今日のケースは、少し古いケースになりますが、日産のV字回復のケースを使って、トップダウンによる企業変革を学ぶというもの。1999年に破綻しかかっていた日産を救済するために、ルノーが資本を入れ、カルロス・ゴーン氏がCEOとしてやってきたのは、10年前とはいえ、多くの人にとって記憶に新しいのではないでしょうか。
そして、瞬く間にNissan Revival Plan (NRP)を掲げて、見事に目標達成したということで、今でも一定の評価を得るに至っています。
このケースの最大の学びは、この手のトップダウン型改革では
“就任前が命”
であるということです。ゴーンさんが、日産の就任前にやっていることを並べてみると:
1.人事権を含め一切の権力をもつことを条件にCEOになる
企業再生に請われてCEOになったけれど、ほとんど人事権もなく、ただ用意されたプラン通りに改革を実行しなくてはならず、結局失敗なんていうのは、よくあるパターンです。しかし、ここはゴーンさん、ぬかりなく、全権を掌握することを条件にCEO職を得ています。でなければ、迅速な意志決定、大胆な意志決定などできるわけがありません。
2.自動車メーカーにとっての要の研究開発と製造の現場に足を運んでいる
就任数ヶ月前に、現場に足を運んでいる。おそらく、すでに日産の問題をこの時点で把握していて、その検証のために、肌感覚を得るために、現場に足を運んでいる。就任前から、現場感のある解決策を頭の中に組み立てることが大事。でなければ、就任後3ヶ月で、NRPを発表できないことになります。
3.経営陣のキーポジション、ファイナンスと製造は外部の人材を登用する
日産は、ほぼ財務的に破綻。だからファイナンス、財務は超重要。ここは、グリップの聴かすことができる外部の人間を登用。また、工場閉鎖などの痛みが伴うことが想定される製造のトップも外部人材を登用して、情がわいてしまうことがないようにする配慮をしている。必要なところには、外部から経営陣とガツンと連れてくることがキモ。
ということは、この手のCEOは、就任前にあらかたの問題の在りかと処方の仕方が分かってなければならず、それにもとづいて、自分の権限、経営陣を決めていかなければいけないというのが、日産ケースの学びということになります。
2009年9月2日水曜日
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