2009年1月12日月曜日

ほどよい罰則がいい? 理論と実践の狭間

Spring Term, Day 1

冬休みもあっという間に終わり、瞬く間に新学期がはじまりました。みなそれぞれ、母国に帰ったり、旅三昧であったりと思い思いの休みを満喫しているようでした。MBAの生活に慣れてきたこの頃から、学生の就職活動戦線もはじまり、何となく学内はせわしない空気も流れているように感じます。まさに学生と企業の出会いの舞台として、ビジネススクールが機能し出しています。

さて、新学期1発目の授業は、Managing Organisational Behaviour。

理論
その中で取り上げたれた理論が、Dissonance Theoryというもので、簡単に言ってしまえば、ヒトというのは、「思考」と「行動」に不協和が続く環境には絶対に耐えられないというもの。そうした不協和が芽生えたときには、何らかその不協和を解消する動きをするということです。ずっとイヤな感じに我慢ができないことが実証されているそうです。

たとえば、ナチスドイツのホロコーストにおいても、彼らは、「ヒトを殺したくない」が、命令に「殺さなければ行けない」という不協和を、内面に抱えるわけで、これでは長く続きしない。彼らはどうしたかというと、ユダヤ人をヒトとは思わないようにし、「ヒトを殺したくない」という思考自体をかえたわけ、という紹介がされました。

応用例

その応用例の紹介:

“子育てで、ある行動をやめさせるとき、叱りすぎるのはダメで、ほどほどがちょうどいい”

たとえば、子供が乱暴をするとき、あまりきつく叱りすぎると、恐怖心からその行動をやらなくなるだけ。ほどほどに叱ると、乱暴はダメという認知がうまれて、乱暴するときに不協和をうみ、その不協和を解消するために、乱暴をしなくなるというもの。

なるほど~。

実践:3歳児の子育て体験談
まるでその通りになりません。

私も今までいろいろ試してみましたが、ほどほどに叱ると、まず効き目がありません。ニヤニヤしながら、楽しそうに乱暴を続けです。こおそらく、叱りすぎることの弊害-親がみてるときだけ乱暴しない-は正しいでしょう。ただ、ホドホドに叱ったところで、乱暴が悪いという認知は生まれるとは思いません。これに関しては違う手を考えないといけません。

ことほど作用に理論と実践にはギャップがつきものです。

ビジネスでも同じでしょう。しかし、ギャップがあるからこそ、実践者としての工夫の余地や、改良のしがい、ノウハウの創出につながっていくわけで、このギャップこそに宝の山があると思うのです。

その昔、新しい在庫手法を考案したときも、理論と実際のギャップを埋める作業を進めた結果うまれたものでした。経営コンサルティングというのも、ある程度の理論を押さえた上で、ものすごい労力を使って現実解をひねり出していくわけで、ある種の理論と実践の架け橋役ともいえます。じつは、そのひねり出す努力から新しいコンセプトや考えが生まれてくることもしばしばです。

理論と実践にギャップがあるときは、じつはチャンスなのではないでしょうか。

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