2009年3月8日日曜日

なぜMBAプログラムの低年齢化が進むのか?

世界的な潮流として、MBAのようなマネジメント関連の学位プログラムの低年齢化が進んでいるのはなぜなのでしょうか?

このトレンドに乗っかる形で、今年の8月からLBSでは、職歴がほとんどない人向けの1年のマネジメント-Masters in Management を教える修士プログラムが立ち上がる予定で、そのプログラム責任者と話したのですが、どうやら二つのタイプの人種が、こうしたプログラムにアプライしているようです。

ひとつは、ビジネス以外の分野で勉強をしてきていて、その領域が好きだけど、ビジネススキルが不足しているため、専門分野をビジネスに生かせないと思っているセグメント。たとえば、経済、工学、政治、芸術、スポーツ、解剖などを今まで専攻してきた人で、その専門性を生かして、ビジネスキャリアを気づいていきたい人。

おそらく、今までは、ビジネススキルなんぞは、まずは会社にさっさと入ってから磨くべし、という考え方だったのでしょうが、いやいや、それじゃあ、キャリアの成功はおぼつかない、一度ビジネスの基礎をしっかりたたき込んでから、社会に出たいと思っているということでしょう。応募者の半分以上がこのパターンのようです。

もうひとつのセグメントは、昔からビジネスの世界で生きていこうと思っているのだけど、大学の授業があまりのも学問的、そして、ローカル(自国中心)すぎて、こんなんじゃ実際のビジネスでは使えん、と失望してしまっている人。たとえば、よくBusiness Administrationという専攻がありますが、多くはアカデミアに偏っているようで、そこに危機感を感じる大学生が応募してくるそうです。

この二つのセグメントから見て取れることは、「私は何もビジネス分かりません、0から会社で鍛えてください」という態度ではなく、キャリアにおいてスタートダッシュを切りたいという強いニーズが垣間見えてきます。LBSのMasters in Managementでは、そうしたニーズに対して、PracticalとInternationalityを訴求ポイントにしているようです。チャレンジは、実務経験がない人にどう”Practical”なビジネスを教えるか、ということで、それ相応の工夫が必要です。

さて、それが良いか悪いかは別にして、このような潮流がfundamentalなものだとして、やがては日本にも及んでくるとすると、どこかのタイミングでこの手のビジネスに参入すれば、大きく化ける可能性がある。

たとえば、理系の学生の多くは、実際理系のキャリアをそのまま続けないケースも多く、理系の大学院を出て、銀行、商社、コンサル、マーケターというのは普通にあります(実際、私もその口です)。そして多くの人が理系の大学院に「なんとなく」進学する。つまり、あまり強い欲求に支えられている選択ではなく、将来理系的なキャリアに進まないことが分かっているならば、理系の大学院に進むより、マネジメント専攻の大学院に少し通うという選択も十分に考えられそうです。

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