2009年9月1日火曜日

リチャード・ジョリーの「企業変革八つの真実」

リチャード・ジョリーは、ロンドンビジネススクールでリーダーシップ・組織系の授業で教鞭をとる一方で、Stokes and Jollyという組織系のコンサルティングファームを経営。今とっている、Managing Changeもリチャード・ジョリー氏で、テンポのいい授業で飽きさせません。

そんな彼が提唱する「企業変革8つの真実」とは?どれも、どこかで見聞きしたモノなので、なんだと思うかも知れません。しかし、この手のリストは、それを8つという形でまとめたところにその価値があると思います。

真実1:成功は慣性を生む
いわゆる、成功の復讐に気を付けよ、というものですが、やはり組織の慣性というのは、いつでもどこでも恐ろしいものですね。うまくいっているときはいいけれど、環境の変化と整合しなくなった途端、恐ろしいことに。

真実2:ビジョンは、変化を引き起こさない
将来の青写真をつくればいいというわけじゃない。ひとりひとりに訴えかける、アンビションでなければいけないというもの。

真実3:変革には、恐怖と希望の両方必要
組織は、いつだって安定をもとめるもの。ある種の均衡状態に陥ってしまうのですが、変化が必要のときは、それを打ち破る必要があります。その時のドライバーが、将来への良い状態に対する希望と、それをしなかったときの恐怖の二つ。このバランスを絶妙にとる必要がある。いわゆる、アメとムチ

真実4:マインドセットは変えない限り変われない
もし、企業が安定状態にあるのなら、一度、ガツンと組織を揺さぶることをしてから、移行し、新しい状態を定着させよ。Unfreeze→Transition→Refreezeという手順をとらなければいけないというもの。

真実5:単にデータにもとづいて手をうったとしたら、いつだって手遅れ
そう、悪いという症状が顕在化してから、手を打つのは遅い!いつだって、業績が上方調子のときで、バラ色というときに警戒しなければならない。本当に悪化してから手を打つのは日産のようにかなりリスキー

真実6:人とプロセスは両方大事
人などのソフト系、プロセス・組織構造などのハード系は両方大事。多くの変革のケースで失敗するのは、どっちかに偏るから。これは、リーダーのキャラクターに多々依存してしまうから、自分がどういう性格かをよく分析した上で、この手の偏りをなくす努力をしなければいけない

真実7:いつだってコミュニケーション不足
コミュニケーションをしすぎることはあり得ない。Kaplan & Nortonの研究によれば、95%の従業員が、企業の戦略を理解していないのだから。95%が理解していないとは、驚きの数値。人は、しゃべるのは得意だけど、人の話を聞くのは苦手。とくに、シニアのポジションになればなるほど、人の話に耳を傾けるのが難しくなる。自戒をこめて、頭にたたきこんでおこう

真実8:組織は、陶器屋ではない
陶器がズラリと並ぶ店のように、ガラス細工のように組織はもろくない。むしろ、有機的な生命体で、もし傷つけてしまったとしても回復する、そういうもの。これは、本当にそう思う。以前、人員削減のプロジェクトを経験した際、組織の回復の早さをまざまざと見せつけられ、組織って生きてるんだ、強いんだということを強く実感。組織はサバイブする。

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