2009年9月27日日曜日

世界の小売りから学ぶ「何気ない斬新さ」

何気ないんだけど、日本人からみるとすごい斬新。海外にいると、そんなアイディアにけっこう出くわすものです。そんな出会いのたびに、凝り固まっていた思考回路を柔らかくしてくれるようで、とても楽しい。そう、何気ないんだけど、現地の人にしてみたら、当たり前なんでしょうけれど、新鮮だったり、意外だったり。そんなアイディアをいくつかご紹介です。

マクドナルドとコンビニの真ん中を狙ったポジショニング

この写真は、なにやさんでしょうか?

その答えは、セブンイレブンなのです。そう、スウェーデンのストックホルム中央駅付近によったセブンイレブンです。でも、レジがコンビニのように見えないところがミソ。レジ周りは、まるでマクドナルドのようなのです。コーラ、ポテト、サンドウィッチなどのセットメニューがずらりとならび、まさにマックお得意のやり方。一方で、店内はもちろん、所狭しと商品が並ぶコンビニそのもの。

まさに、日本のセブンイレブンとマクドナルドを足して2で割ったというよりは、がっちゃんこしました、という感じなのが斬新。何も全く新しいものを創造しているわけではないのですが、既存のモノを組み合わせる妙というか、そんなところが素敵です。日本では、小売りのカテゴリー、ジャンル、形態は、ここ何年も変わってないですが、こんなアイディアを見るにつけ、まだまだ小売りのイノベーションってありそうと予感するわけです。



コンビニとスーパーを同居させる

次は、このブログでもよく出てくる我が家近所の大型スーパーWaitrose。これも、何の変哲のない話しです。どういうことでしょか?

店の入り口をくぐり、右側にいくと、次の写真の光景が広がります。



そう、コンビニなのです。サンドウィッチ、弁当(寿司も売っている!まずいけど・・・)、小さめのスナック、などなどがところ狭しと並び、小さめのレジで顧客を待ち受けるわけです。

ところが、店の左側に入っていくと、こちらがメインなのですが、そう、まさに大型の食料品スーパーなのです。どこまでもどこまでも、食品が並んでいます。


話しとしては簡単で、食品スーパーの一角をコンビニっぽくした、ということなのです。そして、それ用のレジを別に仕立ててあるわけです。一角にあるコンビニはそもそも、食品スーパーとして入荷した商品を再編成しただけなので、そんなお金もかからないはずです。

とはいえ、そのインパクトは大きい。なんといっても,コンビニ的客層をスーパーの顧客に重ねて吸引できてしまうのですから。スーパーに行って、大量に買い物するまでもない、そんなニーズをこのちょっとした一角コンビニが拾っているといえます。


なんとも簡単即席ATMマシン

もうひとつ、このスーパーの話しを続けましょう。私がはじめて、このスーパーに買い物に行ったとき、レジでこう言われました。

店員: "Any Cash Back?"

私: (キャッシュを戻してくれる?ってこと?・・・・これはどういうことだ?)

と、私は混乱したわけです。

どういうことなのか?

タネあかしをすると、この店員は、人力ATMマシーンだったのです。そこで、「はい、20ポンドください」といえば、デビットカード決済する際、買い物代金に20ポンド上乗せしてくれ、そして20ポンドのキャッシュをレジから取り出して渡してくれるのです。

はたからみたら、なんであの人は買い物をしてお金を払わなければいけないはずなのに、お金をもらっているんだ?となるでしょう。

日本では、セブン銀行をはじめ、多くの設備投資をもとにコンビニATMが普及していますが、これは既存のインフラを最大限活用して、いとも簡単に人力ATMを実現したというわけです。

週に何度も買い物をする主婦などは、この仕組みさえあれば、もう本当のATMに行かなくてOK、ということになります。



今日の学び:既存のモノの組み合わせや活用を考える

Posted by Picasa

0 件のコメント: