2008年10月29日水曜日

コンサル流スライドを書くコツ

コンサルティングのひとつの仕事に報告書というスライド書きがあります。最近は、プレゼンしておしまい、というプロジェクトも減ってきたので、相対的にスライドを書く重要性が薄れている昨今ですが、とはいえ、顧客にメッセージを伝える大事な手段であることは間違いがありません。

よく同僚と話していたのですが、よいスライドとは、「パッと力」のあること。そのスライドを見た瞬間に、パッと衝撃的にわかるというもの。

じつは、いいスライドを書くのは、コンサルタントにとってひとつの壁になります。簡単そうにみえて、奥が深く、はじめのうちは私もとても苦労したのを思い出します。

会社の同僚にスライドを書くときにどういうことに気をつけていますか?と聞かれたので、思いつくままに考えてみました。


1.スライドの「型」を覚える

要はスライドのパターンを覚えるということです。それは1枚のスライドの構成でもそうですし、ストーリーラインの型でもそうです。

実はこの「型」を知っていないと、いいスライドを作るのは難しいと思います。この「型」をたくさん覚えておくことで、必要に応じて「引き出し」てこれるようになります。ゼロベース思考に惑わされて、全部一から作ろうとすると大変です。

なので、いいスライドはすべて学びの対象です。深く考えず、丸ごと覚えておきましょう!そのとき、見るポイントは、どういう「型」を使っているか?です。そういう視点で他のプロジェクト、他のパートのスライドをどんどん見つめましょう。スライドの「型」をどんどん頭に蓄積させていく感じでしょうか。

2.スライドの縦と横の「意味」を明確にする

スライドは紙(もしくはスクリーン)ですので、結局2次元でしか表現できません。「縦」と「横」があるのですが、このそれぞれに明確な「意味」を持たせると、いいスライドができると思います。

田の字のスライドは、まさに明確に「縦」と「横」軸に意味をもたせています。これと同じで、他のパターンのスライドでも同じです。仮にテキストだけのスライドでもです。たとえば、スライドの左側に現状についての記述、右側に将来についての記述をしたとしたら、横軸は、時間軸なわけです。縦軸についても何らか意味をもたせるといいと思います。たとえば、それぞれのテキストを、ビジョン、戦略、アクションの順に書くとしたら、それは立派な軸になります。

スライドは2次元でしか表現できないので、スライド書きは、骨太な二つの軸を選ぶという作業といえるかもしれません。それ以上の次元のハナシを無理につめようとすると、わかりにくいスライドになってきます。

3.スライドのイメージで思考する

スライドのイメージを常にもって思考すると効率的です。仮にプロジェクトの初期段階であっても、スライドのストーリーライン、中身、構成についてイメージしておく。で、頭の中で(もちろん紙に書き出しておくと効果的です)、どんどん進化させていくわけです。

インタビューをしているとき、記事検索をしているとき、クライアントや社内でディスカッションをしているとき、どんなときでも、自分のスライドイメージのどこを改良できるのか、どのファクトがどのスライドにいかせるのかを考え続けましょう。

で、さあ実際にスライドを「書くぞ!」という段階には、だいたいもう頭の中にあるものを「はき出す」だけ、という状況がとても理想的です。時間の圧倒的な節約になると思います。

そして、一回書いたあとでも、一晩くらい寝かせて、またみてみると、さらに改良点がみつかると思います!一発で、いいスライドはかけません。色々と練り直して、進化させ続けていいものができます。

結局、コンサルのアウトプットのひとつがスライドなので、それベースに思考を合わせていくといいと思います。頭にスライドという「絵」を常に思い浮かべることになるので、右脳が鍛えられるとという副産物もあります。

0 件のコメント: