2008年12月13日土曜日

転職エージェントとしてのBusiness School

ビジネススクールは、教育機関でありながら、じつはでっかい転職エージェントなのです。

多くの学生がキャリアチェンジのために学校にくると同時に、多くの企業、金融機関、コンサルティング会社が優秀な学生を採用していくわけで、ビジネススクールは、まさにAgentとして、機能しており、その価値がじつは大きいことに最近気づきつつあります。このあたりの位置づけは、日本のビジネススクールとかなり違うと思います。

今回は、私が今見えている範囲で、この転職エージェントとしての機能を簡単に書いておきたいと思います。

London Business Schoolにも、教育サービスを提供するFacultyとは別に、Career Servicesという組織があり、ここが主にキャリア支援サービスを提供することになります。キャリア志向のアセスメントからはじまり、どうやったらいいレジュメを書けるのか、どうやったらいいカバーレターをかけるのか、どうやったら効果的にインタビューに答えられか、などなど様々なワークショップが提供されます。ビジネススキルに加えて、ある意味で、「就職力」を鍛えることにもなっているのではないでしょうか。

また、LBSの学生の履歴書(CV)は、企業のリクルーターに公開されていて、リクルーターは自由に検索をかけることができます。そして、学生にコンタクトをとることも可能のようです。そして、LBSのポータルのCareer Centralの中には、Job Postingといって、さまざまな企業の求人情報がざーっとリストアップされており、興味のある学生はそれを見ながら、パートタイムや、フルタイムの仕事を見つけにいくことができるようになっています。

そして、そのCareer Centralからは、自由にキャリアコーチと面談を申し込むことができます。履歴書をレビューしてもらったり、インタビューの練習をしたり、使いたいように使えばいいのです。私の場合は、新しい仕事を探す必要がないので、あるキャリアコーチとひょんなことから仲良くなって、毎週1回くらい別枠で時間をとってもらって、英語力向上のために、ライティングレビューなどをしてもらっています。た

そういうわけでして、さながら転職エージェントになっているわけです。正直、「ここまでやるんだ」というのが正直な感想。そして、転職エージェントのような、転職させることにインセンティブが偏っていることもないので、比較的中立的な立ち位置でアドバイスをしているようにも思います。ただし、日本での転職を考える場合には、その支援領域は相当限られてきます。Career Serviceは日本語は分からないし、日本のジョブマーケットにも精通していません。あくまでも欧米がカバー対象です。

さて、毎週このCareer ServiceからはメールでNews Letterが届くのですが、そろそろ本腰を入れて準備しよう!というメッセージが入っていましたので、メールから少し抜粋してみます。来年1月からは、各企業がキャンパスにきて、リクルーティング活動がはじまります。

Preparing for Corporate Partner Week and On Campus Recruitment (OCR)

We wish you all a lovely Christmas break. In order to support you fully during term time, career Services takes our annual leave during your term breaks. The Career Services office will be losed from Wednesday 23 December until Monday 5 January 2009. Limited coaching sessions, including sessions with our Finance Executive in Residence Michael Lehmann, will be available next week.

It's important that you keep practising interview questions in preparation for On Campus Recruitment next term. For all upcoming interviews, remember you can link to InterviewStream over the holidays as long as you have a web cam. Video your own mock interview and practice answers to commonly asked questions via http://campus.interviewstream.com/login/?schoolid=46.

→クリスマス休暇に入るけど、インタビューなどぬかりなく練習してね、ということです。インタビューの練習は最低1回はFace to Faceのをこなさないと、Career Skillsという科目の単位を落とすことになります―私も今朝ひとつこなしてきました。英語でのセルフアピールをする練習になります。ビデオをとられて、フィードバック。後日DVDがもらえるそうです。

→あとは、PCでの練習を推奨しています。InterviewStreamは、パソコンでインタビューを練習するオンラインソフト。ある設定をすれば、想定質問を投げてくれる。webcamをつければ、録画し、繰り返しみることができて、ヒトと共有したりフィードバックをもらえたりというソフト。こんなのもあるんですね。

If you would like to have a coach review the video please arrange to meet with them through Career Central and email them the video that they will then offer feedback on during your meeting.

→インタビューをレビューしてもらいたかったら、キャリアコーチと早めにアポイントメントをとれと。

Also review sample interview and networking questions on your portal homepage. Christmas gatherings are the perfect environment to sharpen your technique and personal brand as well as your elevator pitch - a concise, carefully planned and well-practised description of yourself designed to be clearly understood in the time it would take to ride up an elevator.We hope all your questions about Corporate Partners week and OCR were answered at the presentation on Tuesday night. One clear takeaway from the panel was to be yourself, be natural when networking and ensure human connection. Make sure the impression you leave with them is that they would want to work with you on a daily basis.

→ネットワーキング(=コネづくり)もきわめて大事。これもぬかりなく。短い時間で、自分らしさを出して、印象づける練習をしなさい―これは難しい。

Just after OCR we will hold Cover Letter Review sessions - watch this newsletter for times and your Career Reps will also keep you informed. Sign up will be via career central.
Have good holidays; keep networking, researching companies and reading (including your skills development binder!), and return full of energy and enthusiasm for OCR and Corporate Partners week.

→カバーレターのレビューもやるので、準備しといてね。休み中にいろいろがんばってね、というニュアンスでしょうか。

学校側としても、卒業生の就職動向は、学校のレピュテーションに直結するので、結構気合いが入っている感じがします。日本人学生の多くが、社費であり、その会社に戻る場合が多いのですが、そういう学生も、基本的にこれらのものがすべて必須になっています。

ビジネススクールは、教育サービスも提供しているけれど、よく考えると学生にとっての関心事は、どういうキャリアに次に進めるかであり、こちらの方も相当大事。この転職エージェントとしての機能はきわめて大事になります。この機能とは、一言で言えば、「ハブ」です。そして、これからは就職難の時代に突入するわけですから、この機能が超重要になってくるのは容易に想像できます。

そうなってくると、これからのビジネススクールは、ますます二極化が進むのではないかと思っています。というのも、ヒト・企業が集まる学校には、さらにヒト・企業が集まっていき、逆に、少しでもヒト・企業が集まってこなくなると、さらに集まってこなくなるからです。不況のときはビジネススクールに学生が逃げてくると言うけれども、どの学校にも満遍なく逃げてくるのではなく、上位の学校に偏って学生が応募してくるだろうと想像できます。 ビジネススクールも生き残りをかけた戦いがはじまります。

0 件のコメント: