2009年9月29日火曜日
中国人が名前を変える本当の理由はグローバル化
じつは、ロンドンビジネススクールはそれほど中国人が多いわけではないのですが、クラスメイトの名前をあげてみると:
ヘンリー、ウィリアム、ウィルソン、ソフィー、マイケル・・・・
これ、全員、中国人の名前です。これらの名前だけ聞くと、一体どこの国の人の名前かと思うのですが、そう、中国人がこう名乗るんです。
彼らは、親から授かった名前とは、全く異なる、もしくはかろうじて発音が似ていると思われる、ネイティブの名前、それもとびっきりポピュラーな名前にさくっと変えているということなのです。
個人的には、ヘンリーやウィリアムから勝手に日本人的に創造する顔のイメージとは、かけ離れた本人を見るつけ、一体なぜなんだろうかとふつふつと思うわけです。
しまいには、twkも何で名前を変えないのか、といわれるわけです。私の名前は、Tadahiroなので、そうだ、Heroがいい、そう言われるわけです。
これは、一体、なぜなんでしょうか?何人かにぶっちゃけて聞くと、どれも同じ答えが返ってきます。
それは、ずばり、「就職」のためなのです。
すなわち、中国人の本名はきわめて、発音がむずかしてくて、覚えにくい。また、表記と発音がとても異なる。たとえば、Xiaで、「シャ」と発音したり。
就職、転職の際、履歴書やカバーレターに、こうした複雑怪奇な名前を書いても、スキップされて、全く呼ばれなくなってしまうというのです。であるならば、それこそ、誰でも知っている、分かりやすい名前に改名してしまえ、ということらしいのです。
わかりやすさ。それが目的なために、マイケルだとか、そういった超シンプル、かつ誰もが知っている名前に振り子を振るわけですね。
でも、そこまで、極端にやらなくても、たとえば、表記が難しいならば、それを緩和したらどうだろう?たとえば、Xiaをシャと発音するのが難しいから、いっそのことShaと表記したらどうだろう?
そう提案すると、いやいや、Shaだと発音が全く違うから、ダメなんだという。このあたりの微妙な発音の変化は許せないみたい。
世界どこへ行っても会うことのできる中国人。彼らが生きていくための術、知恵、ノウハウが、シンプルネームへの改名へと駆り立てる、というわけです。やはり、物事は、シンプルが一番、ここでもシンプルの法則にのっているということでしょうか。
ウィンザー城の勇姿
それは、王の威厳、権力、権限を誇示する役割もあるのであって、その徹底ぶりは、合理性を越えているとしかいいようがない。室内は、写真禁止なので、ここにアップすることはできないのですが、何が何だか分からなくなるほどの迷宮、それも激しく絢爛な部屋の一群になっているのです。
そしてだからこそ、逆に、今のようなある程度合理性が求められる、資本主義をベースにしたこの現代社会においては、この手の傑出物は、もう生まれにくいだろうなあと思ってしまう。そう考えると、この資本主義というのは、人間の可能性にキャップをはめてしまっている面もあるのだろうとも思えてきます。
2009年9月27日日曜日
世界の小売りから学ぶ「何気ない斬新さ」
マクドナルドとコンビニの真ん中を狙ったポジショニング
この写真は、なにやさんでしょうか?
その答えは、セブンイレブンなのです。そう、スウェーデンのストックホルム中央駅付近によったセブンイレブンです。でも、レジがコンビニのように見えないところがミソ。レジ周りは、まるでマクドナルドのようなのです。コーラ、ポテト、サンドウィッチなどのセットメニューがずらりとならび、まさにマックお得意のやり方。一方で、店内はもちろん、所狭しと商品が並ぶコンビニそのもの。
まさに、日本のセブンイレブンとマクドナルドを足して2で割ったというよりは、がっちゃんこしました、という感じなのが斬新。何も全く新しいものを創造しているわけではないのですが、既存のモノを組み合わせる妙というか、そんなところが素敵です。日本では、小売りのカテゴリー、ジャンル、形態は、ここ何年も変わってないですが、こんなアイディアを見るにつけ、まだまだ小売りのイノベーションってありそうと予感するわけです。
コンビニとスーパーを同居させる
次は、このブログでもよく出てくる我が家近所の大型スーパーWaitrose。これも、何の変哲のない話しです。どういうことでしょか?
店の入り口をくぐり、右側にいくと、次の写真の光景が広がります。
そう、コンビニなのです。サンドウィッチ、弁当(寿司も売っている!まずいけど・・・)、小さめのスナック、などなどがところ狭しと並び、小さめのレジで顧客を待ち受けるわけです。
ところが、店の左側に入っていくと、こちらがメインなのですが、そう、まさに大型の食料品スーパーなのです。どこまでもどこまでも、食品が並んでいます。
話しとしては簡単で、食品スーパーの一角をコンビニっぽくした、ということなのです。そして、それ用のレジを別に仕立ててあるわけです。一角にあるコンビニはそもそも、食品スーパーとして入荷した商品を再編成しただけなので、そんなお金もかからないはずです。
とはいえ、そのインパクトは大きい。なんといっても,コンビニ的客層をスーパーの顧客に重ねて吸引できてしまうのですから。スーパーに行って、大量に買い物するまでもない、そんなニーズをこのちょっとした一角コンビニが拾っているといえます。
なんとも簡単即席ATMマシン
もうひとつ、このスーパーの話しを続けましょう。私がはじめて、このスーパーに買い物に行ったとき、レジでこう言われました。
店員: "Any Cash Back?"
私: (キャッシュを戻してくれる?ってこと?・・・・これはどういうことだ?)
と、私は混乱したわけです。
どういうことなのか?
タネあかしをすると、この店員は、人力ATMマシーンだったのです。そこで、「はい、20ポンドください」といえば、デビットカード決済する際、買い物代金に20ポンド上乗せしてくれ、そして20ポンドのキャッシュをレジから取り出して渡してくれるのです。
はたからみたら、なんであの人は買い物をしてお金を払わなければいけないはずなのに、お金をもらっているんだ?となるでしょう。
日本では、セブン銀行をはじめ、多くの設備投資をもとにコンビニATMが普及していますが、これは既存のインフラを最大限活用して、いとも簡単に人力ATMを実現したというわけです。
週に何度も買い物をする主婦などは、この仕組みさえあれば、もう本当のATMに行かなくてOK、ということになります。
2009年9月25日金曜日
格好良すぎるTOWER BRIDGE
ゴシック調の両塔をはさんだ悠然とした橋は、ロンドンの青い空に見事に溶け込んでいると同時に、その存在感を凛と私たちに誇示しているかのよう。誰もが、テムズ河のほとりで、しばしこの橋を醸し出す見事なハーモニーに見入っているのもうなずけます。
この橋を心ゆくまで楽しむならば、テムズ河沿岸にあるレストランで食事をしよう。ひとつオススメなのがDim-T。ここは、センスのよい店内で、点心を楽しむことができるのです。点心が西洋化しすぎているのはご愛嬌。夜は、ライトアップされたタワーブリッジを見つつ、ロマンチックな雰囲気に包まれるのでしょう。
橋を渡れば、目前に迫る二つの塔を感じ取ることができます。そして、青と白の骨太な鉄橋を間近にみることで、ああ、この色のおかげでタワーブリッジは、ロンドンの青空を最高の背景にできるわけだと気付く。
そして、橋から見える風景は、ロンドンのモダンな近代的な建物と、歴史的な建物の双方を同時に俯瞰することができ、そのコントラストを楽しむことのできる最高の場所でもあります。
2009年9月20日日曜日
輝くためには(その1)
日本に先日帰国した折に、ひとつの勉強会を開催しました。そのテーマは、“一人一人が企業で輝くためには、どうしたらいいのだろうか”というもの。フィンランドを旅行してからというもの、このテーマで議論しなければいけない、そんな切迫感にも似た気持ちがこみ上げてきていたのです。
日本、アメリカ、イギリス、イタリア、フィンランド。この4カ国を一人当りGDP順に並べるとどうなるでしょうか?一人当りGDPとは、いってみれば、一人当りの産み出している富であり、豊かさの指数として使われます。勉強会でも、このクイズを出したのですが、じつは正確に答えられた方はいませんでした。そう、難しいのです。
2007年の最新の統計によると、1位がフィンランド(46,518ドル)。さすが、北欧パワーをみせつけられます。2位がイギリス(46,121ドル)。次はどこでしょうか?日本?いえいえ、次は、アメリカ(45,489ドル)。次は日本?イタリアよりは多いでしょう。いえいえ。次はイタリア(35,430ドル)で、最後が日本(34,326ドル)。参考までに次がスペインです。金融危機によって、為替等の多少の変化はあれど、ザッとこんな感じです。
みなさんのもっている感覚とこの順位は一致しているでしょうか?そう、先進国の中で、全然、豊かな方ではないことに気付かされるのです。
フィンランドはといえば、フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書、堀内 都喜子著)でも紹介されているように:
