2008年9月22日月曜日

戦略コンサルティングファームの入り方

ビジネス・スクール卒業生の一大就職先のひとつが、コンサルティング・ファームです。そのニーズに応えるためのアンチョコ本がたくさん出回っていることに驚かされます。どうやったらコンサルティング会社に入れるのか?どういう風に選考過程が進むのか?インタビューではどんなことを聞かれるのか?などなどが書いてあるいわゆるマニュアル本が整備されているのです。学校のポータルサイトのキャリア関連を少し探すと、こうしたものがたくさん出てきます。まあ、やはり就職斡旋機関としての実践的な価値なのでしょう。

コンサルティング会社の面接の一大特徴は、なんでしょうか?それは、ケースインタビューと言われています。ケースインタビューとはなんでしょうか?ある架空の会社のある状況を想定して、「あなたならどう考えますか?」と即答するというなかなかやっかいなインタビュー形式のことを指します。たとえば、こんな感じです。今手元に、コンサルティング志望の友人にもらった「The Consulting Club CaseBook 2008」には、こんな質問があります。

"ある会社が宝石を製造しています。この会社は現在、ファッションリテイルビジネスへの参入を検討しています。あなたなら、この参入を推奨しますか?"
"ある会社のCEOが工場の生産キャパを増やそうと考えています。現在のシンガポール工場を拡張するか、新たにマレーシアに工場を建設するかを検討しています。あなたならどちらを提案しますか?"

などなど。こうした質問に的確に答えられるように、コンサルティング志望者は、Crack the caseといって、今からこうしたケースをガンガンと練習するわけです。学校からも、こうしたケースインタビューが練習できる場が提供されるようですね。

私は出身がコンサルティング会社ということもあって、最近どうやったらコンサルティング会社に入れるの?と聞かれたり、学生同士のケースインタビューの練習会に出たりしているのですが、そのときには次の2点を言うことにしています。

1. Caseの練習も大事だけど、Fitも大事!

みんなCaseの練習に勢力をつぎ込むんだけど、自分がコンサルに向いているか/向いていないかもものすごく大事で、それをきちんとアピールした方がいいということ。
実際、私もルクルーティングの面接をしていて、45分の時間があるうち、半分は、この人はコンサルティングに向いているかどうか、要はFitを見ているように思います。面接によっては、ケースインタビューをしない場合もあったりします。
コンサルティングはある意味特殊な業界で、他人の成功が自分の成功。クライアントが成功して、大きく利益を上げたからと言って、自分が儲かるわけでもない。ボーナスが劇的に増えるわけでもないわけです。クライアントのために徹夜しなければならないときもある。他人を助けること自体が楽しいと思える人でないと、モチベーションが持続しません。
そういった意味で、クライアントの成功のために(自分のためでなくて)、がんばれる価値観は、マストだと思います。

2. Caseでは、全体像を把握した上で、ディテールの議論をせよ!

さて、ケースのこつは、「全体像を把握した上で、ディテールの議論ができること」、でしょう。全体の問題の構造をしゃべった上で、そのひとつひとつの要素についてしゃべっていく、そんなスタイルをコンサルタントは好きです。

たとえば、簡単な例でいえば、インターネットのユーザーの議論をするときにでも、「まず、マーケット全体は、○○万人いて、××%で成長中。インターネットユーザ-は、光ユーザー、ADSLユーザー、アナログ回線ユーザー、その他に分類できて、それぞれのセグメントの大きさと成長率は、しかじかで・・・・」という議論展開を好みます。

全体像を見失う人が実に多い!しゃべってる最中に、細かいことにこだわりすぎて、どんどん質問の内容も忘れ、しゃべっていってしまう。自分は、その問題をこういう風に俯瞰します!という全体像を常に忘れてはいけないと思います。一方、ディテールをきちんとしゃべられるということ。常に抽象的な議論に終始してしまう人もたまにいるのですが、具体的なアイディアなり提案をきっちりとしゃべれないといけないと思います。

全体像とディテールをいったりきたりしながら、アイディアを柔軟に進化させられればばっちりですね!

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