2008年11月17日月曜日

違う意味合いを持つ2つの2位

フィギアスケートのグランプリシリーズ・フランス戦の日本勢の結果は、男子シングル小塚崇彦2位、女子シングル浅田真央2位でした。おそらくこの2つの意味する2位は、全然違うものだった思います。

小塚崇彦の2位は、まさに上出来の2位。実力の限りを出し切った2位。滑り終わったあとの快活な表情、やりきった感にそうしたことがありありと滲み出ていました。本当によくやった!と思える会心の演技だった思います。昇り龍のような勢いを感じさせる選手だったと、素人目にも思います。まだできあがっていない、これからもまだまだ伸びる余地がある、これからの成長が楽しみ、そんな感じです。

一方の、浅田真央の2位は、迷える2位。王者の抱える壁にぶつかってしまったかのような2位。滑り終わった直後の、あの悲しそうな表情、表彰台の上にたってもどこか浮かないその表情にすべてが表れていました。実際の演技は、あのしなやかさは健在で、芸術性もバッチリでうっとりさせるものがあるのですが、ジャンプにおびえている様子で、実際二つもジャンプをミスしました。

荒川静香も、10代に一時期絶頂をきわめて、その後ルールの変更や、王者ならではのプレッシャーを受けつつも、それをのりこえたのを思い出します。迷いの中から、自分なりの滑りを自ら確立して、その滑りをオリンピックでぶつけて見事に金をとったのを思い出します。かの有名なイナバウワーも、じつは、審査の評価上はプラスにはならないと知りつつ、周りからなんでプラスにならない演技を入れるんだという批判を受けつつ、あえて演技に入れていった。浅田真央も、そんな風にこれから成長していくのかなと思います。

プロの緊張感溢れる、そして息をのまずには見られない演技を生で間近で見ることができたのがgoodな旅行でした。

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