2009年8月29日土曜日

Financial Timesが報道する日本の選挙事情

We live in FINANCIAL TIMES


ここ最近のFTの日本選挙関連のニュースを少しみていると、ひとことでいえば、

“国民は自民党がダメ過ぎなので、変化を求めているので、民主党が圧勝しそう。でも、民主党もチョットどうなのかなぁと国民は思っている”

と報道されています。

たとえば、Japanese in quest for changeというように、国民は変化を求めているのだと。戦後50年続いた自民党政権に嫌気がさしていて、だからこそ、Change in the air as polls point to DPJ winということで、DPJ民主党が、圧勝するだろう、DPJ heads for historic Japan landslideと書かれています。

とはいえ、Doubts over DPJ chief’s political wilesということで、鳩山さんもどうなのかねぇというトーンの記事も出てきています。こんなコメントも紹介されています。”People are going to vote for change they don’t believe in and for a leader they’re not too keen on,” says Jeff Kingston, professor of Asian Studies at Temple University.

Financial Timesの記事は、けっこう淡々と日本国民がどう「思っているか」その認知について語っています。その影響が世界にどう広がるのか、とかそんなことはおかまいなし。まあ、どっちでも、結局大差ないから、どっちでもいいんじゃないの、といったニュアンスも感じてしまうのは私だけでしょうか。

何人かの友人と、この日本の選挙について話すと、「ああ、うちの国も似たり寄ったりだよ、大問題だらけ、国はあてにできない」といった声をよく聴くんです。国をアテにしない生き方というのは、僕らの世代には国境を越えて、共通したモノがあるなぁと感じるのです。

さあ、これから選挙です!

我流:子連れ海外旅行のサバイバル術

前回の投稿の続編です。
http://london-twk.blogspot.com/2009/08/blog-post_28.html

子連れ海外旅行をいかにサバイブするか?
3歳の男子一人を連れて行くケース。

食べ物編:
やはり、twk Jr.は、すでに生粋の日本人であることがよく分かりました。旅行二日目から、「白いご飯たべたーい」と言い出すのですから。パン食が続くと飽きてしまうのです。パンが飽きると、パスタでごまかし、そのごまかしがきかなくなると、ご飯おねだり攻撃がはじまるのです。

だから、こういうときに心強いのが中華。世界中に散らばっている中国人のおかげで、主だった都市や観光地に絶対あるのが中華レストラン。それもリーズナブル。ここにいけば、白いご飯、チャーハン、野菜炒めなど日本人の味覚に合うモノが手に入る。中華レストランは要チェックなのです。

ありがとう、中国人よ!

宿編:
最近は、少し高めになってしまうのですが、ズバリそのエリアの中心部に位置するホテルをとるようにしています。たとえば、中央駅があれば、そのソバということです。必ず観光地には、そのヘソというものがあります。そこから様々なバスが出ていたり、ターミナルになっていたり、周りに有名な観光地がたくさんあったり。

そこに宿をとるのです。なぜか?

まず、第一に移動のロスを最小化するため。大人ならば、ちょっと歩けばつくところも、3歳の子どもと行くとなると、それはそれは大ごとになる。ベビーカーから降りるとか言い出したり。中心部に宿を取ることで、この手のロスを減らせ、ただでさえ、効率が落ちている旅行に少しでも楽にする方法なのです。

もうひとつは、子どもが昼寝をしたい!と言い出すから。やはり、3歳くらいで、かつ、旅行しているとなると、体力の消耗が激しいモノ。だから、どうしても昼下がり、眠くなるようなのです。そういったときも、中心部にあるホテルにサッと戻れると、それはそれは、子どもにとってもいいのです。

それから、ホテルにプレイルームのような子どもが遊べる場所があると、とても楽です。

また、以前のブログのエントリーでも書きましたが、ホテルではなく、アパートメントタイプのホテルも大いに利用する価値があります。アパートメントホテルは、キッチンなどがついているので、自炊が可能だし、部屋が少し広めなので、子どもも落ち着くようです。3歳の子ども(それも男の子!)がレストランに行って、終始おとなしくしていることはほぼ不可能で、それも疲れてきている場合は、なおさら。そんなときは、アパートメントのキッチンでさっと自炊などできるといいんです。

飛行機編:
ロンドンからだと、イージージェット、ライアンエアーなどの格安航空会社がバンバン飛んでいるので、それを使うのが常套手段ですが、ウチは最近は、もっぱら、ブリティッシュエアウェイズ(BA)

じつは、格安航空会社の参入とその繁盛ぶりに押されて、BAも相当に値段を下げているんです。だから、ヨーロッパを飛び回るならば、そんな劇的に価格差が出てくるわけではないのです。

格安航空会社の場合は、ルートンやガトウィックといった、少し離れた航空にいかなければならず、だいたいエクスプレス鉄道を使う必要があり、その分の料金を考えると、さらに価格差は縮まります。BAだとヒースローからの発着で、かつ、ちょうど我が家からだと、地下鉄一本で行けてしまうので、乗り換えの手間とかを考えると楽。

それと、なんといっても、時間帯。格安航空会社の発着時間は、時には殺人的なものがあるのです。格安にするだけあって、発着時間がちょっと不便。たとえば、ロンドン発朝の7:00とかざらでありますので、そうすると、国際便なので最低2時間前。朝の5時過ぎに空港についていなければいけない。さらに逆算すると、朝の3時に起床という悪夢のようなシナリオ。この時間帯に3歳児を起すとどうなるか・・・。断末魔。