平均的なフィンランドの人々は夕方4時になると仕事を終えサッサと家に帰る。
土日は基本的に仕事をしない。
社会人でも夏休みは4週間以上とっている。
日本では「ゆとり教育」が問題になっているが、同国の学校の授業数は日本よりもはるかに少なく、塾もない。
一方、日本といえば、みなあくせく働いている割りには、年収300万時代、フリーター、ニート、減収減益、高齢化などといいニュースが聞こえてこない。
この差は一体何なのか?こんな勤勉でまじめな国民が、なぜ一人当りGDP低下の一途を辿っているのか?なぜ?そんな素朴な疑問がふつふつと浮かび上がるわけです。
この問題意識を持っていた折に、London Business SchoolのLynda Gratton教授の主張が目にとまったのです。彼女曰く、企業にHot Spot(アツイ場)をつくり、一人一人がGlow(輝く)環境をつくることが、今求められているというのです。
ここで紹介されているフランクとフレッドの逸話はとても面白い。英語は平易で分かりやすいので、ぜひどうぞ。
たしかに、今の日本では、Gratton教授がいうところの、Hot SpotやGlowできる環境というのは減ってきているのかもしれない。経済が成熟してしまい、プロジェクトX的な熱くなれる場所、燃えることのできる場所が減っているのかもしれない。
もしそうだとすると、輝くために、個々人ができること、企業ができることがあるというGratton教授の主張は、日本にとって、大きな意義をもつことになるような気がするのです。彼女は、壮大なことを主張しているわけではなく、ごくごく「そうだよね」と思えることを言っていますが、その内容はまた今度。(続く)
2009年9月19日土曜日
マーケティング理論が企業変革に使える本質
ターゲティング、セグメンテーション、ポジショニングや、各種のコミュニケーションなどは、行き着くところ、顧客に商品を買ってもらう、その行動をとってもらうため、といえるわけです。
企業変革はどうでしょうか?環境が変化して、企業のビジネスモデルを抜本的に変えなければいけない。そういう状況下で、社員には今までとは違うことをしてもらわないといけない。すなわち、社員が行動を変えていく必要があるわけです。
マーケティングもより多くの人を動かしたらカチ。企業変革も一部の社員だけが新しい戦略に即して行動を変えるだけでは全く話しにならなくて、全社一丸となった行動の変更が必要になってくるという意味でも本質は全く同じです。
という本質的な共通点に気付くと、マーケティングの考え方も企業の変革に大いに役に立つといえます。
British AirwaysのSimon Talling-Smith氏は、LBSでのスピーチで、まさにこの点について具体的に触れていました。彼は、イギリスのフラッグシップキャリアである巨艦British Airwaysで、“e化”を成功裏に進めた人物。
インターネットを通じたチケットの申し込み率100%というチャレンジングな目標を掲げ、官僚制の権化のような会社で、多くの抵抗に合いながらも、e化の取り組みを進めていきました。
そのときに、Simon Talling-Smith氏が肌身をもって感じたのが、マーケティングで有名な“イノベーションの理論”だというのです。
イノベーションの理論とは:
(http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/yougo/my02/my0219.htmlより)
イノベーター理論とは1962年に米・スタンフォード大学の社会学者、エベレット・M・ロジャース教授(Everett M. Rogers)が提唱したイノベーション普及に関する理論で、商品購入の態度を新商品購入の早い順に五つに分類したものです。
イノベーター(Innovators:革新者):
冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者):
流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。市場全体の13.5%。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者):
比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。ブリッジピープルとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者):
比較的懐疑的な人。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。フォロワーズとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
ラガード(Laggards:遅滞者):
最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。イノベーションが伝統になるまで採用しない。伝統主義者とも訳される。市場全体の16.0%。
イノベーションの理論で、アーリーアダプターを重視する考え方があります。というのも、彼らを取り込むことによって、そして彼らが商品に満足してくれたならば、彼らが他の消費者に影響力を行使して、さらに商品の普及が進むから。
Simon Talling-Smith氏が言うには、これはまさに変革するときにも忘れてはいけないというのです。
- 企業変革の際、社員の巻き込みは必須。そのときに、アーリーアダプターをまず巻き込め。アーリーアダプターを味方につけることができたら、彼らは周りの社員ももっと巻き込んでくれる
- ダメなのは、すでに変革を十分に理解してくれているイノベーターに働きかけてしまうこと。彼らと話すのは心地よいが、もうすでに理解してくれているのだから、働きかけるだけ労力のムダ
- もう一つ犯してしまう失敗は、抵抗してくる社員を説得するのに、必要以上に労力を割いてしまうケース。彼らは、イノベーション理論でいうところの、ラガードで、変革の初期のときに説得しようとしても難しい。
これは、重要なことを言っていますよね。まさにその通りで、コンサルティングの実際においても、一体だれを巻き込んでいくか、そしてそのシンパをどのように増やしていくか、これが肝だったりするわけです。
マーケティングも企業変革も「人」を扱うことには変わりはないということがよく分かります。MBA的な科目は、マーケティング、リーダーシップ、ファイナンス、などと縦割りで教えていきます。しかし、その科目たちの底流にある、有機的なつながりこそに、本来のマネジメントの本質があるように思います。そのつながりは、私たち自身が自分なりに抽出し、身につけていかなければいけない、そんな風に思います。
2009年9月14日月曜日
遠隔教育の老舗、Open Universityで若者急増中!
これは、e-learningが対面の教授法より勝るというのではなく、いろんな手段を駆使した方がいいよね、という話しです。
たとえば、移動する手段は、それこそ「徒歩」「自転車」「自動車」「新幹線」「飛行機」などと様々。
ここで、飛行機の方が新幹線より速いから飛行機の方が優れている、という議論がナンセンスであるように、どの教育手段が優れているかという議論はけっこう不毛で、むしろ、目的達成に向けて多様な手段を試してみる、ということに価値があるのではないかと思うのです。
そこで、このニュース。
Open University sees surge in younger students
http://www3.open.ac.uk/media/fullstory.aspx?id=16754
イギリスの遠隔教育の老舗でありかつパイオニアであるオープン大学で、若者の学生が急増しているというのです。これこそ、まさに、新しい教育方法が普及しつつあることの証左なのではないでしょうか。
オープン大学は、イギリスの国が支援している大学で、その生徒数はなんと20万人を越す大規模のもの。遠隔教育のメリットを生かして、働きながらの学生が7割ほど。
また、驚くことに、教育品質ももの凄く高い。高等教育品質機関(Quality Assurance Agency for Higher Education)からはExcellentと評価され、学生満足度でも過去2度も1位を取得しているほどのロイヤリティの高さ。
そして、ニュースというのは、18歳から21歳のフレッシュな大学生の入学が増えてきているのがトレンドで、とくに去年はそれが顕著で3割以上の上昇であったというのです。これはすごいことです。
もちろん、財務的なサポートがあるから、安くすむからオープン大学に来るというのはあります。また、リーマンショックによって職がないから、大学に流れているという話しも分かります。
しかし、だからといって、ここ最近の“上昇トレンド”を説明していることにはなりません。
私は、これはひとつの転換点を示す現象なのではないかと思っています。
私たちが大学というと、物理的なキャンパスに行って、学生と交流して、しゃべって、ときにははじけて、というのを想定しますが、じつはそういう世界観をもたない学生が増えてきている、その現象の現れ!ということです。
新しい価値観をもつ学生が出現して、新しい教育方法への受容性が高まってきています。
そういう視点でこのニュースは重要です。
2009年9月13日日曜日
ロンドン庭巡り;Hampton Court
ロンドンのウォータールー駅から鉄道で30分ほど行ったところに、この巨大な宮殿があります。すっかりとロンドンの「庭」にはまっているtwk一家の本日の行き先は、Hampton Court Palace。庭園巡りはまだまだ続きます!
もともとHampton Courtは、トマス・ウルジー枢機卿のものだったそうですが、時の国王ヘンリー八世がそのあまりの美しさに魅了し、そして嫉妬し、果てには彼から奪い取って、自分の住居にしてしまったほどのパレス。さて、そこまで人間を狂わせたHampton Court Palaceとはいかほどのものなのか。
宮殿。これは東側のファサード。
南側に広がるどでかい池、湖?
手入れの行き届いた小さな庭園がそこらかしこに。まさに庭園に囲まれた宮殿とはこのこと。
宮殿内の王室の寝室-ではなく、着替えの間。
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欲しいモノを何としても手に入れる人間の欲とはスゴイものです。
昔、「欲しいと思って手に入らないモノはない。手に入らないのは、本当に欲しいと思ってないからだ」と聞いたがありますが、人間の欲のパワーに改めて恐れ入るともに、我々もこのパワーと上手に付き合って、豊かな人生を築いていきたいですね。
ディケンズは、庶民のヒーロー
<ディケンズの家の入り口。>
日本でも「クリスマスキャロル」などの著作で有名なディケンズの住んでいた家が近所にあります。普通の住居と見分けがつかないくらい、看板のなければ、道標もないけれど、よく見ると、「ディケンズの家」と書いてある。他人の家ではないだろうな、とおそるおそる思いながら、ベルを鳴らすと、ドアが開き、通路の奥に小さなディケンズストアを見ることで、「ああ、ここでよかったんだ」と思うわけです。
さて、このディケンズ氏は、1800年代の産業革命とともに、大衆から支持されて、一世風靡した作家です。じつは、その理由は、もちろん、その作風が庶民の心を掴んでいたというのもあると思いますが、ディケンズ氏そのものヒーローストーリーによるところも多いと思います。すなわち、作者力とでもいうのか、そのディケンズの経歴そのものが浮き沈みが激しく、彼が紡ぎ出すストーリーに鮮やかさを添えていると、そんな風に思うんです。
ディケンズは、もともとは、中流階級の生まれですが、父親のビジネスの失敗により、どんどんと生活は困窮していくわけです。ディケンズの家で見ることができるショートビデオでも紹介されますが、家を転々とし、その度に家の広さが狭くなっていく。しまいには、借金の背負いすぎで、父親は罪に問われ家族で牢獄生活をするというところまで落ちるわけです。ディケンズは、その少年時代をロンドンの裏路地で、街の闇を見ながら過ごしていくわけです。
そんなディケンズも、新聞記者として活躍し、そして小説を執筆することで、イギリスの表舞台に返り咲いていく様は、当時の一般大衆、庶民には大きな励みになったのではないかと思うわけです。もちろん、地獄を見た経験から大衆生活を見事に描き出したコンテンツ力もすごかったと思いますが、ディケンズ自身がある意味で大衆のヒーローであったのではないかと思います。
<ディケンズの家。地下の書庫>
ブレークしているモノには、そのモノ自体がもっているコンテンツ力に加えて、そのコンテンツ力を増幅させるストーリーが伴っていることが実に多いものです。
王立植物園で楽しむロンドン休日
もともとは、テュークスベリーのケープル卿の庭だそうで、庭にしては広すぎる100ヘクタール以上(東京ドーム25個くらい?)。その後、いろいろな顛末を経ながら、国立の植物園へとなっていったようです。
植物園とはいえ、ちゃんとした研究施設でもあり、植民地からもってきた植物の研究、それらの品種改良をせっせとやっていたのがここ。そう、やはり大英帝国だけのことあって、世界中を制覇して、世界中から植物をとってきて、それを最高の技術でもって、この庭に植えまくったのがキューガーデンというわけです。
その伝統を大英博物館と同じく、今でもきちんと引き継ぎ、それこそ莫大な数の植物と花を楽しむことができます。 ユネスコ世界遺産。
