2009年8月23日日曜日

気まぐれエストニア考



スーパーに行くと、その国のことがよく分かります。タリンでよく見かけた大型スーパーRIMEが僕らの生活グッズ仕入れ先。ホームセンターのような簡素なつくり、そう、天井は剥きだしで、そして食料品が並ぶというスタイル。価格はどうでしょう、おそらく日本の2~3割安いといったところでしょうか。

一人当りGDPにしたら、日本の三分の一くらいですが、その割りには日本とあまり変わらないというのが実感です。乳製品が充実していて、写真は、すべてヨーグルトなのです。牛乳パックにもヨーグルトが入っているのです。

あまり期待せずに、食べ始めたので、一口に入れた瞬間、その濃厚さに直撃されました。おいしいのです。以前、ブルガリアの友人が、日本のブルガリアヨーグルトは、「うすい」と言っていましたが、何となくその意味が分かったような気がするのです。日本のヨーグルトは、食べやすさを優先するあまり、ヨーグルト通には、「うすい」と感じられるということなのでしょう。


だいたいどこに行っても、現地通貨だけでなく、ユーロもOKです。というよりも、彼らも、ユーロでできれば、払ってほしいというのが本音なのではないでしょうか。

エストニアの失業率は、17%ほどで、スペインに次ぐくらいの高失業率な国なのです。5人に1人が仕事がないというのは、日本ではあまり考えられない状況だと思います。物乞いや、昼間からの酔っぱらいも見かけ、表向きの華やかなタリンの観光地とは裏腹に、台所事情はそれほど思わしくないというのが現状なのです。タリンの街を出る間際に、ある若者に呼ばれて、「50円ください」と直接言われ、エストニアという国の悩みをふとみた気がしたするのです。

ソ連邦解体以後、いまだロシア人が2割以上!いるにも関わらず、脱ソ連、脱ロシアを合い言葉に、資本主義の導入を加速化させて、堅調な成長を見せていたエストニア。その証拠にGDPも毎年10%近く成長、今年のはじめまでは失業率が5%ほどと、好業績な国のひとつだったはず。それが、この金融危機の煽りで、厳しい状況に立たされています。

だからこそ、現地通貨ではなくて、より丈夫なユーロで、払ってほしいというのがお店の本音なのではないかと思うのです。

EUメンバーの古株は、エストニアを「新参者があんなに成長して!」とうとましく思っていたのが、今はスランプで、「ほらみたことか」という感じでしょうか。また、脱ロシアを推進してきたエストニアは、ロシアとの関係も薄くなりつつあります。じつは、けっこう寂しい状況にエストニアは怒れているのではないでしょうか。
頼れるのは、バルト三国圏、そして、北欧の諸国。こうした国々としっかり連携した再生が必要になってきているように思います。 また、なんだかんだ言って、ロシア人が2割も国内に住んでいるのだから、ロシアとの関係見直しも今がチャンスでしょう。
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