だから、BAにこの点、分があるわけです。

ただし、BAの最大の難点は、食事!毎度おなじみの、冷えたサンドウィッチは、夢でそのあとうなされるほど、飽きてきます。ああ、もうちょっと良いものをだしてほしいなぁ。ですので、BAでロンドンを発つときには、必ずおにぎりをもっていきます。これで、twk Jr.もひとまず、満足、親も満足、そしてみんなハッピー。食事がまずいと、家族全体のパワーレベルが激しく落ちてくるので、じつは大事なポイントです。

観光編:
キーワードでいえば、体験系のスポットにすべし!の一言につきます。たとえば、海のクルーズであったり、野外系の博物館であったり、そんな子どもが参加できる、体でもって感じることのできる体感系のスポットを旅行の工程に混ぜておかないと、大変です。もちません。

とはいえ、美術館のような場所はどうするのか?これは、子どもの体調を見ながら、サッと巡るか、もしくは、夫婦交代で見に行って、その間片方が子どものおもりをするといった作戦をとるかのどちらかです。

そして、たまに夫婦でディナーとか、ショーを見に行きたいときは、現地のベビーシッターにたまに預けています。現地のベビーシッターを雇う方法は、よく分からないので、大体ホテル経由で申し込みをしています。Twk. Jrの場合は、言葉が分からなくても、電車で楽しく遊んでくれればとりあえず満足の様子。

反対に、観光中絶対にしてはいけないこと。「あとでおもちゃを買うから、今静かにしてね」という甘いフレーズを安易に発しないことです。これを発してしまうと、頭がおもちゃで一杯になって、ますますおもちゃをねだりまくるという悪循環にドボンとなります。

というわけで、これが現時点の我が家の旅行ポリシーですが、これも、子どもの成長に応じて変わっていくのでしょうね。

やはり、苦しみあるところに、顧客のニーズあり。子連れ旅行支援サイトは、数多くあります。こんなのも参考になります。

TravelWithYourKids.com
http://www.travelwithyourkids.com/

Flying with Kids
http://www.flyingwithkids.com/

Travel for Kids
http://www.travelforkids.com/

子連れ旅行海外旅行マニュアル
http://homepage2.nifty.com/kobu/

子連れde海外!!
http://www.kozure.net/

**

これからも、楽しく逞しく、新しい体験をしていこうと思います。

2009年8月28日金曜日

子ども連れ旅行、いかにサバイブするか!



ストックホルムからの帰り、British Airwaysの機内誌の表紙がコレ。Surviving the Family Holiday。そうです、まさにサバイブする、という言葉がぴったり。雑誌の内容は、様々な家族の旅行体験談がのっているというもの。ああ、みんな大変な思いをしているんだと、なんだか、子連れ家族との連帯感を感じさせる特集です。 みんなサバイバル旅行をしているんだ。


旅行ブローシャーのような優雅な体験がずっと続くわけでもなく、旅行雑誌のような甘い体験がずっと続くわけでもなく、いやいや、それこそ苦労の連続の上で旅行が成り立っているのです。というのも、子どもには、「我慢」というコトバが辞書にないのですから。

まずもって、ものすごい体力の消費を覚悟しなければいけません。子どもをたっこしたり、走り回っている子どもを追いかけ回したり、途中で泣き出すのをおだてたり。機嫌が悪くなって、叫びだして、周りからの視線に耐えねばなりません。こんなのが続くと、おそらく、大人だけで行くときに比べて、効率は半分以下。

でも、それはそれでいいのです。

朝から晩まで、ずーっと子どもと過ごす貴重な時間なんですから。喜怒哀楽の激しい子どもと一日中過ごして、そして、よく走り、よく笑い、よく食べる姿を見ていると、きてよかったなぁと思えるのです。旅行が終わると、大変なことはすぐ忘れて、楽しい思い出だけが頭に残り、だから、すぐ次の旅行に行きたくなる。人間とはかくも都合良くできているものです。

そんなこんなで、我が家式子ども連れ旅行のサバイブ方法を勝手に次のエントリで、書き綴ってみることにしましょう。

2009年8月26日水曜日

エストニアで見かけたクールな乗り物たち!



中世なタリンの街並みに、このワインレッドが絶妙に溶け込みながら、
その存在感をたっぷりと見せつけていました



オープンギャラリーの前に止まっていたアートなジープ
これも、ギャラリーの一部なのか!?



一体何人乗りの自転車!?
じつは、これ、旧市街を案内してくれるガイド自転車なのです。
ガイドが真ん中に座って、参加者5人はガイドを取り囲むように座る
動く井戸端会議みたいなコンセプトで、なんだか可笑しい
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2009年8月25日火曜日

ビジネス・ブレークスルー大学のオンライン・トークセッション

最近のセミナー・スタイルはどんどん進化しているようで、IT関連のセミナーだと、リアルのセミナーであっても、Ustreamを使って、動画をオンラインでリアルタイムに流し、その裏では、Twitterを使って参加者がつぶやいていたりする。

たとえば、グロービスで講師をされている家弓正彦氏も「新しい講演の姿!「えxぺ勉強会」で講演しました」というエントリで、こうした使い方に驚いていらっしゃる。

よくSkypeで会議などをやったりするとき、話すと同時に、チャットができて、より効率の高い情報交換ができたりするけれど、それと同じような感覚なのでしょう。コミュニケーションのラインが「音・映像」と「コトバ」の二つになる分、おもしろい。

そんな新しいスタイルで、ビジネスブレークスルー大学(設置認可申請中)が、モバイルコミュニケーションの伝道師 松村太郎先生をお迎えして、ITジャーナリスト林信行氏と縦横無尽に語るというのです。松村先生は、嘉悦大学でも教鞭をとられていて、そこではTwitterをすでに授業に取り入れているというから、やることが早い。

私も、これ、リアルで見聞したいと思っているのですが、果たして、その時間までにロンドンに戻れるか!明日、ストックホルムからロンドンに戻ります。

ビジネス・ブレークスルー大学ウェブサイトより:

世界中からトークセッション
http://bbt.ac/talk/index.html

モバイルコミュニケーションの伝道師 松村太郎先生が、ITジャーナリスト林信行氏と縦横無尽に語る1時間!

