2009年2月14日土曜日

あるチェコ人中年男性の吐露

我らのガイドをつとめてくれたチェコ人ガイド。

44歳、ガイド歴14年。30歳、ソ連邦の崩壊のときに職を失って、ガイドを始めたのだろう。30歳まで共産主義の中で育ち、そこから自由主義経済を10年以上経験したひとりのチェコ中年男性の本音を垣間見る。

オレはロシアは大嫌いだ。あの国はな、成り上がりと貧困層の二極化が激しいんだ。成り上がりは鼻にとまる。だいたい五つ星のホテルに行くと、成り上がりのロシア人に会うから、オレは絶対に五つ星には泊まらないんだ。三つ星だとロシア人に会わなくてすむから、いつも三つ星だ。

うちらはな、ウランをロシアに提供していたんだ、昔。でもロシアは、何の見返りもなく、やつらはそれをとっていったんだ。最近は、マフィアがロシアからチェコにきていて、プラハはマフィアが会う秘密の場所になってきている、知っているか?そうだ、日本人はアメリカに広島、長崎に爆弾を落とされたけど、何とも思わないのか、どうなんだそのあたりは?

ウクライナは、娼婦だらけ、エイズが蔓延だ。オレはガイドを14年もやっている、信用しろ。あそこは行くところじゃない、気を付けろ。みんな金目当てだ。馬鹿なアメリカ人がみんなだまされている。働きすぎて気づいたらまだ結婚してない中年アメリカ人が、だいたいはエイズにかかっている。教育もちゃんと受けているのになんで騙されるのかと不思議に思うよ。それで、一生を無駄にするんだ。もしウクライナに行くなら注意することだ。

でも、オレは、カネがあったら、アメリカに行きたい。アメリカは好きだ。アメリカは自由の国だ。このネクタイを見てくれよ。自由の女神の柄だ、ハハハ。オバマはいいヤツだ。オバマのことはどう思うんだ?まあ、オレは正直だ。そう、チェコ人はオープンで、何でも話すんだ。でもオレはヨーロピアンでもあるんだ。これはとてもいいことだ。


多くの歴史の渦に巻き込まれたチェコが故に、屈折した心理を持ち合わせているこのチェコ人。でも、確実に「脱ロ入欧」の意識が市民一般レベルまでに広がっているのをうかがい知ることができる。

0 件のコメント: