2009年3月10日火曜日

B-Schoolを震撼させるMBA内定取消問題

バンク・オブ・アメリカ、MBA学生の内定取り消しへ。今朝Financial TimesにMBA学生にとってはショッキングなニュースが載っていました。

Bank of America rescinds job offers to foreign MBAs
Bank of America has become the first US bank to withdraw job offers made to MBA students graduating from US business schools this summer, citing conditions laid out in its bail-out deal as the reason.

メリルリンチを飲み込んだバンカメは、ここ最近調子がおかしい。数千人単位のリストラを行うことを発表していたし、政府からの資本注入も受けるという。

そして、政府からの資本注入を受ける条件として、MBA学生の内定を取り消さなければならないという。政府がそんな条件を突きつけてきたというのも、にわかに信じがたいが、本当だとすると、かなり興味深いニュースです。

The passed $787bn stimulus bill in effect prevents financial institutions that have received money from the government's troubled asset relief programme from applying for H1-B visas for highly skilled immigrants if they have made US workers redundant.

その上、内定取り消し対象者は、海外学生のみという始末。すなわち、端的に言ってしまえば、米国民のジョブを奪うヤツはけしからんぞ!という論理です。 そういった意味で、日本の内定取り消し問題とはやや次元の異なったハナシになっていて、インパクトは大きいように思います。

まず、第一に、日本よりもはるかに内定時の契約書の縛りが厳しい契約文化の国において、そんなに簡単に契約が破棄されてしまう前例が、政府主導、それもアメリカ都合で作られたことになります。ここまで露骨にやるか!という感じです。

第二に、この慣習に、他の銀行および、これから調子が悪くなる企業がならうとしたならば、USスクールに通う外国人MBA学生、およびこれから就職を考えるその他外国人にとって、きわめてやりにくい状況になるということになります。

そして、これはFTでも指摘されているように、MBAのInternational Student(米国人以外の学生)比率の減少が懸念されます。米国のビジネススクールの場合、今のところなんとか35%くらいまでにInternational Student比率をあげてきましたが、これが一気に低下する必要があります。

なぜならば、もし、International Studentsの米国内での就職が厳しくなれば、やはり、ビジネススクールのAdmissionとしては入学許可を出しづらくなるでしょう。

そういった意味で、このニュースは、ビジネススクールの経営にとっても、ものすごい大きなインパクトになる可能性があります-もちろん学生もですが。

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