2008年11月4日火曜日

ダイヤモンドは永遠の輝き~人工的に生み出されたその価値~



よく見慣れているこのこの手のCM。ダイヤモンドにまつわる素朴な疑問をいくつか。


なぜダイヤモンドは希少なのか?

ダイヤモンドの流通の70%から80%を握るDe Beer社が供給量を制限しているからなのです。じつは、南アフリカに大量にダイヤモンド原石が眠っています。

なぜ値段が高いのか?

供給量が減れば、価格は上がります。経済学のシンプルな法則によるものです。

なぜダイヤモンドは永遠の輝きなのか?

DeBeer社がそうマーケティングしているから。古今東西を問わず、ダイヤモンドといえば、”Diamonds are forever”。

価格が下落するリスクとして、中古ダイヤモンド市場が生まれてしまうこと。これを防ぐには、ダイヤモンドを購入したならば、一生もってもらわなければいけないわけです。だから、Foreverなのです。だから、婚約者に売るのです。見事なマーケティング戦略です。


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じつは、このDe Deers社、今日の経済学のクラスで使用したケースです。経済学で学ぶ、あの大胆なセオリーを戦略に応用しているという意味で、とても面白いケースです。日本のような成熟社会に長くいると、どうしても競合からシェアをとろうとか、商品を改良しようとか、きわめてミクロな視点に陥りがちです。しかし、マーケットに働いているもっとマクロなメカニズムを使って、企業の経営戦略を立案していく視点がもっともっとあっていいのではないかと気づかせてくれます。

しかし、ダイヤモンド関連のビジネスにかかわっていた学生によると、De Beers社のこの壮大な仕組みも今の金融危機で、これまた危機に瀕しているとのことです。じつは、De Beer社が、複数のダイヤモンドサプライヤーに統制を利かせているわけなのですが、昨今のようにキャッシュが不足してくると、サプライヤーの中にはキャッシュほしさに統制を無視してダイヤモンドを市場に流すようになるわけです。そうすると、ダイヤモンドは一気に価格が下落し、希少で高価だから買うというダイヤモンドの価値が損なわれるというわけです。私たちは、ダイヤモンドの次に変わる、新しい「石」を見つけなければなりません!

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