2009年2月24日火曜日

ビジネススクールにもスタッフ人員削減の余波;スタンフォードGSB


長引く気配のある不景気。

”平成20年10~12月期の国内総生産(GDP)は年率換算で12・7%減少し、戦後2番目の落ち込みとなった”(産経ニュース)

この数字の大きさを疑わずには居られない人も多かったのではないでしょうか。10%以上も瞬時におっこってしまうとは、ただ事ではありません。まさに経済が凍り付いているとでもいいましょうか。

日本だけでなく、もちろん世界経済も大変なのも、みなさん周知の通り。

一方で、こうした不景気に強いと言われているのが、ビジネススクールですがそうともいえない現実が突きつけられているようです。なんと、かのStanford Graduate School of Businessのスタッフの12%にあたる50人ほどの人員削減が行われた模様。

スタンフォードのDean曰く、”This was the most painful decision I have had to make in my nearly 10 years as dean”

たしかに、ビジネススクールは、不景気と逆相関するかのように、入学希望者数は増える傾向にあります。LBSも願書出願者数が今年は顕著に伸びているようです。しかし、だからといって、定員を急に増やせるわけでもありません。設備の問題や、教授、クラスなどの受け入れ体制をすぐには整えられないでしょう。

だから、いくら願書出願者数が伸びたからといって、それが売上げ向上にはほとんどつながらない。

一方で、ビジネススクールにとって、最も大事な収入のひとつが寄付金ですが、これが景気の影響をもろに受けるという訳なのです。企業からの寄付金、卒業生からの寄付金でもって、多くの収入をまかなっている学校にとってこれは痛い!スタンフォードもこの寄付金の減少(とその運用成績の低下)が顕著で、人員削減に踏み切ったとメディアでは報道されています。

これは大変なことで、スタンフォードがこういう状況ですから、他はどうなってしまうのか。

London Business Schoolはどうか-いまのところ、そうした人員整理のニュースは聞こえてきません。この間の学生会のような場では、学長は、こう言っていました

”うちの学校はそもそも寄付金への依存率が低かったから、幸いにもその影響を、他のビジネススクールに比べると影響を受けていない”と。


実際、LBSは歴史が浅いこともあり、寄付金の額がそれほど大きくなく、往年fundingに苦労していたのですが、こうした危機のときには、"いまのところは"、妙な形で吉と出た、という感じでしょうか。

ビジネススクールも、企業と同じく不況に苦しんでいる実体が明らかになってきました。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは。この前はブログを訪問頂き、ありがとうございます。

私の御隣の大学で、こんなことが起こっていたとは知りませんでした。教えて頂き、ありがとうございます。私のいるHaasの方では、この前学長から年度所信表明があり、
「もともとうちのは、数十年間ずっと財政危機の状況で頑張ってきたから、今も昔も変わらない」
「来学期以降、学費を現在の10%未満程度分、上昇する」
ということで、リストラはほとんどせず、志願者数の急増を背景に単価増で採算を保とうとするようです。今更大学を変えられない在校生には痛い話です。一方、州の財政が破綻しかかっているからか、バークレー全体では教授やスタッフを数%削減するそうです。

また、記事を楽しみにしています。それでは、今後も宜しくお願いします。