざかり情報が届かなくなる。自らは現場に身を置くのは大変だから、どうするかというと、レポートを求める。本社は情報共有と称して、大量の伝達文書を通知する。

そう、形式的な官僚主義がはびこってくる。レポートを書かされる感のある現場。誰も読まない通知文書の山。最前線の社員はまた、本社に対して不満をたれる。こんな日本企業の風景が浮かんできます。

社長がたまに一兵卒になるとイイ刺激になるように、こういうのって、たまに本社と現場社員を月に一度ずつ入替えていったらいいのかもしれないと本気で思ったりしますが、みなさんはどう考えるでしょうか?

“The Art of Engagement” Getting the most out of your employees
In most large companies, the number of employees who are highly engaged in their work is less than 30%, and the number actively disengaged is greater than 20%. These figures are scandalous: engaged workers are the lifeblood of any creative or entrepreneurially-minded company, and most companies are simply failing to create the conditions that make people excited about coming to work.

3.00-3.30pm REGISTRATION
Sainsbury Building, main doors area

3.30pm Engage: Why Employee Engagement Matters
Introduction:
Julian Birkinshaw, MLab
Panel Chair:
Stuart Crainer, Editor, commentator, & business consultant
Panel Speakers:
Nita Clarke, Involvement and Participation Association
David MacLeod, Macleod Review on Employee Engagement
David Smith, Author and consultant; former HR director, Asda

4.45pm REFRESHMENT BREAK
Lower Ground platform area, Sainsbury Building

5.15pm New and Innovative Models of Engagement
Introduction:
Julian Birkinshaw, MLab
Presentations:
Stephen Martin,”Under Cover Boss” – CEO, Clugston
Henry Stewart,”Relax, a Happy Business Story”, CEO Happy

6.30pm AFTER EVENT DRINKS RECEPTION
S1 Lounge area, 1st floor, Sainsbury Building