2010年9月8日水曜日

新たなブログを開始!

長らく更新が滞ってしまったこのブログ。ついに新しいブログを書き始めることにしました。

僕らの学び方
http://twaka.blog135.fc2.com/
(こちらのブログの記事も引っ越してみました)

在学中から友人と始めていたコンサルティングと教育プログラム企画の仕事がバタバタとしていて、ブログ更新が滞っておりました。

そして、ロンドンビジネススクールを修了しました。今まで色々とサポートをしていただいた皆様に深く感謝です。家族、会社、友人など多くのサポートなくしてはありえなかった 留学でした。この場を借りて、お礼申し上げたいと思います。

日本にいるときは、日々忙しくしていていかに仕事を減らすか、が大事なスキルでしたが、留学中はなんといっても多くの時間を自分の裁量で使えたので、どのような活動を増やすか、が大事でした。家族との時間、やりたいことをやる時間、ボーっとする時間、そうした時間はかけがえのない貴重で有意義なものでした。

そんなわけで、このブログは一旦、ここでオシマイとして、気分一新、新たなブログへ移行したいと思います!こちらもどうぞよろしくお願いします。

2010年5月29日土曜日

Harvardによる自己否定の書~Rethinking the MBA

ハーバードビジネススクールの教授陣による、ビジネススクールの課題を浮き彫りにしたかなりの意欲作。



こうした自己反省の研究をし、それを世に問うというのは、ビジネススクールを代表するハーバードならではだと敬意を表したいと思います。


今のビジネススクールの立ち位置がよく分かります。









ビジネススクールの学長ら数十人、企業のエグゼクティブ、各ビジネススクール在校生へのインタビューを通して、MBAプログラムの何がダメなのか、トップビジネススクールはそれらにどう対応しているか、今後ビジネススクールは、どうすべきかを語っています。



また、Chicago Booth、INSEAD、CCL、Havard Business School、Yale、Stanfordについては、詳細なケーススタディも書いてありますので、これからMBAを検討している方にも面白く読める内容です。





(著者の一人がRethinking the MBAを語る)





さて、この研究が明らかにしたMBAの8つの課題とは、以下のとおり。



1.Gaining a global perspective

国をまたいだ経済や文化の違いに直面したときのマネジメントスキルを身につけさせるべき



2.Developing leadership skills

もっともっとリーダーシップをみにつけさせるべき。とくに自らをしる、実践が弱いね



3.Honing integration skills

マーケティング、戦略などと機能毎に学びがちなMBAだけど、もっと分野横断的なスキルを身につけさせるべき



4.Recognizing organizational realities and implementing effectively

ドロドロした組織を実際にどう動かすのかを身につけさせるべき。分析だけでは組織は動かないよ



5.Acting creatively and innovatively

分析もいいけど、もっと発想豊かに、ブレークスルーするようなソリューションを紡ぎ出す力をみにつけさせるべき



6.Thinking critically and communicating clearly

MBAって、コミュニケーション下手。やっぱりロジカルにクリアに意見を述べる力をもっと磨いてほしい


7.Understanding the role, responsibilities, and purpose of business

ここから二つのポイントは、金融危機以降出てきた課題。利益以外の企業のゴールも意識すべきとかそんな話し



8.Understanding the limits of models and markets

前提をつねに疑うことでリスクについて常に考えるべき。現在のモデルの限界を知るべき。



という八つ。



さて、この8つの領域は、多かれ少なかれ、この書籍でも語られているように、どこのビジネススクールも取り組んでいるものばかり。今のビジネススクールの取り組みを正当化している書ともいえなくもない。



というわけで、ここで取り上げられている課題は、改めて新しい課題かなぁという気もするけれど、膨大な定性データにもとづいて、系統立てて課題を整理したところにこの研究の価値があるのでしょう。



じつは、MBAの本当の課題は、あるとすれば、もっと別なところにあるのではないかというのが私見。それは長くなるので、また別途投稿していきます!

2010年5月28日金曜日

学びは21世紀、最高のエンターテイメントに

どうやら、私は「学び好き」のようです。



友人の中にはもう1年半以上も授業を受け続けて、「授業疲れしちゃったよ」という人もいますが、私の場合は、いまだにMBAの授業も楽しんで受講していて、なんで選択科目の受講数に上限があるんだろうと思っているくらい。



実際、「学び」は21世紀最高のエンターテイメントであり、レジャーではないかと本気で思っているわけです。



なんと、馬鹿な、と思うかも知れません。



しかし、このトレンドは、じつはこう考える人は、急速に世界に広がっていて、私のような少数派だけ、とはいえない、21世紀の経済を考える上でとても大事な大事な地殻変動です(大袈裟な!)。



たとえば、例を挙げましょう。



すでに多くの方がご存じの「ハーバード白熱教室」。



ハーバード大学のMichael Sandel教授が繰り広げる哲学の授業が日本を含めて世界中で大人気。



Michael Sandel教授 "Justice"
http://www.justiceharvard.org/







"What's the right thing to do?"を真っ正面からあつかった講義。でも、哲学の授業ですよ!哲学がここまで注目を浴びるのもすごい。若い学生の目が一人残らず、キラキラしている。



実際、彼が紡ぎ出す全く無駄のない、研ぎ澄まされた講義は、私たちに知的遊戯と興奮を与えてくれます。これぞ、21世紀型、最高のエンターテイメントの真骨頂だと思うわけです。



それから、言わずと知れたTED
http://www.ted.com/



-TED is a small nonprofit devoted to Ideas Worth Spreading -- through TED.com, our annual conferences, the annual TED Prize and local TEDx events.





20分のショートプレゼンに人々が拍手喝采を浴びせる、そう、知的興奮がエンターテイメント化している、実際に!