日本と海外のIT/モバイル動向を知り尽くす二人が、ITを使ったパーソナルメディアの変遷と現在について語り合います。そして、これからを生きる学生の皆さんに向けて、21世紀に求められる能力についても、わかりやすくお話し頂く予定です。

トークセッション概要実施日時:2009年8月26日 22:00~23:00 中継:Ustream + Twitter 登壇者:松村太郎(BBT)+ 林信行(ITジャーナリスト)
@taromatsumura / @nobi

プロフィール:
林信行(はやしのぶゆき)
Twitter: @nobi
IT ジャーナリスト 。アップル社を1990年から取材。インターネット関連の記事を、経済誌や新聞、パソコン雑誌に執筆。著書は「iPhoneショック」 (日経BP社刊) など多数、「スティーブ・ジョブズ~偉大なるクリエイティブディレクターの軌跡~」 (アスキー刊) など。

松村太郎(まつむらたろう)
Twitter: @taromatsumura CNET Japan,ASCII.JPなどで携帯メディアをテーマにしたコラムを執筆中。現在は執筆活動と、慶應義塾大学SFC研究所上席研究員として「個人メディア」の研究活動および同大学、嘉悦大学での講義を行っている。

立体的な街、ストックホルムを歩く

スウェーデンは、じつは日本人にとって、北欧の中でももっとも身近な国ではないでしょうか。

最近では、家具のIKEA、アパレルのH&Mは日本を賑わせたのは記憶に新しいところ。音楽ではABBA、そして、劇団四季のミュージカルで日本でも話題になったマンマ・ミーア。これら全てスウェーデン発。そのほかにも、携帯のエリクソン、自動車のボルボなど、実に多面的に世界に発信しているグローバルカントリーといえます。

歴史的にみても、スウェーデンは、北欧の中でも中心的な位置づけをしめてきました。なにしろ、国土は実に日本の1.2倍。首都ストックホルムは、北欧の首都とも言われてきていました。実際、ストックホルムは、この数百年ほど、他国からの侵略に見舞われたことがないそうなのです。

そんな多面的な表情をもつスウェーデン、そしてその首都ストックホルムのスナップショットです。

"水"
北欧のベニスと呼ばれるだけあって、水と船はこの街には欠かせない


"商"
中央駅付近には、多くの高級デパート、ショッピングセンターが建ち並ぶ

"粋"

老舗高級デパートNKの文具エリア

これぞ、日本人のもつ北欧イメージそのもの

思わず、ウィンドウショッピングに耽る



"力"
強い国、スウェーデン
王宮で、衛兵交代をみることができる
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書評:ワールドガイド 北欧 JTB

もっと良くなるのになあ、このガイドブック。

まずは、正確性です。

昼下がり、おもたいバックをひきずり、ホテルを探し回る。日差しは照りつける。子どもは疲れてきて、叫び出す。お腹がすく。ガイドブックの地図を頼りに、不慣れな都市を歩く。地図に書いてある場所にホテルがなぜかない。何かがおかしい。これは、まさに今日私が体験したことでした。そうなのです、ホテルの地図へのプロットが間違っていたのです。その上、地図の表記もザツで、高架になっている道路もそれと示されていないので、歩き回っていると分かりづらい。

さて、何とかホテルにつき、さぁ、昼ご飯はどうしようかと思っていると、twk Jr.が「白いご飯が食べた-い」と言うではないですか、「おおやはり日本人なんだなぁあ」としみじみ思いながら、ワールドガイドに記されてあった、「チョップスティックス」というチャイナレストランに行くことに。そう、いつだって、中華料理は僕らに見方です。中国人よ、どこの国にもたくましく進出してくれているおかげで、僕らは中華をどこでも食べることができるのです。

話しをもとに戻しましょう。この「チョップスティックス」、またもや地図の場所が実際と違うのです。一ブロックずれているのです。また、飲茶が25クローネ~(1クローネ14円)と記載してあるのですが、安いので40クローネくらいはするし、平均的には40~50クローネくらい。読者としては、プライスゾーンを見誤るかと思います。

また、スウェーデン料理を出すあるレストラン、プリンセンは300クローネからと紹介されているのすが、どう考えても、一人300クローネでは食べられないほど、実際は高めの料金設定なのです。前菜だけで、200クローネくらい軽くいってしまうプライシングなのです。安い飲み物と軽い前菜で、たしかに300クローネ~といえますが、果たして、それが読者に親切かどうか。

次に、一貫性が欠けるかなと。

一貫性が欠けるというのは、言い換えれば、この本の想定している読者ターゲットが見えづらいのです。

モデルコースとして、紹介されてあるものは、たとえば、11日間で4カ国巡るというけっこうタイトなスケジュールで、若者向けを想定しているのかと思うのです。また、冒頭にも、「航空券だけを買って旅するという人」に役に立つと書いてある。その一方で、紹介されてあるレストランは、どちらかというと、高額帯が多いのです。

欧州版の「ワールドガイド」ではないのですが、このスペイン版のワールドガイドに掲載されてあるレストランを、スペイン人にレビューしてもらったことがあるのですが、「この本は、高いところしか紹介しないんだねぇ、こんなところはいけないなあ」とのこと。

おそらく、JTBのガイドブックなので、本来は、やや富裕層以上の人が読者層になるべくところを、「地球の歩き方」から少しでもパイをとろうと、若者を狙うニュアンスを出してしまったために、そこで、不整合が出てしまったのではないかと勝手に推察しています。

読者、旅行者の視点を忘れていると感じるなあと思うのは、紹介はしてあっても、アクションを起こせないことがあるのです。たとえば、代表的なスウェーデン料理として、アジのフライが紹介されてあって、日本人バリバリの私としては、アジのフライにぐぐっときてしまう。ところが、それがどこで食べられるのか、またアジのフライと書いてあるだけで、現地のコトバでどういうのかが書いてないため、今一歩行動に移せなかったり。

**

と、一ユーザーとして、徒然なるままにコメントするのは簡単だけど、改めて、ユーザー視点でモノヅクリをするというのは難しいんだなあと自戒の意味をこめて思います。商品やサービスをつくりこんでいると、自分の趣味に走ったり、納期が迫っていて「分かっているけど、今はムリ」と思ってしまったり、チームの力量で実現できないとあきらめたり、いろんな顧客の声がありすぎてどれに対応すればいいのか分からなくなったり、自分の心が折れそうになって「これで、イッカ」とあきらめたりと。

コンサルティングのプロジェクトでもそうですが、クライアントの満足に応えるのは、ときには、というか多くの場合、険しい道なりなんですよね。でも、常にクライアントと接する仕事をしてきたからこそ、いつも緊張感がもていたと思いまし、そこに喜怒哀楽があると改めて振り返ります。

2009年8月23日日曜日

船旅その3:客船からは絶景

本当に美しい
デッキに出れば、空と海と大地を楽しむ

海をどこまでも進んでいく船
ただただ、海跡が残っていくだけ

雲が織りなす壮大な芸術

目が覚めれば、群島諸島
そこを縫うように船はゆく
群島諸島にある別荘がたくさん見えてきた
もうすぐ、ストックホルムだ
ありがとう、バルティッククィーン号!

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船旅その2:最新客船の中はこうなっているのか!


タイタニック号ほどの豪華客船ではないにしろ、客船は、船ではなく、「動く商業施設」、すなわち、船と商業施設のコンビネーションなんだとつくづく感じる一晩でした。

まず、これ。タリンのスーパーではなく、客船の中にあるスーパーです。広めのスーパーが後ろに広がり、そして普通にレジがあります。



そして、朝5時まで踊り続けることができます。もちろん、DJもいます。

そして、劇場もあります。

レストラン、カフェテリア、バーなどがいくつも入っています。


そして、カジノも。


まじめに、会議を行うこともできます。 その他、サウナ、子ども向けのプレイルームなどなどがあるのです。 比較的数多くの施設が無料で入ることができます。ただし、もちろん飲み物などを頼めば、お金はかかります。とはいえ、税金がかからないので、うれしいことに、気持ち安く感じるのです。北欧は付加価値税(消費税)が高いですから。


気になるお値段ですが、家族3人で、180ユーロ、日本円にして、24,000円くらい。朝食ビュッフェ込み。これは、リーズナブル!といえるのではないでしょうか。もちろん、17時間という長旅ではありますが、それを楽しみ、宿泊ができて、さらに移動までできてしまうと考えると、こうした旅も費用対効果高いと思えるのです。

それにしても、これだけの施設を運営しつつ、航海していくのはそれこそ、多くのノウハウが必要です。ちなみに、運営会社は、TALLINK社、エストニアの会社です。売上高は600億円ほど、利益も100億ほどだしている優良企業のようです。

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船旅その1:最新鋭バルチック・クイーン号でストックホルムへ

生まれてはじめての客船一晩の旅です。

エストニアのタリンから、スウェーデンのストックホルムまで、17時間の旅です。18:00に出発して、翌朝10:00に到着(時差1時間)します。北欧の夏は、夜が短いため、夜行とはいえ、外の景色もたっぷりと楽しむことができます。さあ、TALLINKのデスクで、チェックイン!

シェンゲン協定のおかげで、パスポート・コントロールは一切なし!予約票をみせて、あっさりとチケットを発券しておしまい。


ボーディング時間は、10:00~17:40。えっ、10時から?そうなのです、朝からこの船に入れるようなのです。船といっても、ホテルとさまざまな商業施設が入っているので、早めに乗り込んでも楽しめるのでしょうね。


今回、乗るのは、右側、白を基調にしたバルチック・クィーン号です。この船はまだ2009年4月に!就航したばかり。部屋数900、乗客数2,800人、スタッフ2,500人を乗せる、最新鋭の大型客船です。タイタニックの乗客人数が710人であったことを考えると、時代は進歩したものです。

新しいので、船内どこにいってもきれいで、本当に気持ちがいい。

でも、客室は、狭い!お金を出せば、ホテル並の豪華部屋もあるようですが、やはり学生の身。そうは言ってられません。でも、寝るだけの部屋だから、それでいいのです。

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気まぐれエストニア考



スーパーに行くと、その国のことがよく分かります。タリンでよく見かけた大型スーパーRIMEが僕らの生活グッズ仕入れ先。ホームセンターのような簡素なつくり、そう、天井は剥きだしで、そして食料品が並ぶというスタイル。価格はどうでしょう、おそらく日本の2~3割安いといったところでしょうか。

一人当りGDPにしたら、日本の三分の一くらいですが、その割りには日本とあまり変わらないというのが実感です。乳製品が充実していて、写真は、すべてヨーグルトなのです。牛乳パックにもヨーグルトが入っているのです。

