2009年12月21日月曜日

アイスランド人が語るアイスランド経済

今日は、アイスランドについて考えさせられた1日となりました。というのも、アイスランドの旦那さんとフランス人のカップルが3人の子ども!を連れて我が家に遊びにきてくれたからです。ロンドンとは国際都市といったものですが、本当に様々な国籍の人がいる。奥さんはフレンチですが、モーリシャス島のとなりにあるレユニオンの出身。じつに優しい方です。



私にとって、こうしたゲストと話すのが一番の世界経済の勉強になっています。その国の人話しをすることによって、日頃の乾いたニュースに彩りが添えられのです。彼らが本当はどう思っているのか、そんな素顔を垣間見ることで、経済の実態が少し見えてくるように思います。



日本人にとっても、2008年の金融危機では記憶に新しいアイスランド。アイスランドは、わずか30万人の人口で、国土は北海道と四国を足したくらいの実に小さな国。しかし、侮ってはいけない。金融危機以前は、一人当りGDPが8万ドルを超し、日本の実に2倍!世界でもトップ5に入る強さを誇っていたのでした。EUには加盟せず、独自の通貨クローナをもっていましたが、金融危機で一気にやられ、3つの銀行は全て崩壊、国の公的管理下に置かれました。



そもそも、なぜ一人当りGDPが高かったのか?

アイスランドの産業は、漁業と金融が主だとのこと。そして、漁業は相当に儲かっているのだそうです。金融に関しては、アイスランドの銀行はUKにもどんどん進出し、金利を高めに設定して、お金を集めまくっていたそうです。そのお金をどんどんまた融資していく。



そして、とにかく浮かれていた!

景気がいいときには、それでいいのですが、アイスランド人曰く、「それが長続きするわけがなかった」とのこと。なにしろ、貸し出しが相当ずさんになっていた模様。アイスランドは狭い国土、そして、みんな知り合い。だから、きちんとした審査もろくにせずにどんどん集まったお金を使って融資、投資しまくっていたらしいのです。



この世の春を謳歌していた頃は、アイスランド人はみんないい思いをしていたとのこと。会社の経費を使って、色々と楽しいことをやれたのだそうだ。まあ、バブル期の日本と似たようなものなのでしょうね。


EU加盟に一気に動いている!

危機をへて、今は一気にEU加盟に動いているそうだ。歴史的に、アイスランドはいつもEUとロシアの間にいて、どっちつかずの態度をとって、両者をもてあそんでいたそうだ。今回の金融危機の際も、ヨーロッパ勢ではなく、ロシアが4000億ほど融資するというニュースを覚えている方もいると思います。ヨーロッパが助けてくれるのなら、ロシアがいるもんね、という感覚。ところが、結局、ロシアは救済策を言い出したものの、結局お金を出してくれなかった!んだそうです。そうだったんだ。



でもって、やはり頼れるのはEUということで、一気に加盟申請に傾き、すでに加盟申請手続き中という変わり身の早さには脱帽です。それだけ、ショックが大きかったということでしょう。そうとなると、話しは早い。アイスランド人曰く、「すでに多くの経済活動がEUに組み込まれている」そうで、もともとヨーロッパに根を根ざしているということを主張していました。



でも様々な障壁が立ちはだかる

とはいえ、やはりEUへの反対も根強いようです。とくに、北欧諸国から独立した経緯があるアイスランドにとって「その独立心!を失うのか!」的なノリがあるらしく、ここを克服しなければいけないらしいのです。もうひとつ、彼が言っていたのは、漁業権がどのような影響を受けるか不透明なので、この点について多くの国民が疑心暗鬼になっているとのこと。



彼自身は、フランスに4年、イギリスに8年住み、海外生活が長く、もうアイスランドに戻る予定はないようです。アイスランドは今後、どうなるでしょうか。やはり30万の小国が単体で、この不安定な金融の世界を生き延びるのは不可能と証明されてしまった以上、EUには加盟すべきでしょう。でもアイスランド政府も気付いているように、早く動かないと、喉元通ればなんとかというように、危機の痛みを忘れてしまうと、独立熱がメジャーになりかねないと思います。