楽しみながら「学び」、自らを成長させていく-いやいや、なんとも、素晴らし時代ではないですか。

ダニエル・ピンクから学ぶ「それ、もう知っているよ」から「やっぱりそれ、大事だよね」への変換能力の価値

書きとしゃべりの天才で、ゴア副大統領のスピーチライターをつとめた、ダニエル・ピンク氏が話題のビジネス書、「Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us」を出版しました。いかに今の企業が人のモチベーションについて間違った理解をしているか、人は何にモチベートされるかを語った本。











本を読まないまでも、内容のエッセンスは、彼の名スピーチはYoutubeで観ることができます。20万回以上も再生されている人気動画のひとつ。TEDのページへ行けば、日本語字幕でも観ることができます。

(http://www.ted.com/talks/lang/eng/dan_pink_on_motivation.html)



もちろん、内容は素晴らしく多くのメディアでも取り上げられていますが、この本の驚くべき重要な示唆はもうひとつあると思うのです。それはなにか。



ひとことでいえば、ここに書かれている内容は、アカデミックの世界ではすでに50年前に知られている内容だということです。それを、大衆に分かりやすく伝え直していること自体がとてつもなく大きな価値になっていることをこの本は知らしめているように思うのです。



この本のひとつの強いメッセージは、「クリエイティビティが要求される仕事には、内的動機が効果的で、アメとムチ的な動機は害になる」というもの。でも、なんだかんだいって、企業ではアメとムチ的な動機を使いがち、もしくは内的動機にあまり注意を払ってはいない。



もっといえば、そんなことアカデミックの世界でも分かっているし、ビジネスパーソンであればどこかで聞いたことのある話。当たり前の話しでしょ、と片付けられる程度のメッセージかもしれない。でも、実際の企業現場をみると、実践できていない。



こういう話しは世の中にたくさんあるわけで、他にも、「顧客志向は大事」とはよく言うし、それを知らないビジネスパーソンなど今世界のどこをみてもいないでしょう。でも、実践できているか、いつもそのことを意識しているかというとそれは疑問。



すでに既知の内容だったり、なんとなく知っている内容で普段ならあまり注意を払わないような内容を、「あ、そうだよね!それ、やっぱり大事だよね」と思ってもらえるような、既知コンテンツ翻訳能力の価値の威力を、ピンク氏の本から感じるのです。



今は知識ならばグーグルで検索すればおしまい-そう言われて久しいです。だからこそ、「あ、それ、もう知っているよ、聞き飽きた」から、「あ、そうだよね!それ、やっぱり大事だよね」と言わせる既知コンテンツ翻訳能力がますます大事になってきているのではないかと思うわけです。



そして、教育-とりわけビジネススクールのような社会人教育-は、いかに「あ、それ、もう知っているよ、聞き飽きた」から、「あ、そうだよね!それ、やっぱり大事だよね」という変化を起させるかが大事。

2010年5月16日日曜日

イギリス版 モン・サン・ミッシェル~St. Michael's Mount


イギリス版 モン・サン・ミッシェルこと、St. Michael's Mount

モンはMount、サンはSaint、ミッシェルはMichale
だから名前も同じ!

フランスのモンサンミッシェルと同じように
潮が満ちているときは島になり(上の写真)、
潮がひいたときだけ、陸続きになる



潮がひいてくると、鮮やかな緑の苔が姿をあらわす



そして、Michael's Mountへ続く道を歩くことができる

一日の中でストーリーがあるから人を惹きつけるんでしょうね!
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暖かいもてなし:MOUNT HAVEN HOTEL


One of the world's top 20 hotels on a budget...Sunday Times

ローカルの人に教わったこじんまりとしたホテルで週末を過ごす
日本でもフィガロに紹介されて、日本人で訪れる人が多いんだとか

春をたっぷりと堪能した、ああ、気持ちのいい週末でした


小さな庭園に鮮やかな色彩が目を惹きます
うちの子は、くるくるとこの庭を走り回っていました

ラウンジから見渡す海とSt. Michael's Mount
そう、ここはイギリスの最西端にあって、海はすぐそこに

ここでいただく夕食はアタリ
食材の味を生かした日本人好みのテイストです


内装はどこかアジアン
日本人画家のIzumi Omoriさんの桜をモチーフとした絵が春を演出

ぬくもりを感じさせる暖かいプチホテルでした
おすすめです
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2010年5月10日月曜日

英語をしゃべれるようになるための「10歳の法則」

猫も杓子もグローバル、国際化と叫ばれて、英語の必要生はますます高まっている風潮の中で、「ああ、ネイティブのように英語をぺらぺらとしゃべれたらなぁあ」と思う人も多いのではないかと思います。いわゆる、バイリンガル(日本語も英語もぺらぺら)への憧れです。

じつは、英語をぺらぺらにしゃべれるようになるためには、「10歳の法則」なるものがあるのです!

まず、その一。帰国子女はだれもがみな英語をぺらぺら、バイリンガルかと思っている人もいるかもしれませんが、じつは、必ずしも正しくありません。

たとえば、私も3歳から7歳イギリスに小さい頃住んでいましたが、残念なことに、バイリンガルではありません。発音は、きれいだねぇ、とよく言われることはありますが、本人としては、断然日本語の方がしゃべりやすいわけです。

でも、今でも憶えていますが、7歳の私は、日本語よりも英語が得意で、むしろ日本語の発音に問題があったくらい。日本に帰国したときには、小学校のともだちによく笑われたものです。

10歳より前に日本に帰ってくると、日本語の環境にあまりにもすぐ適応して、あっさりと英語を忘れてしまうわけです。そうなのです、10歳をまたいで海外に住まないといけないのです。

さて、その二。10歳以降に海外に住み始めた場合どうなるでしょうか?

もちろん、日本で英語を勉強するよりは、確実に上達します、間違いなく。ところが、発音の面などで、完全にはネイティブにはなれない。やはり言語を学ぶ能力は、10歳を越えて少し衰えるらしいのです。

ここでもやはり、10歳より前から現地に住み始めることが重要そうです。

みなさんの周りにいるバイリンガルを思い浮かべてください。その人は、何歳のときに海外で生活をしていたか?

そう、10歳は大事な歳なんですね。

海外に移り住むとまでは言わないまでも、この意味するところは、言語を学ぶには、10歳をまたいで、継続的に学習することが鍵といえそうです。

英語が堪能な国民は、この10歳の法則をじつにうまく使っています。たとえば、フィンランド人は、かなり英語が流ちょうですが、彼らは9歳で英語の学習をスタート。インド人は5歳でスタート。さて、一方、日本は、12歳でスタート。この10歳の法則を見事に違反しているといえそうです。

英語をしゃべれるようになるための「10歳の法則」。まったく学術的な裏打ちはないけど、信憑性高いと密かに思っている仮説のひとつ。

2010年5月9日日曜日

LBSの組織行動は何が学べますか?

LBSの組織行動は何が学べるか?というご質問をコメントにいただきました。

LBSの必修科目では、

Global Leadership Assessment for Managers
360度評価やセルフアセスメントをもとにしたリーダーシップ・トレーニング
Global Leadership Development Programme
コミュニケーションを中心とした実務的なトレーニング
Managing Organisational Behaviour
いわゆる組織行動の基礎を学ぶと同時に、実際のプロジェクトを通じて理論を適用

選択科目で、OB (Organisational Behaviour、組織行動)と言われているのは、次の科目があります。

Leading Teams and Organisations
“The course was successful in equipping me with a toolbox to proactively lead my team and organisations in the future.”
“One of the best aspects of this course was splitting into teams to be able to get the opportunity to become a leader and get 360 feedback.”

Managing Change
“A key challenge for senior managers is managing the process of change in organisations. This elective, that has proved popular for many years now, looks in a practical way at how to lead that change.”

Negotiation and Bargaining
“Very interesting, informative, lively. Really loved the course. I’ve learnt a lot. Really practical, useful and confidence building” (student)
“This course is a vital part of business life and should be considered almost compulsory” (student)
“Should be a core course. One of the most valuable 30 hour investment I’ve made at LBS.” (student)

Family Business: A guide for owners, managers and advisors
“There is a duality to family firms. On the one hand they regularly outperform non-family businesses - both listed and unlisted – and on the other, they seem especially vulnerable to death, difficulties and damage from a range of hazards. We shall explore how firms can capture the benefits whilst avoiding the pitfalls. It will be an intensely practical programme, with a substantial but unobtrusive theoretical underbelly.”

Paths to Power
“If you don’t take up your power, you can be sure that others will. Their aims may not be as worthy as yours. If you are not careful, you can become a victim of the power of others. Understanding where power comes from and how to take it up are critical skills for success in organisations, as well as successful organisations.”
Shadowing Project

そのほかに、OBといわれる分類ではないけれど、関連する科目が、Managing Corporate TurnaroundsManaging the Growing BusinessStrategic InnovationAchieving Strategic AgilityStrategies for Growthあたりです。どれも、変化をどう先取りし、どう対応するかを考えます。

個人的には、組織行動関連の科目は、もっとあってもいいのではないかと思いますが、面白い教授陣も多くいますので、そうした人達のプロジェクトに混ぜてもらうのもひとつの学び方です。

私は、Future of Workの研究をしているリンダ・グラットン教授の研究に興味をもっていたので、それに参加させてもらっています。研究の進め方自体もユニークで、巨大なオンラインコミュニティに、各国から実務家が議論をしていく中で、未来の働き方をあぶり出していくというものです。毎回、このコミュニティにログインする度に個人的にも新しい発見があります。

また、私の場合、修士論文もある意味で、組織行動論的なトピックを選びましたので、それを通しても、学ぶことができます。

というわけで、LBSの組織行動は何が学べるか?というもとの質問に戻ると、上記の必修科目と選択科目にあわせて、自分でプロジェクトに参加、組成することで、いかようにも学びは広がると思います。

LBSビジネスプランコンペのファイナリストへ!

ここ、LBSで学んでいることの一つの柱が、組織・教育だとすれば、もうひとつの柱は、起業家精神(アントレプレナーシップ)です。ヒト系アントレ系、この二つ。

じつは、アントレについては、ビジネススクールに来る前は、柱といえるほどプランに入っていなかったのですが、自分でふたを開けてみてびっくり、LBSの風に吹かれているうちに、それをLBSでの専攻のひとつとするほど、力を入れている分野となっています。

この数ヶ月取り組んでいたのが、ビジネスプランを書きあげること。

LBSの恒例、ビジネスプラン・コンペティションに応募したところ、運良くファイナル5組に選ばれることになりました。

このコンペは、12th London Business School Entrepreneurship Conferenceの一部で、ファイナリストに選ばれると、VC、エンジェルを含め、数百人の聴衆の前でプレゼンができるというもの。
http://www.londoneconference.com/index.html

残念ながら、優勝はできなかったのですが、そのプロセス自体と、多くのフィードバックを受けたことが、面白く、かつ大変学びになりました。

ひとことでいえば、最近はVCやエンジェルから資金を集めるためのハードルが高まっているということ。彼らの興味を少しでもひきたければ、やらなければいけないこと:

ビジネスプランよりも、もう始めていること
顧客調査やパイロットよりも、すでに顧客がいること
ポジショニングよりも、しっかりとしたオペレーションを回せること
商品の説明も大事だけど、やはりマーケティングも大事
投資家へのピッチは、ユーモアと真剣度のバランスが大事


優勝チームは、アフリカからの送金ビジネス。このチームを率いるリーダーは、自分がテロリストと間違えられ送金できなかったユーモアのあるエピソードを交えて、顧客ニーズを説明するとともに、そのビジネスを実行するのに必要な技術・スキルを十分アピールしていました。

さて、MBA生活も最後の学期となりましたが、残りの期間も、組織・教育論はより深める、起業家精神は試してみる、というのりでいきたいと思います。

2010年4月25日日曜日

CAMDEN LOCK MARKET

プリムローズヒルの帰りには、若者でごった返すカムデンロックマーケットを抜けていく。いくつものピアスとファンキーな髪型の若者が、店の勧誘をしている。

10年前に訪れて以来2度目だけど、あの頃と全く回っていない雰囲気。

穏やかな丘での時間から一気に喧騒に取り戻される感じ。 そんな喧騒を楽しみながら、そして、4歳の息子は圧倒されながら、帰途につくのでした。




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春のプリムローズヒル

抜けるような青い空とでも言うような天気のときには、青い芝生で寝そべるのが何とも似合うのがイギリスの公園。この日は、ピクニックとBBQのためにあるのではないかと思うほどの春の日差し。

友人夫妻とリージェントパークの北に位置するプリムローズヒルに行ってきました。ゆるい小さな丘でできたこの公園は、リージェントパークほど大きすぎず、でも見晴らしはよく、そして、子ども向けのプレイグラウンドもあるので、ファミリーには格好の場所です。


桜が満開!


緩やかな傾斜面に沿って、ピクニック

二人で消えていくチビ組

ピクニックラッシュ!とでも言うべきか!?
斜面に戯れる老若男女
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2010年4月21日水曜日

イギリス最大の湖:ローモンド湖を訪ねる

スコットランドの大都市グラスゴーからわずか鉄道で45分―そこには、イギリス最大の淡水湖であるローモンド湖が広がります。英国らしいゆるやかな丘と静かな湖に囲まれながら、自然を楽しめる絶好のスポットなのです。


湖の沿ってのんびりと散策すると実にすがすがしい
アイスランドの火山のせいで、心なしか空が黒いかな?


富裕層の多くはここにボートをもっていて、夏はここで過ごすようです!


かも達も静かに広がる湖に見入っている!?

この湖の絶景をいつも視界におさめるべく、最高のロケーションに城を構えています
今でもヒトが住んでいるそうで、中には入れません(;_;)
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MBAの科目の中で最も役に立つものは何か?

みなさん、こんにちは。MBAの科目の中で、最も役に立つクラスは何だと思いますか?



MBAではじつに幅広く多くのことを学びます-たとえば、1年目の必修科目だけでも以下のように戦略、ファイナンス、組織、マーケティング、オペレーション、起業、経済などと多岐にわたります。さらにこれに加えて、2年目にとる選択科目が加わります。



LBSの必修科目:

Business Ethics and Corporate Social Responsibility

Business Statistics

Finance

Financial Accounting

GLAM (Global Leadership Assessment for Management)

IT for Business Value

Managerial Economics

Managing Organizational Behavior

Strategic Problem Solving

Strategy

Understanding General Management

Decision and Risk Analysis

Discovering Entrepreneurial Opportunities

Management Accounting

Marketing

Operation and Technology Management

Understanding International Macroeconomics



さあ、どれが一番役立つのでしょうか?



多くの卒業生にインタビューした結果、一致した結論は、意外や意外、ズバリOrganisational Behaviour、すなわち、組織行動論といわれる分野です。リーダーシップ、チームワーク、モチベーションパーソナリティ、コンフリクトマネジメント、ネゴシエーション、組織風土、組織変革、組織設計を扱う一連の理論です。



多くの卒業生が言うには、実際に授業を受けているときは、「なんだかフワフワした話しよなあ、なんか勉強した気にならない」という印象をもつのですが、卒業してみて、見返す唯一のバインダーは、ファイナンスでもストラテジーでもなく、この組織行動論だというのです。面白い現象です。これは何を示唆しているのでしょうか?



結局、最後はヒトにいきつくということ。そして、ここが大事なのですが、ビジネススクールが確立してきた理論の中でも、最も実務に役に立っているのがこの組織行動論といえるわけです。



このブログを読んでいただいているみなさんはお気づきのことと思いますが、個人的には、組織行動論には今、多大な関心を寄せていて、LBSでも、Change Managementを専攻し、全ての組織行動論の選択科目をとっています。



欧米式の組織行動論は日本にはフィットしないよ、という声も聞こえてきそうですが、日本のビジネスパーソンのみなさんにも役に立つ理論がヤマとありますので、このブログでも今後、紹介していきたいと思います!

2010年4月17日土曜日

スコットランドへゆく!

スコットランドの上の方、インヴァネスにきています。なんとも、ゆっくりとした時間を過ごしています。最近の旅は、もっぱらイギリス国内。そう、イギリス国内にもたくさんたくさん訪れるスポットが多いのです。とくに、スコットランドは、イングランドとはまた別の文化、方言、議会をもつだけあり、独特の雰囲気を感じることができて好きです。

アイスランドの火山によって、早朝の「フライトキャンセルしました」という電撃のメールを航空会社からもらい、 急遽往路を変更して、鉄道の旅へ。9時間も鉄道にゆられてここへやってきました。どこまでも広がるイギリスの田園風景を楽しみつつ、北に登るにつれて、乗客や駅員のアクセントが徐々になまってくるのも、これも鉄道旅行の風情。


インヴァネスはスコットランド北西部の都市
カモメが飛び、落ち着いた街並みで、人もゆっくり歩く


そう、インバネスは、あのネッシーで有名なネス湖があるところ
朽ち果てた城からネス湖を見渡します
残念ながら、ネッシーは発見できず・・・


インバネスは、その昔、スコットランド軍とイングランド軍が衝突したところ
血なまぐさい歴史が遺る

しかし、スコットランドのジャコバイド軍は1時間もせずに敗退
1500名の死者を出したのがまさにこのバトルフィールド

さあ、明日はまた鉄道にのり、グラスゴーまで南下していきます。

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2010年4月12日月曜日

アジア・ビジネス・フォーラム(その2)

アジア・ビジネス・フォーラムの4つのパネル:




Asia Economic Outlook

Luxury Goods in Asia

Private Equity in Asia

Entrepreneurship & Innovation in Asia



この中で最も面白かったのは、二つ目のLuxury Goods in Asia。日本におけるLuxuryが、Luxuryの未来を予測するのだという。パネリストの一人、Imran Amed氏のコメントが鋭い:



いわゆるルイヴィトンなどの高級ブランドに日本人はうんざりしている-Consumer Skepticism。もうマーケティングやらブランディングやらで洗脳さらたくない、もう放っておいてくれ、みんなそう思っている



じゃあ、どうすればいいのかというと、徹底的に手の届く値段でValueを提供するか、もしくは、今の高級ブランド以上のスーパーパーソナルサービスを提供するかのどちらか



リーズナブルな値段で本当の価値を提供しているのがユニクロ。ものすごいクオリティが高い。あそこに、Luxuryの未来を感じる。もしユニクロに行ったことがないのなら、行くべき



すなわち、今までの“Luxury”が、ちょうどStuck in the middleになってしまったという指摘です。



もうひとつこの現象の背景には、単純に昔ほどお金持ちなオフィスレディーと彼女たちを支える財力のある男が減ってしまったというのもありますね。お金がない、でも目は肥えている、だから本当にバリューがあるものを買う。



ありとあらゆる課題を抱えている日本。様々な日本における課題は、先進国に先行して直面しているわけで、そうした難題をクリアすることは、先進国攻略、また将来の発展途上国攻略の大きな指針になります。



まさにラグジュアリーの分野を例に、そんなことをこのパネルディスカッションは示唆してくれました。

アジア・ビジネス・フォーラム(その1)~アジア漬けな1日!

みなさん、こんにちは。こないだの金曜日は、アジア・ビジネス・フォーラム2010が開催されました。私の友人たちが大車輪で企画していたイベントですので、書かないわけにはいきません!


アジアビジネスフォーラムホームページより:


"An Emerging Golden Asia" - A Region of Promises & Opportunities



The Asia Business Forum (ABF) is a major annual event at London Business School. This flagship event is organized by the London Business School Asia Club, in conjunction with the Global Advisory Council.



The Forum, now into its 5th consecutive year, brings together Asia's foremost thought leaders and business executives to share insights on critical issues pertaining to Asia.



