2009年1月25日日曜日

大学のグローバル化とは?

今日はここロンドンの地で、母校の大学の集まりがありました。やはり母校は、母校。今日の参加者は、私は、誰一人として知らなかったのですが、母校というコミュニティを通じて、「昔」の思い出を暖めつつ、「新」たなネットワークが広がるのは素晴らしいことだと実感しました。学校というのは、いつだって、そうした新旧の交差点になってくれる素晴らしい存在であることを改めて気づかせてくれます。

次期総長の濱田副学長も参加されていました。現任の小宮山総長は、エネルギッシュな総長で、一番の功績は、学内関係者に「世界を意識させた」ということではないでしょうか。就任記者会見では、「世界一の大学」を標榜し、世界の有名大学と並ぶんだという決意を表明していたのを思い出します。その後、各種の出版物では、「世界の頂点を“目指す”大学」と、目指すならば誰でもできるじゃないか!という、少しヒヨった表現になってしまいましたが(笑)、新風を吹き込んだのは間違いないでしょう。

私がまだ工学系の大学院で勉強していたころは、私のいた飯塚研究室と小宮山研究室は、研究テーマが近く、ときどき合同研究会をやっていた関係で、私も研究内容を小宮山先生に見てもらったことがあったのですが、そのときの、威勢のいい、かけ声のようなコメントと批判を頂戴したことを思い出します。今となっては、その詳細な中身を思い出せないのですが。また、自身の著作(東大のこと、教えます―総長自ら語る!教育、経営、日本の未来…「課題解決一問一答」)では、これだけハードなのに給料は2000万円とコメントされたりと、衣着せぬ物言いがとても好きです。また、「グローバル」をキーワードに世界中の会議や、世界の大学の総長との交流も大事にしているように思います。

そして、今日お会いした次期濱田総長の話しを聞くと、その「グローバル化」の流れは踏襲するようです。というより、向き合わなければいけない必然の流れなのでしょうが、いったい大学の「グローバル化」とは何なのか?その意味するところは、クリアとは言えません。濱田さんもそこを考えているようでした。

海外留学生を受け入れること?
世界の有名学会誌に論文の数が増えること?
大学のランキングがあがること?
・・・

濱田先生は、どれも何か物足りないんだと言います。彼の定義するところの大学のグローバル化とは、「卒業生が世界中で活躍すること」。ハーバード、スタンフォード、オクスフォード、ケンブリッジなどの名だたる大学がなぜすごいのか?それは、世界中活躍している著名人が、こうした大学の卒業生だから、ということを説明していました。

この定義の仕方には、全く持って賛成ですが、次なる問いは、そのためには、どのような教育をする必要があるのか?どのように研究をしていくのか?この具体案がみたいところです。これについては、まさに今、組閣案の作り込みとともに4月の新総長就任に向けて急ピッチで作業をすすめられていると思います。やはり、母校は母校。今後の飛躍に期待です。

1 件のコメント:

HelterSkelter1977 さんのコメント...

そう、母校は母校(笑)。頑張って欲しいですね。でもすでに俺はChicago Boothに対するロイヤルティのほうを強く感じはじめている・・・この違いはなんでしょう。