じつは、経済的に豊かなだけでなく、僕ら日本人が持ち合わせていない”本当の豊かさ”を体現しているんだと改めて実感しました。昨日1日見聞きしたことをもとに、そんなフィンランド人の生活について迫りたいと思います。
ヘルシンキ沖のクルーズを楽しんでいると、入り組んだ海岸線や、小島のあちらこちらで、別荘のような邸宅が散見されました。家同士が密集していることもなく、豊な緑の中に、海を面するかのように居を構えているのです。邸宅によっては、プライベートボートが寄せ付けてあります。
ところが、これ、フィンランド人の普段の住まいというのです。現地の人に聞いてみると、それも別に富裕層の住居ではなく、ごく一般の人もこうした住まいをもっているというのです。住居の陸側には、バスが運行していて、街まで10分から15分でいくことができて、通勤も快適というではないですか。
ヘルシンキの人口も大きくなってきていて、こうしたタイプの住居が足りなくなってきているようで、政府も手をうっているようです。都市部の港湾をすこし郊外側に移し、そこの土地を住居地域に変える計画を推し進めています。
それだけではありません。フィンランドの家族は、だいたいサマーコテージをもっているというではないですか。いわゆる「別荘」です。
フィンランドは、国土面積は日本とほぼ同じ、だけど人口は500万人ぽっち。だから、一人あたりの土地がべらぼうにあることがよくわかります。人口密度でいえば、日本の5%くらい。
そんな贅沢な土地を利用して、とくに湖や自然が豊かなより北の地域に、そのサマーコテージとやらをもっているわけです。毎年夏になると、家族でサマーコテージに移り、涼しげな夏を過ごすことになります。もちろん、学校の夏休みも長く、11週間まるまる休みだそうです。
ちょうどこの時期は、夏休みの真っ最中、さらに夏至のお祭りということで、みんな一斉に北方に民族大移動をしたあとで、街はなんというか、もぬけの殻というか、そんな感じがします。
フィンランドの日常生活に欠かせないのが、サウナ。500万人の人口に対して、サウナは200万!もあるそうで、彼らの熱狂的なサウナ好きを垣間見ることができます。アパートには、必ず1個はサウナはあるというし、もちろん別荘にはサウナがついています。
冬の極寒、マイナス二〇度!の中でも、湖に裸でチャポンと飛び込み、その後「寒い寒い」と良いながら、サウナに飛び込むのがなんともいいのだとか。日本の露天風呂のようなもんでしょうか。
森と湖の国と言われるフィンランドの名に恥じることなく、自然と共生している日常生活なんだなあと実感しています。それでいて、世界トップレベルのGDPを実現しているわけですから、それこそ二一世紀的なライフスタイルの秘訣をこの国はもっているようです。
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