あまり期待せずに、食べ始めたので、一口に入れた瞬間、その濃厚さに直撃されました。おいしいのです。以前、ブルガリアの友人が、日本のブルガリアヨーグルトは、「うすい」と言っていましたが、何となくその意味が分かったような気がするのです。日本のヨーグルトは、食べやすさを優先するあまり、ヨーグルト通には、「うすい」と感じられるということなのでしょう。


だいたいどこに行っても、現地通貨だけでなく、ユーロもOKです。というよりも、彼らも、ユーロでできれば、払ってほしいというのが本音なのではないでしょうか。

エストニアの失業率は、17%ほどで、スペインに次ぐくらいの高失業率な国なのです。5人に1人が仕事がないというのは、日本ではあまり考えられない状況だと思います。物乞いや、昼間からの酔っぱらいも見かけ、表向きの華やかなタリンの観光地とは裏腹に、台所事情はそれほど思わしくないというのが現状なのです。タリンの街を出る間際に、ある若者に呼ばれて、「50円ください」と直接言われ、エストニアという国の悩みをふとみた気がしたするのです。

ソ連邦解体以後、いまだロシア人が2割以上!いるにも関わらず、脱ソ連、脱ロシアを合い言葉に、資本主義の導入を加速化させて、堅調な成長を見せていたエストニア。その証拠にGDPも毎年10%近く成長、今年のはじめまでは失業率が5%ほどと、好業績な国のひとつだったはず。それが、この金融危機の煽りで、厳しい状況に立たされています。

だからこそ、現地通貨ではなくて、より丈夫なユーロで、払ってほしいというのがお店の本音なのではないかと思うのです。

EUメンバーの古株は、エストニアを「新参者があんなに成長して!」とうとましく思っていたのが、今はスランプで、「ほらみたことか」という感じでしょうか。また、脱ロシアを推進してきたエストニアは、ロシアとの関係も薄くなりつつあります。じつは、けっこう寂しい状況にエストニアは怒れているのではないでしょうか。
頼れるのは、バルト三国圏、そして、北欧の諸国。こうした国々としっかり連携した再生が必要になってきているように思います。 また、なんだかんだ言って、ロシア人が2割も国内に住んでいるのだから、ロシアとの関係見直しも今がチャンスでしょう。
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ロンドンビジネススクール MBA合格審査官日本に来る!

世界中のビジネススクールが各都市を訪れるイベント、QS World MBA Tourが今年も日本にやってきます。LBSの合格審査官も訪れるとのこと、興味のある方はぜひ参加してみてください。

ビジネススクールの審査官は、日本のそれとは違って-そもそも、日本の大学院の場合、だれがそれを行うのかも不明!?-きちんと、分からないことを質問をすれば、様々な情報を提供してくれるます。

【ワールドMBAツアー・プレミアム】
日時 2009年9月1日(火曜日)
時間:17:00~21:45まで
場所:シェラトン都ホテル
参加校:INSEAD, London Business School、IMD, IEなど世界のトップスクール多数
事前登録が必要です↓
http://www.topmba.com/mba_fairs/?partnerid=2434

2009年8月22日土曜日

タリンの街並み:気まぐれスナップ集

人だかりが広場にできていると思ったら、
合唱団の声が広場に響き渡る
こういうのができるって、平和がエストニアにも訪れたんだって感じる
建物の白と空の青のコントラストがまぶしくて、思わず撮った一枚
派手な装飾はなく、質実剛健なつくり、でも色はメルヘンチックなのがタリン風


商業っぽさが出る演出
機関車風バスが旧市街を巡る
石畳の道だから、揺れる揺れる!
でも、息子は気分満点、大満足

パステル調の細い路地を歩いていくと
あっという間に時間が過ぎ去っていく
明日は、バスで郊外をのぞいてみよう

2009年8月21日金曜日

エストニア:タリンの街並みはどこかディズニーランド的

エストニアは、フィンランドのすぐ南東に位置するバルト三国の一国。ちょうど、東ヨーロッパ、北欧、ロシアに挟まれるように位置し、それがために、ドイツ、スウェーデン、ロシアに侵略され続ける悲しい歴史をあわせもっている。
ロシアとヨーロッパの交易地点として発達した短い期間はあるものの、多くの期間は要塞として機能していたようだ。エストニアとして、独立したのはソ連邦が崩壊した20年前。


Tallink号でフィンランドヘルシンキから2時間、タリンの港にフェリーがゆっくりと入港。今は、北欧、バルト三国間はフェリーの往来が活発で、巨大なフェリーが何台も停泊している。フェリーは、多くの観光客を連れてくる、大事な産業だ。昔からのバイキング文化の名残りだろうか

Medieval Crossroadsと言われだけのことはあり、中世の面影を色濃く残す旧市街。でも、旧市街区画をはずれると、そこは近代化を目指す都市がそこにある。この旧市街と新市街の強烈なギャップを見るにつけ、この街並みを死守しようとする意気込みを感じるのである

タリンの中央広場。ここを起点にさまざまな場所へ歩いてゆける。空気がどこまでも澄んでいて、心地よい。


この旧市街、観光地化が進んでいて、観光客向けのカフェ、レストランなどが目白押し。旧市街を死守すると共に、それを一大産業としているしぶとさをどこそことなく感じる。このタリンは、中世の面影を残しつつも、かなりの観光くささも醸し出している。民族衣装に扮したウェイトレスがいたりと、そう、どこかディズニーランドの一区画にいるような、そんな人工的な手触り感もこの街には感じるのである。

