2008年11月23日日曜日

Case Competition

欧州のUndergraduates、MBAのリクルーティングのために、うちの会社の東京オフィスメンバーが、やってきました。私もロンドン丁度ロンドンにいるので、昨日の夜と今朝とインタビューなど、お手伝いをしました。こちらの学部生や他の学校のMBAと交流できたりしたのは、新鮮でなかなか楽しかったです。

その後、午後は、Case Competitionのための初会合のために、学校に移動。Case Competitionとは、ある会社の実際のケースにもとづいて、その会社への提言を3,4人のチームでまとめ、それらをチーム間で競うというものです。今回は、シンガポールのNUS Business Schoolが主催するCompetitionでBest World Internationalという、化粧品などをマルチ商法で販売するシンガポール企業への提案になります。Best World InternationalがこのCompetitionをスポンサーしています。

こうしたCompetitionはビジネス・スクールにはたくさんあります。こうした既存の企業への提案をするケースもあるし、ビジネスの起業プランを競うものもあるし、さまざまなものがありますので、学生は自分の趣向に合わせて、どれに参加するか選んでいくことになります。

こうしたCompetitionは、また世界に新しい友人を作り、とても良い機会だと思っています。今回のチームは、元気のいい中国系アメリカ人エド、ドイツとUSのハーフのトーマス、シンガポールのイーホン、そして私の4人。必修科目(Core科目)を一緒に取り組むStudy Groupと違ったメンバーと作業を進めるのも新鮮です。

一方、SponsorであるBest World Internationalにしてみれば、そんなに大きくないこの会社にとって、こうした企画をスポンサーすることによって、世界中のビジネススクールに通っている学生に名前が知り渡るのは大きな宣伝効果になります。また、何十チームと、スポンサー企業への提言を考えてもらえるわけですから、安いコンサルティングフィーだと思えば、とても費用対効果は高いモノでしょう。質の悪いコンサルティング会社を1社頼むよりも、はるかにいいかもしれません。

一方で、主催社であるNUS Business Schoolにとっても、NUSのロゴが入ったケースをみなが読みますから、これも、世界中のリーダー候補へNUSの名前をとどろかせるのにとても効果的なわけです。私も、このCompetitionの前には、この学校の名前をよく知らなかったことからも、認知をあげるという意味で、効果があるということでしょう。

さてこのケースの主人公である、Best World Internationalとは、こんな会社です。

Best World specializes in the development of health and wellness
products that are distributed through its proprietary direct selling
channels. Founded in 1990 to provide quality products to enhance
lives, Best World has since evolved into one of the leading
companies in the health and wellness industry. Today, Best World
has a healthy presence in Australia, Brunei, China, Hong Kong,
Indonesia, Malaysia, Taiwan, Thailand and Vietnam – even as it
continues to expand outside the Asia-Pacific region.

お題は、「今後のさらなるアジアマーケットの拡大に向けて、どのような打ち手を展開すればいいか?」です。どの国にエントリーして、どのような顧客に、どのような商品を、どのように届けるのか? 業界がMulti-Marketing(いわゆるマルチ商法)なだけに、通常のマーケティングに少しヒネリを加えて考える必要がありそうで、面白そうです。たとえば、この商売は、どうしても「うささんくささ」、社会的な許容度が大いに関係するので、その国の文化と大いに関係があったりするわけです。そんな視点も踏まえた上での提案が求められるます。どなたか、いいアイディアがありましたら、教えてください。Straight Forwardにマーケティングプランを書いてもつまらないので、競争のルールを変えるような提案をしようとハナシをしています。

このケースの中でビックリさせられるのが、日本のMulti-Marketing Businessのマーケットサイズ。アムウェイなどを輩出しているアメリカにおけるマーケットサイズは、29.5 Billion ドルなのに対して、なんと27.3 Billionドルもあるのです!!ほぼ、アメリカと変らない大きさが日本にはあるのです。その次は、ドーンと離れて、Koreaの8.03 Billionです。そして、Taiwan 1.56、Malaysia 1.26と続くわけです。はっきりいって、アジア=日本のようなものです。-この会社は日本には参入していません。日本への参入への是非は大きな論点になるでしょう。

ところで、SNSのようなネット上のネットワークを使って、販売できないかを考えたいと思います。そして、上記のようなビジネスは、どうしても高価で(だからこそ原価率を低くできて儲かるわけですが)、それ故にアッパーセグメント、30歳以上を狙うのが通例なのですが、ここはぐーっとプライシングを下げて、ネットと親和性の高い若い世代にも変えるような商品を投入して、SNSのネットワークに乗せて売ることはできないものでしょうか。マルチ商法のピラミッド階層を、ネット上で実現するようなイメージ。もう少し議論する必要がありそうです....

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