2009年8月16日日曜日

AVENUE Q人形劇なのにR15指定

妻の友人がロンドンに来ていたので、ミュージカル「マンマ・ミーア」を見ようと、チケットを劇場に買いに行くも、一人83ポンドのしかないという。一番高い席でも、50ポンドくらいなのに、直前になると値上げするとは!プレミアムシートで、本来VIP用の席なんだと、ウソかホントか言っていましたが、まあ、さすが、夏休みのハイシーズンだけあって、強気な姿勢です。

そこで、レスタースクウェアのThe Half Price Ticket Boothで、何か面白いモノはないかと物色することに。このブースは、あやしげなダフ屋ではなく、公式なディスカウントチケットショップで、当日券ならば、半額もしくは割引でチケットが手に入るロンドン名物スポット。「マンマ・ミーア」「ライオン・キング」などの超人気ミュージカルは売っていないけど、「オペラ座の怪人」くらいだとチケットが売りに出されます。

そこで、買ったのが、「AVENUE Q」。どうやら、ニューヨークを舞台に若者ががんばっていくストーリーで、コメディだとか。セサミストリートの人形を作ったスタッフが参加しているらしい。ロンドンでも公演の延長が決まった人気ミュージカルになっているようなのです。ということで、見てきました。


なぜヒットしたのか?

一言でいうと、「大人向けなのにセサミストリートばりの人形劇」という“ズレ”に面白さがあると思うのです。なにしろ、演劇としては一番ハードルの高い、「中身は15歳以上が適する」演目に分類されているのですから、人形劇なのに。パペットと人間が同居している独特の世界観も面白い。パペット同士のベッドシーンも、「パペット=子供向け」といった、普通の発想では絶対出てきません。





そして、メッセージが、時代にマッチしているというか、そこを躊躇せずにずばっと言い切っているあたりが、かわいい人形とのギャップを生んで、新鮮さを醸成しているのです。

たとえば、

Everyone's a Little Bit Racist

とみんなで合唱したり、ときには、

The Internet Is For Porn

と騒いだり。

それから、人生の価値観に切り込むような歌もあるのです。

There's a fine, fine line between a lover and a friend
There's a fine, fine line between reality and pretend
there's a fine, fine line between what you wanted and what you got

そして、Purposeという曲では、

I don’t know how I know,But I’m gonna find my purpose.I don’t know where I’m gonna look,But I’m gonna find my purpose.

と歌い上げていくわけです。ニューヨークという舞台設定、若者の生き様、それを人形に託すことによって、生まれたのがAvenue Qというミュージカルでした。そして、そこにズレをつくること。予定調和をくずすことが、ヒットの鍵ではないかと、劇場の爆笑の渦の中で感じたのです。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

イギリスへ来て約1か月経ち、こちらへ来る前は、日本で参考にさせていただいたブログの一つになります。
写真つきで具体的な説明もあり、ブログを楽しんでいます。
夫の留学にともない、私も一緒に渡英したのですが、慣れないこともあり、生活に苦労しています。
ミュージカルは大好きで、以前にマンマミーアをみたことがあるので、オペラ座の怪人を観にいってみたい所でした。
格安チケットゲットできるようにチェックしに行きたいと思います。

twk さんのコメント...

コメントいただきありがとうございました。

慣れないと苦労がありますよね。しばらくすると、結構住みやすい街になってくると思いますよ。ただ、これからの季節は冬なので、そこがイヤなところですね。

オペラ座の怪人は、レスタースクウェアのハーフプライスチケットブースで、3割引くらいでよく販売しています。運がいいと、直前に放出されたいい席が手に入ることもあります。