中世の街並みを保持しようとする伝統主義と、そこから儲けようとする商業主義。この二つが同居するのがタリンというのが今のところの第一印象。

今日はタリンDay2、さあ、もう少し、タリンの街を散策してみよう。

2009年8月20日木曜日

フィンランド航空の日本への力の入れよう

British Airwaysにてっきり乗るのかと思っていたら、コードシェア便でフィンランド航空でヘルシンキまで飛ぶことになりました。ヒースローまでの道中、3歳の息子は、気分はBritish Airwaysで盛り上がりまくっていたので、FinnAirという得たいの知れない航空会社を使うと分かる否や、大ブーイングを始める始末でしたが、新しい航空会社の飛行機に乗れることを諭すと、まあ何とか納得。

フィンランド航空は、青を基調とした機体に乗り込み、機内誌をぱらぱらとめくると、とてもオモシロいコトを発見したのです。なんと、ヨーロッパ以外の便では、フィンランド航空、ダントツに日本便へ力を入れているのです。下の写真で、赤が自前の便、青がコードシェア便なのですが、はるか彼方北欧の国がこれだけの日本の都市に飛行機を飛ばして生きているのです。その数、日本へ9都市!それも、日本以外は、ほとんどといって飛ばしていない。まさに、日本への1点バリ!



このあたりに、小国フィンランドらしい「選択と集中」をガツンと見せられたような気がします。第二の経済大国、そしてヨーロッパ諸国にあこがれる日本国民、そのあたりを見抜いて、日本便へ力を入れているように見えます。ヨーロッパへの航路は、北回りで入っていくのが最も近いため、JALでもフィンランドの上空をとおりながらヨーロッパ諸国へ着陸していくのです。そう、フィンランドは、航路におけるヨーロッパの玄関ということになるわけです。

日本からフィンランドへは9時間強、そこからたとえば、ロンドン・ヒースローは3時間、すなわち、合計12時間強。直行便だと12時間弱。つまり、フィンランド・ヘルシンキでトランジットをする必要はあるのですが、それ以外は、ほとんど時間を無駄にすることなく、ヨーロッパ諸国へ入っていけるのです。もちろん、フィンランド航空は、ヨーロッパ諸国へは、それこそ、網の目を張り巡らせたように大量に飛ばしています。まさに、トランジットで儲けるビジネスとでもいいましょうか。

ロンドンへ行くときも、疲れるのが最後の3時間。ちょうど7,8合目あたりが疲れてくるわけで、そんなちょうど良いタイミングで、一度、空港に降りたって見るというフィンランド航空でヨーロッパというのも案外悪くないかも知れない。実際、ロンドン-ヘルシンキ便では、イギリス観光を終えた日本人がザクザクと乗っていました。ちょうど関空便への乗り継ぎができるタイミングらしく、ひさびさに多くの関西弁を聴くことができました(笑)。

逆に、ヨーロッパ人の日本への旅行を促すことも考えているらしく、機内誌の特集は、なんと京都でした。最近の、体験型旅行のブームに乗っかるような形で、お寺にとまって、座禅を体験してみないか?とのことなのです。お寺の中には、アメリカ留学の経験のある英語がペラペラのお坊さんもいるらしく、そいうところだと、英語で禅を体験できるとか。西洋文化どっぷりのヨーロッパ人が、いきなりお寺で寝泊まりかつ禅を体験したら、それはそれはインパクトがあるかもしれない。




フィンランド航空の「選択と集中力」を見せてくれた機内誌でした。

おまけ:フィンエアの機内食

2009年8月18日火曜日

twitter始めました

幽霊状態だったtwitterアカウントでしたが、twitterを始めました。相当出遅れた感がありますが、どうぞよろしくお願いします。さて、どうやって使うのだろう、試していきましょう。私のtwitter、ブログの左側に貼っておきましたので、どうぞよろしくお願いします。

2年目はヒト×アントレを学ぶ~知的好奇心を満たす悦び

ロンドンビジネススクール生活2年目がそろそろ始動していきます。




2年目にとる科目もほぼほぼ、固まってきました。必修が多かった1年目に比べて、2年目は全て選択になるため、自分の興味のあるものだけをとることになり、ぐっとアカデミックもエキサイティングなものになりそうで、今からわくわくしています。

こうした知的好奇心が満たされていく喜びというのは、何事にも代え難いモノがあると思います。モノがありふれている時代には、やはりこうした知的好奇心欲を満たすことの喜び、悦び、歓びの重要性がこれから、ますます増えていくのではないかと予感します。

以前のブログのエントリで、「MBAの授業はエンターテイメントだ」と書きましたが、学びというのは、21世紀では、もちろん仕事に役に立つことはもちろんのこと、エンターテイメントであり、人生を彩る人間の根源的な行為なのではないかと改めて思うわけです。

さて、その2年目、私は、ヒト系と、アントレ(起業)系の科目を多くとることにしました。せっかくなので、とることができる上限の計10科目を消化していきます!

今まで、戦略コンサルティングをたくさんやってきた中で、ストラテジー系や、マーケティング系は一通りやってきたし教えてもいるので、いいかなという感じ。LBSの目玉であるファイナンス系は、自分の強みになり得ないことをよく自覚しているので、パス。

むしろ、ストラテジーやマーケティングのコンサルプロジェクトであっても、最後は、ヒトに行き着いてしまう事実に気付いてしまった以上、やはりヒト系をさらに深めていきたいと思うのです。

もうひとつの柱がアントレ系。こんなに2年目にアントレ系科目をとるとは、自分でもその心境の変化にびっくり。

とはいえ、白状すると、そんなに起業するプランは自分の人生には今のところないのだけれど、やはりアントレ魂のようなものは磨いておいておきたい、かつこの分野は、大企業中心のコンサルティングをしてきた自分としては、比較的未知の領域、かつ、ロンドンビジネススクールの名物授業が揃っているということで、2年目はアントレなのです。