昨年のフォーラムがかなり中国にフォーカスした内容でしたので、今年はアジアの地域、扱うトピックもかなり広範になるようにと、企画委員のみんなは知恵を絞ったそうです。内容は、4つのテーマに即して、パネルディスカッションが展開されました。



4つのパネルディスカッション:

Asia Economic Outlook


Luxury Goods in Asia


Private Equity in Asia


Entrepreneurship & Innovation in Asia



また、パネルスピーカーであった、Sandringham Capital Partnersの房氏、マッキンゼーのエアン・ショーン氏、またオーディエンスとしていらっしゃった大使館からの方と短いながらお話できたのも有意義でした。



とくに、エアン・ショーン氏は底抜けに明るいアジアの未来を語っていたのには勇気づけられます。その理由は3つ。まず第一に、域内貿易のますますの発展、第二に十億人以上の中流階級の出現、第三にインフラの整備。



ロンドンの地にいながらにして、久しぶりに黒髪の集団に囲まれるアジア漬けな1日。自分の中のアジア魂を感じると共に、アジアの発展をより身近に感じることができたフォーラムになりました。

2010年4月7日水曜日

MBA科目の教授法はケース・メソッドだけ?

たまには授業のこともブログに書いてみよう!先週末でついに私の冬学期も終了し、残すは最後の夏学期のみ。早いものです。すでに卒業する仲間も多く、あちらこちらで名残惜しむようなイベントやディナーが開かれています。




さて、冬学期にとったのは、5つの選択科目。自分も教壇にたっていたせいか、私の場合、自分が何を学ぶかに加えて、その授業がどのように教えられるか、にも興味津々なわけです。実際、ここでの教授方法は実に多様です。



MBAというと、「ケースメソッド」が有名ですよね。ある実在の企業や人物を記述した20ページほどの冊子(ケース)があり、学生は事前にそれを読みこみ、クラスで議論を展開することで、擬似的にマネジメント体験をするというもの。



実際は、この「ケースメソッド」を基本としつつも、授業によって変化球を組み合わせているのが実態で、いつでもどこでもケース、ケースしているというわけではありません-とはいえ、あくまでもロンドン・ビジネス・スクールでは、という前提ツキです(他のビジネススクールもほぼ同様だと思いますが、知らないので)。



ということで、それぞれの選択科目の教授法をあえてひとつのキーワードにあらわすと何になるか?そんなことを考えてみると、やはり科目ごとにバラバラ。



Leading Teams and Organisations

“ゲーム”

リーダーシップを教えるこの選択科目の特徴は、ゲーム。毎回のクラスで、チームでゲームを行い、そこでのリーダーやチームメンバーの実際の立ち振る舞いを振り返りつつ、リーダーシップについて理解を深めるという手法です。ゲームをするので、純粋に毎回楽しいですが、まああくまでもゲームなので、そこからの学びを実際のマネジメントの現場とどうひもづけられるかが教授の腕の見せ所。



Managing the Corporate Turnarounds

“ゲストスピーカー”

企業再生の修羅場を教えるこの選択科目のキーワードは、ゲストスピーカー。ひたすら、毎回ゲストスピーカーが授業を展開していきました。ターンラウンドマネージャー、バンカー、アリックスパートナーズなどの再生プロフェッショナル、プライベートエクイティから続々とゲストがやってきて、それぞれの視点で話しを語ってくれるというもの。立場を変えれば見える風景が変わることがよく分かるスタイルですね。



Paths to Power

“思想”

影響力の源泉を探るこの授業のポイントは、思想。この領域は古くは哲学からはじまり、社会学、心理学、経営学などじつに多くの学問からの学びがある。群雄割拠という感じでじつに多くの考えが存在している。それらの思想たちが紹介されつつ、クラスで議論して理解を深めていくタイプですね。



New Venture Development

“プロジェクト”

起業とビジネス・プランの書き方を学ぶこの授業は、はい、実際にビジネス・プランを書いて、最後はエンジェル、ベンチャーキャピタルの前でプレゼンするというもの。いわゆる、プロジェクトものです。個人的に試したいアイディアがあったので、チームを募集してプランを書いてプレゼンしましたが、能動的にやっている分勉強になりますね。手間ひまかかるけど学びが多いのはプロジェクトものの特徴。



Financing the Entrepreneurial Business

“自転車”

ベンチャーの資金調達がテーマのこの授業は、まるで自転車を覚えるときのよう。あまり事前に知識は与えられないまま、宿題や課題が課されるというスタイル。ウンウン悩みながらも、転んで擦り傷を負いながら、怪しげなベンチャーのお金周りを肌感覚でみにつけていくわけです。というわけで、けっこう負荷は重いけど、学び感は大きい。もしかしたら、OJTにじつは学びの方法は似ていますね。



こうしてみると、クラスのあり方はじつに多様。ということは、裏返して考えると、じつに学び方というのはさまざまだということを痛感します。この他にもまだまだあるし、さらに開拓の余地もまだまだありそう!

2010年3月25日木曜日

働き方の未来~Future of Work Consortiumより

30年前と今では、働き方はまるで違う。たとえば、フレキシブル勤務なんてなかったし、女性が働くことも極めてまれだったのです。それが、今ではそれが当たり前。



それでは、未来はどうなのだろうか?平均寿命は90歳を越え、60歳を越えてもまだまだ元気な人が多い。



退職してから30年もある。みなそうそうと仕事をやめるとも思えない。そう考えただけでも、僕らの働き方はまだまだ変化していくことだけは確実。



LBSの組織行動の教授、リンダ・グラトンの研究プロジェクトFuture of Work Consortiumにリサーチャーとして参加しているのですが、このテーマが面白い。自分の働き方を振り返る上でとても役に立っています。



このプロジェクトで着目している大きな変化を引き起こす要素は、次の5つ。



1.技術の進化

・ユビキタス化

・技術の低価格化

・新しいインターネット技術の台頭



2.グローバル化

・新興国からのタレント輩出

・人口の都市集中化

・世界交易の拡大



3.人口構成の変化

・先進国の出生率の低下

・長寿化



4.社会の変化

・世帯当りの人数減少

・人々の大企業嫌い化トレンド加速

・フレキシブル勤務の浸透



5.低炭素化

・CO2排出と温暖化



とくに、日本を考えるのであれば、さらに考えておかなくてはいけないのは、3.における人口減少。



こうした要因が重なり合い、お互いに影響を及ぼした結果、どんな将来が待っているでしょうか?



こうした5つの大きなうねりは、



コミュニティのあり方


組織のマネジメントの仕方


チーム運営の方法


個人のキャリアのあり方



を必然的に変えていくことになるわけです。ときにはこうしたマクロトレンドに思いを馳せながら、目の前の仕事に向き合う必要を感じるわけです。

2010年3月24日水曜日

発展途上国の起業家育成ビジネス~社会起業ってなんだろう

社会起業って何だろう。



こういうのは、実際に触れるのが早い!ということで、ロンドン・ビジネス・スクールのマイケル・ヘイ教授が立ち上げつつある社会ベンチャー、ビジネス・ブリッジのマーケティングのお手伝いをはじめています。





ビジネス・ブリッジは、発展途上国の起業家を育成するプログラムです。現在は、南アフリカをパイロット拠点としてテスト活動を展開しています。



いわゆる、Social Entrepreneurial Venture、日本でいうところの社会起業といえそうです。興味のある方は、ホームページに簡単な紹介ビデオがみれます。



ビジネスのコンセプトは、ハイクオリティな教育コンテンツを、安価で発展途上国に提供するというモデル。



Blended Learningといわれる手法で、オンライン教育と、クラス教育の二つを活用します。オンライン教育の部分は、すでにあるe-learningコンテンツを焼き直し、クラス教育は、ビジネススクールの卒業生を活用するというもの。



収入源は、学生からの授業料とドネーション。また、e-learningを併用することによっても授業料を安価に抑える。



南アフリカは、ご存じのとおり零細起業家が多く、じつはそれほどきちんとした教育を受けている人は多くありません。そういう人々に対して、ビジネスの基本的な考え方を教えることによって、多くの効果を見込めるのではないかというわけです。



発展途上国の人材育成とはどうあるべきか?社会起業はどういうビジネスモデルが機能し、どう成長すべきか?など関心はつきません。学びの大きそうなプロジェクトになりそうです!

2010年2月15日月曜日

組織の中の政治力はどうやって生まれるのか?(その2)

影響力、政治力、権力の源泉は、何なのでしょうか?じつは、色々な議論をみてみると、大きく分けて二つの潮流がありそうです、というのが以前のエントリ:



主張1:影響力、政治力、権力の源泉は、その人のポジションである

主張2:影響力、政治力、権力の源泉は、その人のキャラである



さて、主張1を明確にうたっているのが、この分野の古典、Jefferey Pfeffer教授の「MANAGING WITH POWER Politics and Influence in Organizations」でしょうか。マキァベリの「君主論」の現代版とも呼ばれている本ですが、日本ではそこまで有名ではありませんね。



原著:





日本語訳もあるようです。オリジナルは、1992年発刊ですが、なんと日本版が出たのは去年!いままで訳されなかったのがおかしかったくらいですが、やはりテーマがテーマだけに、なんというかダークな感じがして、今まで訳されなかったんでしょうか?



訳書:





“Our tendency to overemphasize the causal importance of people and their characteristics, and underemphasize the importance of situational factors”

“Although individual attributes are important, my view is that being in the right place is more essential”



と、明確に主張1、すなわち、ポジションが大事と言い切っているわけです。



彼、曰く、ポジションに関わる権力の源泉は次の3つ:



1) リソースのコントロール:予算、設備、仲間を得ることのできる地位

2) 情報に対するアクセス:組織内で何が起きているか、だれが何を考え、何をしているか

3) 権限:組織の中でright placeにいること



さに、そうした影響力、権力、政治力を上手に使うための方法についても、本書では指南しています。



1) 人間のもつ心理効果を使え

2) タイミングが命~やめさせたければ意図的に遅らせよ、やりたければ先制攻撃をしかけよ

3) 情報を政治的に上手に活用せよ

4) 権力を集約できるように、組織を変えよ

5) 権力の象徴として、セレモニー・儀式も重要



具体例がアメリカの政治ばっかりで、日本人の僕にはイマイチピンとこないものの、生々しいアドバイスがぎっしり。



Pfefferが言いたかったことを、乱暴にまとめれば:

  • 何かを成し遂げるには権力、影響力、政治力=パワーが必要!
  • ところが、みんなパワーの話しをセックス以上にタブー視しているが、それではダメ!
  • はっきりいうと、パワーの源泉は、ポジション!
  • そのポジションを獲得し、上手にパワーを行使し、良いことを成し遂げていこう!



みなさんは、どう思われたでしょうか?なかなか、説得力がありますね。そのうち、もう一方の主張もみていきたいと思います。

2010年2月12日金曜日

「感化」が人材育成の鍵ではないか!(その2)

感化されることが大事。




そんなことを目的に、先日は、BBT大学の「世界中からトークセッション」シリーズで、「世界で活躍する若手ビジネスウーマンの実像」というテーマで、オンライン・セッションを日本人若者向けに企画。



動画配信プラットフォームUstreamで映像をリアルタイムで流し、フィードバックはtwitterでリアルタイムで受けるという、BBT大学のユニークな試みです。



ゲスト・スピーカーは、このテーマにぴったりの友人ジュリーにお願いして、今までの活躍っぷりをたっぷりと語ってもらいました。



そもそも、日本にいると、若手プロフェッショナル、それも女性が実際、海外でどう具体的に活躍しているかなんていう情報はなかなか入ってこないのではないかと思っているわけです。



個人的には、議論のファシリテート、同時通訳、Ustream、Twitterへの目配せで忙しい1時間でしたが、なかなか面白い話しが聞けました。私の感化ポイントは、次の3つ!



感化ポイント1:今ある専門知識を組み合わせて希少性をつくり、次を切り開く



「獣医は毎日の繰り返し、もっとチャレンジングなことをしたい」



そう思った彼女は、幼い頃に習った中国語のスキルと、獣医のスキルを組み合わせて、中国における乳製品市場研究プロジェクトを自ら企画してしまう。



企業からのスポンサーを取り付けて、中国に飛び込み、プロジェクトを成功裏に終わらせたことから、製薬会社の国際マーケティングマネージャーの仕事のオファーがきたというわけです。



今ある、専門性を組み合わせて、新しいことを産み出し、切り開いていく力に感化!



感化ポイント2:Open-minded and Flexibleで異文化を受け入れる



異文化があることを受け入れるためには、自分がOpen Mindedにならなくてはいけないね、という指摘。先入観をもってもだめ。その場所を訪れて、あるがままに受け入れる、観察すること、それをまねることからはじまる、と言っていました。



こうした異文化の理解、市場毎のニーズの理解を踏まえて、各国毎に全く異なるマーケティングキャンペーンを推進していくのに感化!



感化ポイント3:女性は女性らしいリーダーシップスタイルがある



Empowermentという言葉を使っていましたが、彼女のいうところのリーダーシップは、男の人のそれとは違っていて、やる気にさせることがもっとも大事なのだといいます。



番組のあと、よくリーダーシッププログラムのフィードバックで、「もっと、こうしなさい、こうしましょう」とバシバシと決めて、指示した方がいい、とも言われるそうですが、彼女にとっては、「それは、私にとって全く意味をなさない」とバッサリ。



女性であれば、女性らしさを生かした、あなたらしいリーダーシップを発揮すればいいに感化!

「感化」が人材育成の鍵ではないか!

内向き志向で元気がないとは、最近の日本人、とくに若者に形容される枕詞のようになっていますが、そうした閉塞感を打開する鍵は、「感化」にあるのではないかと最近、思っています。



こうすべし!と「教育」するのではなく、「感化」される機会を提供する。たとえば、数百年からの江戸時代の鎖国から、一気に近代化の道に突っ走れたのも、西洋のとてつものあい技術力に危機感とともに、「感化」されたから。



また違った例を考えてみれば、ビジネススクールのひとつの大きなメリットは、この「感化」。教授から学ぶこともあるけれども、もっと大きく、かつ重要なのは、ビジネススクールという良質なコミュニティに属しているからこそ、得られる仲間からの「感化」。



そして、人間には、「社会的証明」という原理も働くのは、みなさんご存じのとおり。すなわち、「これが社会的には普通なんだと思えば、それに従おう!」というもの。周りに感化され、社会的証明の後押しで、人は新しいことにチャレンジしていく。



よく、日本はもう世界大国2位になってしまって、ロールモデルを失ったことから、日本の停滞がはじまっているといいますが、これは個人のレベルで考えれば明らかに間違い。



こちらにきてしみじみと気付いたのですが、日本人が学ぶべきロールモデルはゴロゴロといるわけで、そうした存在が日本には知られず、若者がそうした人に感化されていないことが、ひとつのボトルネックになっているのではないかと思うわけです。



自己啓発がブームですが、自己を啓発するのではなく、他人に啓発される機会が、今後の人材育成の鍵ではないかと思うわけです。



ロールモデルを追いかけるのが得意なのが日本人だとしたら、今後のロールモデルをどんどんと紹介し、「感化」をしていく仕掛けが必要です。

組織の中の政治力はどうやって生まれるのか?

民主党の小沢幹事長の振る舞いを観ていると、どこはかたとない気持ち悪さをだれもがどこかで感じ、それが、小沢幹事長退任の国民支持に結びついているような気がするのです。



このどこか気持ち悪さ感というか心のザワツキ感は、何なのか冷静に考えてみると、政治力の威力というか凄さが背後にあることを我々が知っているから、といえます。



というように、政治力といったときに、暗黙の前提で、それはどこかでやましいこと、いけないこと、表向きではしゃべってはいけないこと、という印象はぬぐえない。



とはいえ、ビジネスの世界でも、この政治力、もっと広くいえば、権力や影響力は厳然として存在するわけで、人を動かす上ではこの上ないパワーを発揮する。



そう、絵に描いた餅にならないのは、この手の「力」がどこかで働いているわけで、効率に物事を成し遂げていくには実にプラス。



企業や組織の中で、「あの人は権力があるよね」「あの人の言うことなら」などというときの力は、ときには、影響力とも呼ばれたり、政治力とも言われたりしますが、組織行動の学問では、立派に研究されていたりするわけで、面白いものです。



その研究成果は、ビジネススクールでも、Politics and Powerや、Influence、LBSでもPaths to Powerとして授業が提供されていますね。



そこでは、権力なんてそんなダークなこと、腫れ物に触るようなうしろめたさなく、堂々と表街道をつっぱっしるように、この手の権力をいかに獲得し、いかに有効に行使していくかが議論されるわけです。



さて、この手の影響力、政治力、権力が、とても大事で重要で、物事を実行するのに必要という認識にたったとき、このパワーの源泉を理解することもこれまた大事。



影響力、政治力、権力の源泉は、何なのでしょうか?



じつは、色々な議論をみてみると、大きく分けて二つの潮流がありそうです。



主張1:影響力、政治力、権力の源泉は、その人のポジションである






主張2:影響力、政治力、権力の源泉は、その人のキャラである



主張2が、その人に内在する性格、リーダーシップスタイル、「っぽさ」がパワーの源泉であるといっているのに対して、主張1はもっと外的なもの、つまりその人のおかれている状況がパワーの源泉といっているわけです。



戦略論を少しでもかじったことのある方だとすぐ気付くかと思いますが、どこか、企業の利益は、主張2:その企業のもっている能力で決まるか、主張1:その企業のいる業界で決まるという議論と似ていますね。



というわけで、みなさんの考えは、主張1に近いでしょうか?それとも主張2に近いでしょうか?



このブログでは、(そのうち)それぞれの主張をみていって、そのあとは個人的な考えを書いていくことにしましょう!

2010年1月31日日曜日

STRENGTHS FINDER

MBAプログラムでは、多くの自己診断をしていく機会がおおくあります。360度評価、性格診断、価値観診断、人的ネットワーク診断、リーダーシップタイプ診断があげられるかと思います。



そうした自己診断ツールのひとつ、組織コンサルティング会社Gallup社が開発したStrengths Finderをご存じでしょうか?



Strengths Finder-その名前のごとく、200近い質問に答えることで、34の強みタイプから5つ特定してくれるというきわめてシンプルな診断ツールです。正確には、強みそのものではなく、強みになりえるポテンシャル領域を特定してくれるというもの。



その書籍、Strengths Finderは、50万部のベストセラーともなっていて、とてもポピュラーな診断ツール。







コンセプトもシンプル。人は、弱みを克服するより、強みを伸ばした方が、5倍伸びが早いのに、人はいつも弱みばかりを指摘されそれを克服することを求められる。これは、何か間違っていないか?



強みをきちんと理解して、それを踏まえて、人間関係、リーダーシップ、キャリアを考えてみようということです。



ところで、私の5つのStrengthsは以下のとおり。私らしいでしょうか?



Learner

People who are especially talented in the Learner theme have a great desire to learn and want to continuously improve. In particular, the process of learning, rather than the outcome, excites them.



Responsibility

People who are especially talented in the Responsibility theme take psychological ownership of what they say they will do. They are committed to stable values such as honesty and loyalty.



Individualization

People who are especially talented in the Individualization theme are intrigued with the unique qualities of each person. They have a gift for figuring out how people who are different can work together productively.



Ideation

People who are especially talented in the Ideation theme are fascinated by ideas. They are able to find connections between seemingly disparate phenomena.



Self-Assurance

People who are especially talented in the Self-Assurance theme feel confident in their ability to manage their own lives. They possess an inner compass that gives them confidence that their decisions are right.



友達同士で、この結果を交換しあうと、なかなか楽しいですよ。


"You can be a lot more of who you already are"



(このStrengths Finderをうけるためには、まず本を買わなければいけません!)

ロンドンビジネススクールの売上はいくら?

ビジネススクールは、景気が悪くなると、うれしいことに、出願者数が増加します。一方で、LBSを含め、他の企業と同じように、多くのビジネススクールの台所事情は厳しいものがあります。この矛盾は一体どういうことなのでしょうか?


さて、少し質問を変えて、LBSの売上はいくらでしょうか?なにで稼いでいるのでしょうか?



LBSは学校とはいえ、企業と同じように、収入があり、支出があり、最終的に利益もしくは損失を出すことには変わりありません。



答え:LBSの2009年の売上は、ざっと145億円です。



ちなみに、東大が約2,000億円、日本大学が1900億円、慶應大学が1300億円というわけで、それほど大きくないというか、LBSは規模としては、こじんまりしているといえますね。



さて、この145億円のうち、授業料はどれくらい占めますか?



答え:75%。



かなり大部分を授業料に依存していることが分かりますね。国からの助成金が8%、寄付が6%、研究助成金が4%、施設貸し出し3%、投資収入1%という具合。まず、なんといっても寄付額の向上が課題です。



さて、この売上の大部分を占める授業料ですが、LBSの看板プログラムであるMBAはこの授業料のどれくらいを占めますか?



これが、前知識なく、分かった方は、かなりセンスがいいと思います。というのも、この答えに、ビジネススクールのビジネスモデルの本質が隠されているからです。



答え:21%



そう、MBAプログラムは、授業料のわずか五分の一しか占めていない。どういうことでしょうか?ビジネススクールといえば、MBAなはずで、その授業料がこれだけ?



じつは、パートタイムMBAがあり、それをExecutive MBAというのですが、これがさらに21%占めます。でもまだ合わせて4割程度。



もっとも売上構成比率が大きいのは、Executive Educationといわれる、学位ではないビジネス教育の売上。これがなんと43%も占めます。それは、1週間程度のコースであったり、もしくは企業向けにカスタマイズされたものであったりします。で、このExecutive Educationは単価が最も高い。



もうおわかりかと思いますが、MBAはあくまでも旗艦プログラムで、その評判でもって、Executive Educationを受注するというモデルなんですね。



昨今の経済状況の厳しさは、このExecutive Educationをモロに直撃しますので、ビジネススクールとしては、つらいわけです。これが、学位のプログラムへの出願者数の数はうなぎ登りなのに、台所事情は厳しい理由です。



ビジネスには、ツボのようなものがあって、ビジネススクールの場合、それはMBAプログラムにあたり、この評判次第で、その他のプログラムの売上が響いてくるわけです。何がツボになるのか、それを見極めるのがとても大切ですね。



(上記の財務情報は、LBSウェブサイトのAnnual Review 2008-2009からみることができます)

2010年1月30日土曜日

ロンドンビジネススクールの日本語ウェブサイト・リニューアル

Japan Interests Clubで管理・運営している日本人向けウェブサイトがリニューアルされ、旧サイトのコンテンツを継承しつつ、さらに内容が充実しました。



コロンビアビジネススクールの日本語ウェブサイトの担当者にかなり具体的なアドバイスをいただき、またMBA2011のメンバーの多大な努力で、新しくなりました。



もともと、私がウェブサイト担当になったとき、HTMLスキルに不十分な私が、その更新に多大な時間がかかっていたのが最初の発端でした。これでは、役に立つ情報もアップできなくなってしまうのではないか、というものでした。



LBSの日本語サイトが立ち上がったのは2006年ですが、それからわずか4年足らずですが、より便利なツールが世の中に出回り、それを使おう、ということになりました。



というわけで、ビジネススクール、MBA、ロンドンビジネススクールに興味がある方は、ぜひ、新しいサイトを散歩してみてください。

当たり前の知識がなぜ使いこなせない?

ブログのエントリをサボっていたら、あっという間に一ヶ月。1月のエントリがゼロというのも寂しいので、このあたりでひとつアップしたいと思います。



さて、池田信夫氏の最近のブログエントリーで、最近の政治家は、大学1年生のマクロ経済レベルの常識も知らないことを嘆いています。氏のおっしゃるとおり、その知識レベルで、何十兆もの国家予算が動かされていると思うと、確かに恐ろしくなります。



この事実に象徴されるように、「当たり前の常識が使いこなせない現象」が最近は増えているのではないかと思うわけです。「えっ、そんなことも知らないの?」とみなさんも思ったりしたことはないでしょうか?逆に、これさえもっと早く知っていれば、もっと楽できたのに、と思ったり。



この悲しい現象も、専門領域の細分化と情報の劇的な増加による、逆説的な、でも、必然的な結果ではないかと思うわけです。これだけ、情報が豊かになったのに、逆に、その当たり前が使いこなせなくなってしまうというのも何とも皮肉です。



でも、なぜ、こんなことがおきてしまうのでしょうか?



まず、第一に、そもそも専門分野が増えたおかげで、「当たり前」が増えすぎた。だとすれば、全ての人が「当たり前」をカバーできることは不可能になってきているわけです。ある人にとってのものすごく当たり前なことは、すぐ隣の人にとっては宇宙語。



もうひとつは、情報が多すぎると、頭の中できちっと理解しようとしないからだと思います。たとえば、学校で膨大な読み物を課されたとしたら、まあ斜め読みか、読まないかのどちらかで、結局何が書いてあったかは覚えていないでしょう。これと同じ原理です。



じつは、当たり前の知識が使いこなせない理由はいくつかのタイプがあると思います。



1. そもそも知らなかった

2.知っていたけど、使おうと思わなかった

3.知っていたけど、使おうと思ったけど、使いこなせない



それぞれに対応策が違ってきますが、冒頭の政治家のエピソードは、3.ですね。使いこなせるように勉強したり、自分で手に負えない場合は、それに精通している人を雇えばいいでしょう。



1も深遠な問題ですが、一番たちが悪いのは、2.だと思います。その当たり前の知識自体は知っているのですが、いざその知識が必要という状況になったとしても、その知識が役に立つと気付かないということです。



これは自分にもけっこうあって、あとで振り返ってみて、あの知識が使えたのにと思い出したりします。その場になると、知っていたはずの知識がすっと出てこないんですよね。



また、その知識自体は、知っているので、本で読んだり、人が聞いたとしても、「知っている知っている」と思い、その学びをさらに吸収せず、さらっと流してしまうのです。授業で聞いたとしても、そんなこと知っているよ、となってしまうわけです。



そんなわけで、情報は増えたのに、当たり前の知識が逆に使えないパラドックス、さあ、これはどう解決すればよいのでしょうか?