2009年5月9日土曜日

B-Schoolは、リーダー“教育”というよりリーダー“支援”

ビジネススクールは、リーダーを育成するのが役目と標榜していますが、実際のところどうなのでしょうか?私は、LBSの経験から、ビジネススクールの役目は、“リーダー教育”というよりは、むしろ、“リーダー支援”だなと最近思っています。

リーダーに成りたい人がビジネススクールに通い、リーダーが育成されるのではないという、なんだか当たり前の話しなのですが、逆にリーダーとして活躍するためのリソースはいくらでもあるというのが、ビジネススクールだと思います。

そもそも、ビジネススクールへの選抜のプロセスを見れば明らかで、その選抜の最も重要なクライテリアが、「リーダーとしての素質」が挙げられています。最近のビジネスウィークの記事「Make Your Leadership Case for B-School Admission」でも、More than ever, business schools want applicants with leadership skillsとあります。

入学のためのエッセイでは、過去にどういうリーダーシップを発揮したか、ビジネススクールに入学したとしたらどういうリーダーシップを取りたいと考えているか、将来はどのようなビジネスリーダーになるか、を書くことで、アドミッションにリーダーシップポテンシャルがあることを示すことになります。

リーダーとして、こう活躍したい!だからこういう経験を磨きたい、こういうスキルを磨きたい、というのがないと、いくらでも漫然と過ごせるのがビジネススクール。一方で、たとえば、不動産界でリーダーを目指している私のクラスメイトは、「ロンドンビジネススクールは今までのところ、得たいと思っているものをすべて与えてくれているんだ」と言っています。

リーダー“支援”の具体的な中身はというと、次の4つです。そこから何を得るかは自分次第。これをどう活用するかは、自分次第。私も残りの期間をムダにしないように、自戒をこめてしっかりと日々を過ごしたいと思います。

1.アカデミックを通したスキル習得。戦略、マーケティング、組織行動、ファイナンス、などなどのビジネススキルの習得。

2.課外活動による関心領域の深掘。さまざまなクラブ活動をオーガナイズしたり、イベントを企画したりしながら、リーダーシップやチームワークを練習。

3.キャリア支援。リーダートラックにのるためのキャリアスキルの習得、ジョブ・ポジションの獲得

4.人的ネットワーク構築。いわゆる人脈の獲得。卒業生のネットワークへの生涯を通じたアクセス。クラスメイト、インターンシップのときの付き合い、教授陣とのコネクションなど。

リーダーに成りたい人がビジネススクールに通い、リーダーが育成されるのではなく、もともとリーダーのポテンシャルがある学生を選抜し、いくらかの武器をあたえて、またジョブマーケットに放出しているのが、ビジネススクール、と感じています。そういう意味で、ビジネススクールは、リーダー支援というわけです。

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