やはり、ここはビジネススクール。そこで学ぶ科目はきわめてビジネスライク。やはり、それだけでは偏りが激しすぎるので、その辺は自分でバランスをとっていくことを自分に課そう。

2年目に履修予定の科目たち

ヒト系

Leading Teams and Organisations
ヒト系の基本。はずせないでしょう。

Managing Corporate Turnarounds
企業再生案件もけっこうやりました。そんなあたりを自分の中で整理しておこう。

Paths to Power
これは、面白そう、かつ超重要。組織における力についての考察。

Managing Change
変化をどうマネジメントするのか?9月の頭から集中講義がはじまります。

Negotiation & Bargaining
交渉力。組織行動系科目の王道です。


アントレ系

Financing the Entrepreneurial Business
唯一のファイナンス科目。資金調達のお話。ものすごい評判が良い授業とのこと。

New Venture Development
新しい企業を起す際のプロセスとチャレンジを知り、強力なビジネス・プランの書き方を知る

Managing the Growing Business
起業後、次なる成長を目指すときのチャレンジを知る。起業することと、それを大きくすることは違う。

The New Revolution: Social Entrepreneurship in the 21st Century表新しいタイプの起業~社会起業について学ぶ。

エコノミー系
World Economy: Problems and Prospects
世界経済の常識を押さえておこう。

書評:Disrupting Class: 教育×破壊的イノベーション

ミニ・コンがパソコンにとって変わられたように、新しい技術を取り入れた新興企業が、その業界のリーダーを駆逐していくストーリーは、枚挙に暇がありません。そのメカニズムを名著“イノベーションのジレンマ”で明らかにしたクリステンセンは、教育がまさにその状況にあることを“Disrupting Class(邦題:教育×破壊的イノベーション”で説いています。

彼の理論がここまで、爆発的に普及したのは、その理論が誰も批判することなく、傷つけることなく、明快な主張を展開していることにあると思うんです。というのは、リーダー企業が新興企業にやられてしまうのは、別にリーダー企業が怠惰だから、というわけではないと主張するのです。

いや、むしろ、リーダー企業は合理的できちんとした意志決定をしたが故に、新興企業に新しい技術で打ち負かされる、まさにそのジレンマを説いた。リーダー企業の立場を認めたからこそ、リーダー企業も受け入れられる理論となり、結果的に多くの産業、ビジネスリーダーに影響を与えるようになったわけです。

このあたりの手腕は、大いに勉強になります。そう、受け入れることで、相手を変えさせる、まるで武道の技のようなそんなしなやかさを感じさせるのです。

もちろん、この“イノベーションのジレンマ”の教育産業への適用本においても、このマジックは顕在で、前段では、従来の教育方法を大いにもちあげていきます。批判されることの多い教育業界にあっても、じつは平均スコアを見ると、努力の甲斐あって伸びていることが定量的に示されます。

しかし、現状の方法の延長線上、すなわち、持続的イノベーションでは、未来はなく、速かれ、遅かれ、破壊的イノベーションにとって変わられると言い切っています。

では、教育における破壊的イノベーションは何か?

クリステンセンは、コンピュータベースの学習、もっと端的にいうと、特にオンライン学習だというのです。この本では、そうした地殻変動がすでに起きていて、アメリカでは、着実にオンラインコースが増えていることを指摘しています。現在では、教育のコースの中で、現在は、1.5%がオンラインで提供されていて、これはこの3年間で倍増、そのスピードの加速度はどんどんついているというのです!



過去の破壊的イノベーションの普及パターンを外挿すると、2020年には、全コースのうち半分がオンラインになると予測しています。これは、びっくりさせられる数字です。そのときは、教育の風景は全く今からだと創造できない世界になっているのでしょう。ちょうど、10年前にYoutubeの出現を予測できなかったように。



London Business Schoolもウェブ的な技術や新しい技術におっこなびっくりです。授業はやはり王道をいく感じで、リアルなケースディスカッションが最適化されるように、教室、視聴覚設備が配備されています。あるディレクターと話したときは、「そういったものは取り入れたいけど、今はまだ」というようなニュアンス。最大のネックは、「教授がそういうのを取り入れるのに積極的ではない」とのこと。年代を考えてみればそれはそうかもしれない。

とはいえ、そうは言っても、速かれ遅かれ、それでは立ち後れてしまうことは明白なので、友人とこのテーマで、London Business Schoolをクライアントにコンサルティング/プロジェクトをやろうと話しています。

おっと、脱線しました。要は、学校の中でも比較的に変化に敏感なビジネス・スクールでさえ、この状況だということを伝えたかったのです。

そして、先日のブログで紹介し、私も関わらせてもらっているビジネス・ブレークスルー大学は、クリステンセンの言うところのコンピュータベースの学習を主体としていて、ああ、この大学がこれから、破壊的技術を持ち込んでいくんだと思うわけです。

2009年8月16日日曜日

AVENUE Q人形劇なのにR15指定

妻の友人がロンドンに来ていたので、ミュージカル「マンマ・ミーア」を見ようと、チケットを劇場に買いに行くも、一人83ポンドのしかないという。一番高い席でも、50ポンドくらいなのに、直前になると値上げするとは!プレミアムシートで、本来VIP用の席なんだと、ウソかホントか言っていましたが、まあ、さすが、夏休みのハイシーズンだけあって、強気な姿勢です。

そこで、レスタースクウェアのThe Half Price Ticket Boothで、何か面白いモノはないかと物色することに。このブースは、あやしげなダフ屋ではなく、公式なディスカウントチケットショップで、当日券ならば、半額もしくは割引でチケットが手に入るロンドン名物スポット。「マンマ・ミーア」「ライオン・キング」などの超人気ミュージカルは売っていないけど、「オペラ座の怪人」くらいだとチケットが売りに出されます。

そこで、買ったのが、「AVENUE Q」。どうやら、ニューヨークを舞台に若者ががんばっていくストーリーで、コメディだとか。セサミストリートの人形を作ったスタッフが参加しているらしい。ロンドンでも公演の延長が決まった人気ミュージカルになっているようなのです。ということで、見てきました。


なぜヒットしたのか?

一言でいうと、「大人向けなのにセサミストリートばりの人形劇」という“ズレ”に面白さがあると思うのです。なにしろ、演劇としては一番ハードルの高い、「中身は15歳以上が適する」演目に分類されているのですから、人形劇なのに。パペットと人間が同居している独特の世界観も面白い。パペット同士のベッドシーンも、「パペット=子供向け」といった、普通の発想では絶対出てきません。





そして、メッセージが、時代にマッチしているというか、そこを躊躇せずにずばっと言い切っているあたりが、かわいい人形とのギャップを生んで、新鮮さを醸成しているのです。

たとえば、

Everyone's a Little Bit Racist

とみんなで合唱したり、ときには、

The Internet Is For Porn

と騒いだり。

それから、人生の価値観に切り込むような歌もあるのです。

There's a fine, fine line between a lover and a friend
There's a fine, fine line between reality and pretend
there's a fine, fine line between what you wanted and what you got

そして、Purposeという曲では、

I don’t know how I know,But I’m gonna find my purpose.I don’t know where I’m gonna look,But I’m gonna find my purpose.

と歌い上げていくわけです。ニューヨークという舞台設定、若者の生き様、それを人形に託すことによって、生まれたのがAvenue Qというミュージカルでした。そして、そこにズレをつくること。予定調和をくずすことが、ヒットの鍵ではないかと、劇場の爆笑の渦の中で感じたのです。

2009年8月15日土曜日

Education 2.0~未来の教育

経営の世界で、企業の内部に潜む本質的な「競争力」を指摘したゲイリー・ハメルは、こう指摘しています。この半世紀であらゆるイノベーションが起き、生活が大きく様変わりした中で、経営そのものは、全くといって進化していない。

組織図があり、上司がいて、部下がいる。そんな指令系統の中で、企業活動は進んでいく。この構図は、この100年ほど全く変わっていない。だからこそ、そこにイノベーションのチャンスがあることをハメルを指摘しました。

前置きが長くなりましたが、経営と同じように、教育もそうなのではないかと最近思っているのです。「教育」と言った瞬間、どんな絵をイメージするでしょうか?

教室があり、そこに、先生がいて、何十人かの生徒がいる。



でも、このスタイルは、いつからのものでしょうか?江戸時代の寺子屋からはじまった方式は、いまでも全世界で使われています。日本でも、もちろん、この手の教育方法が主流です。大きな変化がないまま、何百年が流れているのです。驚くべきコトに!

しかし、です!仮に、教育の目的が、人のポテンシャルを最大化することだとしたら、その実現手段は、もっとさまざまであっていいはず。

たとえば、移動が目的だとしたら、どのような手段があるでしょうか?昔の人は、それこそ、歩行でしょう、もしくは、乗馬かもしれません。しかし、技術の進化によって、鉄道が出てきました。

さらに、自動車、飛行機など、さまざま移動手段が出てきて、世界は劇的に様変わりをしました。そう、今や、移動の手段は多様です。そして、格段に早く、便利に、移動ができるようになりました。

もし、教育が、歩行の段階、もしくは、乗馬の段階で停滞しているとしたら、それは私たちにとって、それこそ、ぞっとするほど、莫大な損失なのではないでしょうか。もちろん、教室・先生/生徒モデルにも、そこでは、様々なカリキュラムの改訂や教授法の進化はありますが、それは、電車がより速くなるという「改善」の領域を出ません。

じつは、難しく考えなくても、学びの手段は様々で、その変化の萌芽があちらこちらで見ることができるんです。

たとえば、こないだ、日本にいたときは,日経アソシエで勉強会特集をしていました。会社の始業前に朝食会と称して、ビジネスパーソンが集まるのです。先生が教えるというよりは、教え会うという今までと違うスタイルは、最近の日本における勉強会ブームに見ることができます。

旅をしながら学んで行く。そんなスタイルもあります。Go Learn Toのサイト、Golearnto.comに行けば、語学、スポーツ、趣味を旅行して学ぶ、体験型ツアーをたくさん選ぶことができます。まさに体験型の学びです。

また、前回のBlastbeatという社会事業も、まさに体験型を通じて気づきを得ていくというモノ。高校生が、音楽イベントを企画、運営し、利益をだすことをつうじて、社会貢献、ビジネス、起業を肌感覚で感じるプログラムとのことです。

新しい技術、とりわけWebの登場も、無視できません。Web技術が可能にした、オンライン教育の可能性についても、触れないわけにはいきません!

ここイギリスでは、ロンドン大学のExternal System、Open Universityが何万人規模という形で、遠隔教育プログラムを提供しています。アメリカでは、フェニックス大学や
カプラン大学がeラーニングの大学としては、大きく、どんどんその受講生は増えています。

日本では、大前研一氏のビジネス・ブレークスルーが、AirCampusというプラットフォームを使用して、オンライン教育を展開しています。そして、来年の4月には、世界のどこでも通用するグローバル・リーダーの輩出を目指す、ビジネス・ブレークスルー大学を開学します。

じつは、今回、縁があって、このビジネス・ブレークスルー大学開学の準備をお手伝いさせていただいています。将来の教育の風景を変えるプロジェクトに携わることが出来きることに感謝。

そう、まさに、今は、Education2.0が動き出す、そんな時期だと予感します。